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2016.10.29 (Sat)

映画『スタンド・バイ・ミー』を観る

『スタンド・バイ・ミー』1986年制作、 アメリカ映画

監督 ロブ・ライナー

出演 ウィル・ウィートン
    リヴァー・フェニックス
    コリー・フェルドマン
    キーファー・サザーランド
    ケイシー・シマシュコ
    リチャード・ドレイファス

【あらすじ】ある男がのどかな田舎道に車を停め、助手席に置いてある新聞に目をやる。それは弁護士が刺殺されたという記事であった。その刺殺された弁護士というのは、少年時代に親友だったクリス・チェンバースである。ある男はゴードン・ラチャンスといい作家であった。ゴードンはその記事を見て遙か昔の12歳の頃の瞑想にふけるのである。ここから少年時代の回想へ話は進む。
 ゴードンと何時もつるんでいる4人は、よく木の上に建てた簡易小屋でたばこを吹かしたりトランプをしたり、痴話話をよくやっていた。4人とも何か心の中に傷があり癒やされていなかった。ゴードンは兄を事故で亡くし、両親は期待していた長男を失った痛手から立ち直れないでいたが、次男のゴードンには期待もしていなかった。
 クリスは家庭に問題があり周囲から白い目で見られていたが、実は正義感が強く友人思いの優しい少年である。テディは粗野で乱暴で家庭環境も良くなく暴力を起こす父がいたが、軍人として勇ましい活躍をした父をある意味で尊敬していた。バーンは気が弱く少し太っていて、のろまだったが不思議とこの仲間と馬が合った。
 ある日バーンが兄とその仲間との話を盗み聞きする。それは3日前から行方不明になっている少年の死体を見つけたというものだった。しかし、兄たちは盗んだ車のことがばれるのが嫌で警察に届けなかったという。その話を聞いたバーンは早速、仲間に話すと4人で死体を見つけ英雄になろうと行動に起こす。こうして少年4人は延々と線路伝いを歩き始めるのである。

 この映画はホラー作家スティーヴン・キングのホラーでない短編を下地にしてロブ・ライナーが監督した秀作である。オレゴンの田舎町。行方不明になた少年の死体を見つけようと冒険に旅立つ4人の少年。ストーリーは単純だが、その中には色々な要素が含まれていて、淡く切ない少年の心象が見事に描かれている。4人それぞれが持つ悩み葛藤、将来の不安、少年達の会話から見て取れるが、これらが内包され作品の根幹となっている。
 タイトルのStand by Meはそばにいてくれとか支持してくれとかといった意味になるが、性格は違えど少年時代の親友は掛け替えのないもの。大人になってからの関係と違い利害というものはない。ただ純粋無垢で粗野で正直でお互いがぶつかり合う。こういった関係は大人になってから無性に懐かしく感じるものだが、このような感性をを捉えきっている映画だと思う。少年時代に見た感じた思った原風景というものがここにあり、集約された作品である。
 この映画の最後の方で、不良の年上の少年達に脅されながらも友情から気弱なゴードンがピストルを持って構えるところは、あたかも危うい関係に見えて実際には信頼関係で繋がっているという一面を垣間見るものであり、大人にはない甘い切ない少年時の無鉄砲な行いを想起させるものである。謂わば大人への奥底に潜む邪気を擽る映画と言えば良いだろうか。また最後にベン・E・キングの歌うStand BY Meがエンディング曲に使われ郷愁を誘う。


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