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2008.06.15 (Sun)

ジェファーソン・エアプレインを聴く

 ジェーファーソン・エアプレインのアルバム『シュールリアスティック・ピロー』
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 1960年代前半、ビートルズ旋風が吹き荒れ、それによりイギリスのポップ及びロック・グループが大挙してミュージック・シーンに登場した。概してそれらはリバプール・サウンドと呼ばれ、必ずしもリバプール出身のグループばかりではないが、そのように呼ばれていた。それらはまたアメリカの若者に影響を与え、その後、続々とアメリカにも新世代のグループが1960年代中頃から登場してくるのであった。そんな中、アメリカの西海岸サンフランシスコでも、リバプール同様、グループが雨後の筍のように出現した。それらはイギリスのリバプール・サウンドに対してシスコ・サウンドとかサンフランシスコ・サウンドと形容されるのであった。

 その頃の主なグループというとグレイトフル・デッド、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス、モビー・グレイブ、スティーヴ・ミラー・バンド、ビッグ・ブラザース&ジ・ホールディング・カンパニー、カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ・・・・・。そしてジェフーソン・エアプレインがいた。

 1967年の初夏に大ヒットした曲があった。『あなただけを(Somebody To Love)』である。

When the truth is found to be lies
And all the joy within you dies

Don't you want somebody to love ?
Don't you need somebody to love ?
Wouldn't you love somebody to love ?
You better find somebody to love, love

 イントロが無くパンチの効いた女性ヴォーカルの唄から曲が始まる。 女性ヴォーカリストのグレース・スリックの声がシャウトして、当時、とても新鮮に思えたものである。当時のジェファーソン・エアプレインのメンバーは、マーティン・ベイリン、ポール・カントナー、ジョーマ・ラドウィック・コーコネン、スペンサー・ドライデン、ジャック・キャサディ、グレース・スリックである。

 ジェーファーソン・エアプレインは1965年にメンバーが集まり1966年にデビューしたが、当初はさほど有名では無かった。それがオリジナル・メンバーであったシグニ・トリー・アンダーソンに代わり、グレース・スリックが入ったことで音楽に幅が出来、1967年に2枚目のアルバム『シュールリアスティック・ピロー』をリリースしたことにより、挿入曲『Somebody To Love』『White Rabbit』の2曲がヒットしたのである。これにより1967年8月、アルバム『シュールリアスティック・ピロー』は、アルバム売り上げでビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に次いで第2位になり、RIAA公認のミリオン・ダラーLPとなり、ジェファーソン・エアプレインはトップグループとして飛翔するのであった。

 その後、ジェファーソン・エアプレインは1967年のモンタレー・ポップ・フェスティバルに出演し全米に名を轟かせ、やがてサイケデリック・ロックと言われる音楽一派の旗頭のような存在であった。さらに当時は泥沼化するベトナム戦争の真っ只中の時代である。またジェファーソン・エアプレインは、反体制メッセンジャーの代弁者としてのグループとして存在性を増し、グループの頂点を迎えるが、1972年にグループが解散してしまう。

 しかし新たにメンバーの一部が代わりジェファーソン・スターシップとして活動する。でも現在でも存在するジェファーソン・スターシップというのは解散と再結成を数度繰り返しメンバーも随分と入れ代わっている。もはやサンフランシスコ・サウンドだとかサイケデリック・サウンドだとかいわれ一世を風靡したジェファーソン・エアプレインとは似て非なるものといった趣がある。

 『White Rabbit』『あなただけを(Somebody to Love)』を唄うグレース・スリックとジェファーソン・エアプレイン。


 モンタレー・ポップ・フェスティバルに出演した時のジェファーソン・エアプレイン。

EDIT  |  10:50  |  音楽(ポップス、ロック、その他)  |  TB(0)  |  CM(2)  |  Top↑

*Comment

♪こんばんは

 こんばんはJACKさん。ジェファーシン・エアプレインの『あなただけを』を聴くと、いまだに私なんかドン・チュー・ウォント・サム・バディ・トゥ・ラヴがドン・チュー・ウォント・サム・マリルラーに聴こえます。この曲は人気があって、あの頃、堺正章なんかもよくテレビで唄っていましたし、アマチュア・バンドの女性なんかがよく唄っていました。

 そういえばグレース・スリックといえば松任谷由実もファンだったらしく、『グリース・スリックの肖像』なんて曲があったことを思い出します。松任谷由実が、私と同世代の人なので、影響を受けたのは判るような気がします。とにかくジェファーソン・エアプレケインはグレース・スリックの人気によるところが大きかったのです。美形でカリスマ的な女性シンガーということで持て囃されていました。当時、もう一方の女性ロック・シンガーというとジャニス・ジャップリンがいましたが、容姿が劣るのでグレース・スリックほど日本ではうけませんでしたが、彼女の場合はジェファーソン・エアプレインから2、3年遅れて人気が沸騰しました。でもジャニスが急逝してしまい。その後、ジェファーソン・エアプレインも解散してしまったのです。

 最近のジェファーソン・スターシップはどうなっていのでしょうか。聴くこともありませんが、最近、何かでグリース・スリックの写真を見ましたが、随分と歳をとったなあと感じます。容姿も衰え皺が彼女の顔を多い尽くしています。

 やはり若いときの彼女のイメージしか頭の中に無いので、それは驚きでした。モンタレー・ポップ・フェスティバルの映像は、また観てみたいと思いますね。
uncleyie |  2008.06.15(日) 21:04 |  URL |  【コメント編集】

♪モンタレーから40年

uncleyieさん、こんにちは。

ジェファーソン・エアプレインが活躍した頃は、私は物心つく前で、曲を聞いたのは多分大学生の頃です。サイケデリックミュージックの代表的なグループを一通り聞きました。グレース・スリックの伸びのある声は、今聞いても新鮮です。大音響、幻想的なサウンド、深い意味のあるシンプルな歌詞などは時代を強く反映したものですが、聞く人を引き付ける力を感じます。

『あなただけを』の後半、ドン・チュー・ウォント・サム バディー・ラ~ブ♪という分かりやすい英語フレーズが繰り返されて、それがずっと耳に残ります。

『white rabbit』は、『不思議の国のアリス』に登場する白うさぎを題名にして、身体が大きくなったり、小さくなったりする不思議な体験を歌っています。
このタイトルには『白い錠剤』という意味もあります。そのため、幻覚剤によるトリップ体験を歌った作品だと言われています。この曲は、映画『プラトーン』でも使用されました。

バンド名に使われた『ジェファーソン』の由来は不明です。アメリカ合衆国の独立宣言書の草稿を書いた、政治家のトマス・ジェファーソン、あるいは盲目のブルースマン、ブラインド・レモン・ジェファーソンなど諸説があります。


ジェファーソン・エアプレインなどの、アメリカ西海岸で生まれた新しいロックは、40年前に開催された『モンタレー・インターナショナル・ボップ・フェスティバル』によって更に広まっていきます。その模様はDVD化されているそうなので、一度見たいと思っています。
JACK |  2008.06.15(日) 18:38 |  URL |  【コメント編集】

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