2015.06.28 (Sun)
カウント・ベイシーのビートルズを聴く
カウント・ベイシー・オーケストラが何枚かビートルズの曲ばかりを演奏したアルバムを何枚か出している(PCの調子が悪く写真を載せられなくなったので残念だが)。最初に出したのが1966年でちょうどビートルズが来日した年だが、録音が5月3日~5日となっている。つまり来日の1ヶ月半前になる。まだビートルズがアイドルとして華々しく活躍していた時期である。この1966年の後半からビートルズはライブ活動中止の宣言をし、スタジオ・レコーディングのみの活動を行うようになる。そのちょうど転換期にジャズの大御所カウント・ベイシーはビートルズの曲をジャズのビッグバンド風にアレンジしてアルバムを出すのである。この頃はジャズも改革期であった。殊にマイルス・デイヴィスなどはロックに負けじとばかり革新的なアルバムを出すようになるが、この流れにビッグ・バンドは明らかに取り残されていた。このころのカウント・ベイシーは迷っていたのではないだろうか。映画音楽や有名なポップな曲をレコーディングしたりして、その一連の流れの中でビートルズの曲を演奏していた。謂わばカウント・ベイシーらしくなかった。
このビートルズの曲ばかりを集めたアルバムを出した時、カウント・ベイシーは61歳でジャズ界の重鎮であった。それが若者の代表であった流行りのビートルズの曲を演奏していたのだ。時代の流れに逆らえなかったのかな。バンドとしての方向性が見えなかったのかもしれない。もっともサミー・ネスティコというコンポーザーと巡り合って、その後は低迷時期を脱するが、正直なところこのアルバムを聴いてあまり感銘を受けない。どうもサウンドが古臭い。当時ビートルズのカバーをするバンドが続出したが、ヴォーカル曲をインスルメンタルでカバーするのは難しいものがある。ましてやジャズのビートでアレンジすると古くさくなる。もっともウェス・モンゴメリーになると斬新なビートルズになるのだが、カウント・ベイシーはビートルズを演奏するにはサウンドが古典的すぎるのだ。
まあこれは個人的な意見だが、同じ頃にセルジオ・メンデス&ブラジル66がビートルズのカバー曲を出していた。あちらの方は見事なセルジオ・メンデスのサウンドでビートルズとは違った魅力ある。しかし、これはこれでいいのだろう。一応はベイシー・サウンドだし。
収録曲は12曲で『Help』『Can’t Buy Me Love』『Michelle』『I Wanna Be Your Man』『Do You Wan’t To Know A Secret』『A Hard Day’s Night』『All My Loving』『Yesterday』『And I Love Her』『Hold Me Tight』『She Loves You』『Kansas City』とビートルズ初期を中心にお馴染みの曲ばかりを収録している。カンザス・シティだけはビートルズの曲ではないがビートルズ自身がカバーしてアルバム『フォー・セール』に入っている。だから全てビートルズのジャズ・カバーと言ってもいいだろう。だがあまり聴いていてもインパクトに欠けていて心に残らない。やはりベイシーはベイシーらしくあってほしい。このアルバムは謂わばお遊びみたいなもかもしれないが、正直言って同時代の音楽から古くさく想われたのは仕方ない。最小限の音符で最大のスウィング感を生みだすというカウント・ベイシー・サウンドだが、この1960年代の若者の目新しいサウンドについていってないというのが、当時の若者だった小生の感想だ。今の激しすぎるサウンドを生まれた時から聴きまくっている今の若者からしたら、カウント・ベイシーはむしろ新鮮かもしれないが、小生としたらベイシーのビートルズは路頭に迷った中で仕方なく出した音楽にしか聴こえない。ジャズがロックンロールやビート・ポップスと呼ばれる当時の若者音楽に人気が奪われていく最中、よほど焦っていたのかな。それはマイルス・デイヴィスにも言えることなのだが・・・・・・・・。
当時、準楽団員だったビル・ヘンダーソンが歌う『イエスタディ』
『ミッシェル』
『キャント・バイ・ミー・ラヴ』
このビートルズの曲ばかりを集めたアルバムを出した時、カウント・ベイシーは61歳でジャズ界の重鎮であった。それが若者の代表であった流行りのビートルズの曲を演奏していたのだ。時代の流れに逆らえなかったのかな。バンドとしての方向性が見えなかったのかもしれない。もっともサミー・ネスティコというコンポーザーと巡り合って、その後は低迷時期を脱するが、正直なところこのアルバムを聴いてあまり感銘を受けない。どうもサウンドが古臭い。当時ビートルズのカバーをするバンドが続出したが、ヴォーカル曲をインスルメンタルでカバーするのは難しいものがある。ましてやジャズのビートでアレンジすると古くさくなる。もっともウェス・モンゴメリーになると斬新なビートルズになるのだが、カウント・ベイシーはビートルズを演奏するにはサウンドが古典的すぎるのだ。
まあこれは個人的な意見だが、同じ頃にセルジオ・メンデス&ブラジル66がビートルズのカバー曲を出していた。あちらの方は見事なセルジオ・メンデスのサウンドでビートルズとは違った魅力ある。しかし、これはこれでいいのだろう。一応はベイシー・サウンドだし。
収録曲は12曲で『Help』『Can’t Buy Me Love』『Michelle』『I Wanna Be Your Man』『Do You Wan’t To Know A Secret』『A Hard Day’s Night』『All My Loving』『Yesterday』『And I Love Her』『Hold Me Tight』『She Loves You』『Kansas City』とビートルズ初期を中心にお馴染みの曲ばかりを収録している。カンザス・シティだけはビートルズの曲ではないがビートルズ自身がカバーしてアルバム『フォー・セール』に入っている。だから全てビートルズのジャズ・カバーと言ってもいいだろう。だがあまり聴いていてもインパクトに欠けていて心に残らない。やはりベイシーはベイシーらしくあってほしい。このアルバムは謂わばお遊びみたいなもかもしれないが、正直言って同時代の音楽から古くさく想われたのは仕方ない。最小限の音符で最大のスウィング感を生みだすというカウント・ベイシー・サウンドだが、この1960年代の若者の目新しいサウンドについていってないというのが、当時の若者だった小生の感想だ。今の激しすぎるサウンドを生まれた時から聴きまくっている今の若者からしたら、カウント・ベイシーはむしろ新鮮かもしれないが、小生としたらベイシーのビートルズは路頭に迷った中で仕方なく出した音楽にしか聴こえない。ジャズがロックンロールやビート・ポップスと呼ばれる当時の若者音楽に人気が奪われていく最中、よほど焦っていたのかな。それはマイルス・デイヴィスにも言えることなのだが・・・・・・・・。
当時、準楽団員だったビル・ヘンダーソンが歌う『イエスタディ』
『ミッシェル』
『キャント・バイ・ミー・ラヴ』
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