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2008.02.03 (Sun)

バッハを聴く・・・・・無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番


 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001~1006は、ソナタとパルティータの3曲ずつ計6曲からなり、何れもヴァイオリンの独奏の曲なのであるが、ソナタの方は緩急緩急の4楽章からなり、第2楽章にフーガをおいている。それに対してパルティータはアルマンド、クーランド、サラバンド、ジーグ、ルール、ガヴォット、メヌエット、ブーレといった舞曲を集めた形式のもので、これら6曲からなる無伴奏ヴァイオリンの曲は、大バッハことヨハン・セバスチャン・バッハ35歳の頃に作曲されたという。

 バッハが35歳の頃というと1720年であるから、ワイマールの宮廷オルガン奏者を辞職して、アンハルト・ケーテン公、レオポルト伯爵家の宮廷楽長となってから3年後のことになる。この時代に無伴奏ヴァイオリンのための6曲が作曲されているのであるが、この時期のバッハは最も脂が乗り切っている頃である。それというのもワイマール時代のように教会音楽やオルガン曲を作る義務がなくなったことで、就縛から解き放され、泉の如く湧き出る才能をあらゆる楽器のための作曲に注ぐことが自由に出来るようになったからであろう。だからこの時期、バッハのオルガン曲以外の重要な曲のほとんどが作曲されている。例えば『無伴奏チェロ組曲』『ブランデンブルグ協奏曲』『フランス組曲』『イギリス組曲』『管弦楽組曲』等、バッハの代表的な曲の多くは、このケーテン時代と言われる頃に作曲されている。そんな中で無伴奏ヴァイオリンのためのパルテイータは優れた楽曲である。3曲あるが最も有名なのが無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV1004だろう。

 全5楽章からなり、1楽章アルマンド、2楽章クーランド、3楽章サラバンド、4楽章ジーグ、5楽章シャコンヌという形式である。中でも5楽章のシャコンヌはバッハの数ある器楽曲の中でも傑作とされ、単独で演奏されることも多く管弦楽版、ピアノ版、ギター版というのもある。シャコンヌはスペインに昔からある3拍子の舞曲であるが、バッハはここで主題と30の変奏で構成させ、8小節単位で30の変奏を取り入れている。重厚な中にも華やかさのある崇高な楽曲である。私はシャコンヌを聴くと何時も体がシャキと引き締る気がする。やはりバッハは偉大成り、流石、音楽の父である。 

 『シャコンヌ』を弾くヤッシャ・ハイフェッツ

                                 
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*Comment

♪こんばんは

 JACKさん、こんばんは。
バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ2番の『シャコンヌ』だけを聴いても凄い作曲家だという気がしますが、大バッハは1000曲以上もの曲を作っています。やはりとんでもない大作曲家だと思います。イザイ、バルトークのような現代作曲家が同様の作品を試みたとしても、バッハの域に到達することは無理でしょう。バッハは現代に通ずる音楽の道を切り開いたことでも偉大です。モーツァルト、ベートーヴェンなんていうのも偉大なる作曲家ですが、やはりレールを敷いたバッハを抜きにして西洋音楽は語れません。キリスト抜きでキリスト教の話をするようなもので、バッハ抜きで音楽は語れないでしょう。
uncleyie |  2008.02.04(月) 20:26 |  URL |  【コメント編集】

♪名曲ですね。

Uncleyieさん、こんばんは。
私は無伴奏ヴァイオリンパルティータを、一時寝る前によく聴いていました。

たった一台のヴァイオリンだけで、壮大な音の世界を展開していきます。
曲中には重奏などの多彩な表現が求められます。ヴァイオリンの音色や響きの美しさを生かす演奏も難しいです。見せ場や聴かせ所が多いので、演奏者の腕前もがよくわかる曲です。
曲の構成は舞曲ですが、実際はヴァイオリンの可能性を追究した、実験的な曲だといえます。

『シャコンヌ』と言えば、大概この曲のことを指します。そのぐらいよく知られています。
『シャコンヌ』は冒頭の主旋律から終曲まで、息を抜かせぬ緊迫感が漂い、聴く者を音楽の世界に引き込んでいきます。割と長い曲です。
私は曲を聴き終えると、何とも言えぬ清涼感というか、心を洗われたような感慨を持ちます。単に音楽を聴いただけでなく、人間の持つ深い精神性に触れたような気持ちになります。


バッハのこの作品の影響を受けて、イザイやバルトークが無伴奏ヴァイオリンのために作品を残しました。でも、そのような作曲家は少ないです。このバッハの作品があまりに高い完成度だったので、他の作曲家があえて作品を書かなかったのかもしれません。

名曲だと思います。
JACK |  2008.02.03(日) 21:06 |  URL |  【コメント編集】

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