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2015.01.25 (Sun)

映画『砂丘』を観る

『砂丘』1970年制作、アメリカ映画

監督 ミケランジェロ・アントニオーニ

出演 マーク・フレチェット
    ダリア・ハルプリン
    ロッド・テイラー
    ポール・フィックス
    ハリソン・フォード

【あらすじ】カリフォルニア・ロサンジェルスにある大学で学生集会が開かれている。学内は学生紛争の最中である。若者がキャンパスを占領し警官隊が武力で制圧しようとし銃撃戦になる。そんな中、1人の若者マークはピストルを持って学生が警官に射殺されるのを見て警官を撃とうとするが誰かが先に撃った。しかし、彼の姿がテレビで大写しになる。彼は大学を抜け出してセスナ機を奪いアリゾナの砂漠に向かって飛び立った。一方、若い女性ダリアは砂漠に住宅や別荘地を開発する不動産業者でアルバイトをしていた。それで彼女はアリゾナへ向かって50年代の車を走らせていたのだ。そこでマークとダリアが車と飛行機で鉢合わせする。砂漠の中の一本道、上空からマークは一台の女性の運転する車を見つけ車の屋根をスレスレに飛びからかう。すると車から降りてダリアは飛行機に向かって怒り叫ぶ。ところが繰り返し飛行機が低空で飛ぶのを見て親近感が湧き、着陸したセスナ機に車で近寄る。マークはダリアにガソリン代を払うから30マイルほど離れたザブリスキー・ポイントまで乗せていってくれないかと頼む。湖底が隆起した砂漠。周りには誰もいない。この大自然の中で2人は抱き合う。お互い初めて知り合うのにいきなりの関係になる。やがて2人は別れマークは飛行機でカリフォルニアに帰って行った。ダリアは車の運転中のラジオで聞いたニュースで薄々、彼が誰だかは知っていた。マークは撃とうとしたが誰かが先に撃ったと言い、ダリアもそれを信じていた。そして、ダリアはフェニックスの別荘に向かうがラジオでマークが警官隊に射殺されたとことを知る。

 この映画を観たのは確か高校の時で、大阪梅田にある北野劇場だったと思う。今はHEPナビオという商業施設が建っているが、当時は北野劇場と言う大きな映画館(本来は観劇を興行していた)があった。そこでアントニオーニ監督の『砂丘』を観たのだが、終わってから劇場を出ようとすると、横にいた20代のサラリーマンの声が耳に入った「こんな面白くない映画、初めて観た」。それを聞いて小生はおもわず苦笑いした覚えがあるが、確かによく判らない映画であった。でも感覚的には好きな映画であった。ただストーリー性だとか、濃厚な人間ドラマや、話の面白さを求める者には全く受け付けない映画であったであろう。監督が監督だしなと思いながら自分で納得するしかなかった。ミケランジェロ・アントニオーニが初めてアメリカで監督した作品である。ちょうどヒッピー文化が盛んだった時代(懐かしくもあるが)、世界中でスチューデント・パワーが炸裂もしていた。
 アントニオーニの映画は、それ以前の『赤い砂漠』『欲望』だとかも観ていたので、この『砂丘』を観てアントニオーニらしいなあと言った感想しかなかった。前作の『欲望』ももう一つよく判らない映画でもあった。ただ『欲望』の時はジェフ・ベックにジミー・ペイジが加わったヤードバーズが演奏しているところが見れる貴重な映画なので、よく覚えている。そして『赤い砂漠』ではモニカ・ヴィッティの何とも言えないアンニュイな気だるさに魅力を感じたものである。だからアントニオーニの映画に脚本がどうのだとか、ストーリーがだとか、筋書きを追い求めていたって面白はずがない。独特の映像美学というものがあるのかもしれないが、アントニオーニの世界観はよく判らない。ただ言えることは世の中の不条理にメスを鋭く入れる監督であるということ。この映画のラストになるが、ダリアが砂漠の岩山の上に建てられた別荘に着いて見た光景。そこではリゾートを楽しむ人、そこで行われる金儲けの商談、日頃の日常が平然と行われていた。それを見るにつけ、ダリアは全てをぶっ壊したくなった。彼女は妄想を広げる。別荘はものの見事に爆破され、その現実にある物質がゆらりゆらりと浮遊する。そしてピンク・フロイドの『51号の幻想』が流れ映画が終わる。いやはや、何とも不思議な映画ではあった。

『砂丘』トレイラー


ピンク・フロイド『51号の幻想』

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