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2014.04.26 (Sat)

夢みるフランス絵画展に行く



 兵庫県立美術館で開催している『夢みるフランス絵画』展とやらに行ってきた。副題が印象派からエコール・ド・パリへということでどうやら19世紀から20世紀にかけてのフランスにゆかりのある画家の展覧会と言うことになるのかな。チラシには~ある収集家によるフランス近代絵画のコレクションから名品71点をご紹介します。と書いてあった。ところである収集家って誰なのだ?
 まあ誰かなのだろう。そんなことはいいとして、印象派からエコール・ド・パリまでの画家による展覧会で、16人の画家71点を展示していた。その16人とはポール・セザンヌ、アルフレッド・シスレー、クロード・モネ、オーギュスト・ルノワール、ピエール・ボナール、アルベール・マルケ、ジョルジュ・ルオー、モーリス・ド・ブラマンク、ラウル・デュフィ、アンドレ・ドラン、モーリス・ユトリロ、マリー・ローランサン、アメデオ・モディリアーニ、藤田嗣治、マルク・シャガール、キスリング以上である。何れも名前の知れ渡った画家たちであるが、この収集家はフランスの近代の画家が好きなのだろう。しかしコレクションに一貫性はない。人物画もあれば風景画もあるし静物画もある。この中には日本人の藤田嗣治まで入っている。またどういう基準でこの71点を展示したのかな・・・・・。しかしこの印象派から20世紀中頃までにおいて絵画の世界は大きく変わっていったというのが判る。だんだんとリアリズムと言うものから抽象的、ポップアート的に絵画は変遷していったようだ。でもこの手の展覧会となると目玉がなく来館者もまばら、皮肉にもおかげでゆっくりと鑑賞することが出来た。これがゴッホやフェメールとかの話題の展覧会となると長蛇の列になるのだが・・・・。
 この中で意外といいなあと思ったのがブラマンクとユトリロである。ユトリロなんて日本人の日曜画家が好むが、此処に展示されていた風景画11点の中の何点かはユトリロの色彩の艶やかさを垣間見た。普段から見慣れているユトリロの風景画とは異なって細密な部分まで描かれている。こんな絵も描いているのだと意外性に驚いた。このような大々的に宣伝されない展覧会も行かないと色々な作品が観られないという典型かもしれない。フランスの絵画なんて世界中に売られ、それこそ散らばっているだろう。1人1人の画家にとっても一堂に介すなんてことは最早、不可能に近い。ルノアールやモネなんて一体、どれだけの絵が描かれたことやら。当然、傑作もあれば凡作もある。でもそれらが全て本人が描いたと言うだけで価値もあり、人から人へと渡っていき人の記憶から次第と忘れ去られ、そして時を経てから意外な絵を発見することとなる。それで小生は出来る限り時間が許されれば美術館に通い、自分のお気に入りの絵を見つけることを目的として訪れているのである。でも正直な話、段々と絵に対しても感動が薄れていくのが判る。十代の頃は、絵画展へ行っても胸がワクワクしたものだが、歳をとり色々と体験してみると同じ絵を観ても昔ほどの感動はない。それでも何故に美術館に通うのかといえば、隠れた傑作を求めているということになるのかな・・・・・。だが最近はそれもないのだが・・・・。

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