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2014.12.14 (Sun)

バディ・リッチを聴く



 バディ・リッチといういけいけのジャズ・ドラマーがかつていた。かつてということは既に故人である。1917年生まれだからもし生きていたら97歳と言うことになる。亡くなったのが1987年だからもう過去の人である。ユダヤ系の白人ドラマーである。でも何故か小生、若い頃からこの人の名前を知っていたな。ジャズメンとしてはルイ・アームストロング、デューク・エリントン、グレン・ミラー、カウント・ベイシー、ベニー・グッドマンほど有名でもない。またモダンジャズ史においてもチャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンク、ジョン・コルトレーンのようにジャズ史に名を残すというほどのことでもない。でも何故か名前は聞いていた。それはブラスロックのバンド、シカゴのドラマーであるダニエル・セラフィンがジャズドラマーのバディ・リッチを尊敬していると知ったからである。当時高校生だった小生は、早速、大阪の梅田まで行き、阪急東通りにあったレコード屋に行き、バディ・リッチのLP盤を探しに行った。あることはあったがLP盤は高い。小生、高校生の頃は、まだジャズのLPを持ってなかった。だから一枚ぐらいは欲しいなあと思っていたが、どうしても買うとなるとロックの方を買ってしまう。その時も結局は買わないでレコード屋で聴かしてもらったということなのだが、その時にいきなり冒頭から衝撃を受けた曲が『ダンシング・メン』である。ロックのような曲でジャズらしくはなかった。もっとも当時のジャズはフュージョンというものが出てきて変わりつつあったのだが・・・・。
 そのとき速いテンポでドラムを叩きまくるバディ・リッチに度肝を抜かれたということだ。これがバディ・リッチを知る最初となった。それまで小生、ジャズで花形の楽器はトランペットやサックスだとばかり思っていた。まあピアニストも優れた人はいたが、メロディを奏でないドラマーやベーシストは脇役程度にしか感じてなかった。だからジャズドラマーの存在の大きさを知ったのはバディ・リッチを聴いてからである。それまでもロックにおいてドラマーの存在の大きさを判ってはいたが、ビートが緩いジャズでは、ロックほどドラムが活きないだろうと思っていたのは大きな間違いであった。
 バディ・リッチは1917年にニューヨークで生まれ、既に物心がついたころにはドラムのスティックを持って叩いていたというから生まれつきの才能があったのだろう。でも天才にありがちな独自性と言うのか楽譜を読むということが苦手で、彼は独自のニュアンスでドラムを叩いていたようである。11歳で早くもバンドリーダーとして活動していて、20歳ではジョー・マーサラ楽団でプロドラマーになり、その後、アーティ・ショウ、トミー・ドーシーといった有名なビッグ・バンドでドラムを叩くなど、当時の欠かせないスター・ドラマーであった。もっとも当時、有名だったのはベニー・グッドマン楽団にいたジーン・クルーパ(シング・シング・シングをドラムを叩いている古い映像の人)だったが、バディ・リッチも徐々に頭角を現し、1950年代になるとハリー・ジェームス楽団の人気ドラマーとなった。しかし42歳の時心臓発作で一度ステージから遠ざかることとなる。復帰してから暫くして、自分のビッグバンドを持つようになり、この時代に多くの収録がなされたのだろうが、小生もこれ以降のバディ・リッチしか知らない。とにかくドラミングが速い。高速ドラムの達人である。現在のドラマーもかなり速いから今見ると、さほど驚きはしないかもしれないが、戦前のスウィング・ジャズ時代からドラムを叩いている人である。既に初老の域にあった映像でもスネアロールを見事にこなしている。若い時の映像を観てみたいものである。
 ところでこのアルバムは『Dancing Men』『Mercy,Mercy.Mercy』『Love For Sale』『Beulah Witch』『Nutville』『Cotton Tail』『No Jive』『Milestones』『The Drum Also Waltzes 1』『Machine』『Straight No Chaser』『Slo-Funk』『Shawnee』『Drumorello』『The Drum Also Waltzes 2』『Lingo』『Ya Gotta Try』『Pick Up The Pieces』
 マイルス・デイヴィス、マックス・ローチ、コール・ポーター、デューク・エリントン等の曲もあり、色々な顔のバディ・リッチ楽団を知ることが出来る。

『ダンシング・メン』音声のみ


『ラヴ・フォー・セール』

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