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2009.08.14 (Fri)

チャック・ベリーを聴く

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 チャック・ベリーというとロックンロールの代名詞のような人であるが、彼の存在を知ったのはビートルズのカバーによってである。その昔、ビートルズ旋風が日本を席巻し始めた1964年頃、ビートルズが歌う『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』『ロックンロール・ミュージック』を聴いて、そのパンチのある曲に小学生だった私も唸ったものである。でもそれがビートルズの曲ではなくチャック・ベリーの曲であるということを知るきっかけとなった。

 チャック・ベリーーは1926年生まれであるから、死んだという話は聞かないから現在82歳ということになる。黒人である彼はセントルイス(カリフォルニアのサンノゼ生まれという説もあるが)において6人兄弟の3番目の子供として生まれ、幼少の頃から音楽に興味を持っていたという。彼は父が建設請負業者で母が教師という比較的恵まれた家庭の子であった。聖歌隊で歌に接し、次第にギターを覚え高校時代には人前で演奏をするようになるものの、当時の環境にもよるのか不良仲間に誘われ、色々と悪事を働くようになる。高校時代には自動車強盗で感化院へ送られ(3年後釈放)たりして、いかにも不良音楽の代名詞のように言われたロックンロールの申し子らしいチャック・ベリーである。こんな彼が1953年、ジョニー・ジョンソンのバンドであるサー・ジョン・トリオにギターリストとして加わってから本格的な音楽活動が始まるのである。やがてジョニー・ジョンソンに代わってチャック・ベリー自身がバンド・リーダーとなり、ステージをこなすうちに、そのステージを見ていたマディ・ウォーターズによってチェス・レコードからデビューするようになる。その曲が『メイベリーン』(1955年)である。

 チャック・ベリーは彼独自のギター奏法とダックウォークが話題となり急速に人気が出たのである。1956年には『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』がヒット、翌年には最初のアルバム発表し、さらにはシングル盤『スクール・デイズ』『ロックン・ロール・ミュージック』が連続ヒット。当時、人気絶頂だったエルヴィス・プレスリーにリトル・リチャード、バディ・ホリー等と並んでまさにロックンロールの寵児として持て囃されるようになる。

 さらに1958年、『スウィート・リトル・シックスティーン』『ジョニー・B・グッド』『キャロル』等がヒット。だが1959年12月、チャック・ベリーはマン法で逮捕される。マン法とは女性を道徳に反する目的のために州を越えて連れて来ることを禁じる法律で、チャック・ベリーはメキシコで知り合った14歳の少女を連れまわし売春を強要したとして逮捕され、懲役5年が言い渡された。結局、この5年間の懲役は3年に減刑されるのだが、3年間のブランクは大きかった。また時代はロックン・ロール全盛とも言えなくなっており、エディ・コクラン、バディ・ホリーの死もあって、チャック・ベリーのような典型的ロック・ロールは下火となっていた。

 チャック・ベリーが3年の懲役から出てくる1963年にもなるとロックン・ロールの新時代に移っていて、ビートサウンドも色んな要素が加わっていた。だから飽くまでもロックン・ロールの道を突き進んでいたチャック・ベリーのい音楽は受けなくなっていた。だが1964年、イギリスで既に人気爆発していたビートルズ旋風がアメリカに飛び火し瞬く間に世界中へ拡がっていった時、ビートルズがチャック・ベリーの曲をカバーしていたことで、チャック・ベリーの軽快な曲が再び脚光を浴びるという恩恵を受け、チャック・ベリーの曲も少なからずヒットするようになったのである。

 その後はあまりチャック・ベリーの活躍を聞かなくなったが、1972年に脱税の罪で逮捕されるなど、相変わらず不良なロックン・ローラーを演じていたが、次第に歳をとり彼もようやく大人しくなったようだ。1981年には初来日し、日本の多くのロックン・ロール・ファンを熱狂させたことも今となっては懐かしい。1986年にはロック殿堂入りをはたしロックン・ロール音楽の創始者の1人として貢献を認められたのである。またローリング・ストーンズののキース・リチャーズが、チャック・ベリーのファン代表として、バンド・メンバーを集めてチャック・ベリー生誕60周年記念コンサートを開いたことをニュースで聞いたが、それからでも既に23年の日々が経過している。

 またギターリストとしても素晴らしく、2003年に雑誌『ローリング・ストーン』が選ぶ、歴史上最も偉大な100人のギターリストにおいて第6位にランクされている。つまり単なるロックンロールという若者の不良の音楽というイメージから、現代の地位を築き上げたチャック・ベリーであるが、若いときの破天荒さから始まって、その生き様、音楽性をも含めてすべてが、後年のロック・ミュージシャンに繋がるものだと考えれば、チャック・ベリーの歩んだ足跡というものは想像以上に大きいものだといいことが判る。

 『ジョニー・B・グッド』を歌うチャック・ベリー。どうしてもサビのところがゴータニゴーゴーに聞こえる。


 『ロックンロール・ミュージック』を歌うチャック・ベリー。この曲はビートルズがカバーして有名になった。

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