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2009.08.22 (Sat)

サントリーミュージアム休館

 大阪の天保山にあるサントリーミュージアム天保山が来年の暮れで休館するという。何とも寂しい話であるが事実のようだ。私も何度か訪れたことがあって、公立の美術館にない奇抜な企画展示等があって気に入ってる美術館だったのに、年間数億円の赤字が嵩み、休館することになったらしい。

 そもそもサントリーミュージアムは1994年秋にオープンした新しい美術館である。安藤忠雄設計による斬新な建物で、美術館以外にもアイマックスシアターという巨大スクリーンを持つ劇場も館内にあり、完成当時は話題になったもので、一時期は年間101万人の入館者があった。しかし、最近は入館者が減り昨年1年間では65万人しか入館者がなかったという。とはいうもののサントリーという企業は、サントリーミュージアム以外にもサントリー美術館、サントリーホールをも所有していて、いずれも儲かってないという。でも文化事業に熱心な企業としてのイメージがあって、赤字覚悟で文化事業に手を出してきたのに残念である。

 ただ邪推でいうならば、キリンホールディングスとの統合の話があり、キリン側から採算の合わない事業を撤退せよという圧力がかかっているのではないかと・・・・・・・・・??

 サントリーは非上場企業である。だから株主からの突込みがなく、これまで色々な文化事業に手を染めてきたのである。でもサントリー美術館にせよ、サントリーホールにせよ、建てた場所は東京である。ところが、サントリーというのは大阪の企業なのである。それで大阪の企業なのに、東京にばかり文化施設を作って完全に大阪を無視していると長い間、揶揄されてきた。このような大阪の財界人や文化人の要望に応えてようやく建てられたサントリーミュージアム天保山である。・・・・でも年々、累積赤字が溜まる。そこへ上場企業であるキリンホールディングスとの統合の話が進むと、赤字の事業は当然、撤退せよという方向に向うのだろう。それでその矛先は唯一、大阪にあるサントリーの文化施設に向けられたというと、今度の統合は我々、近畿在住の者にとって何のメリットも無いと思えるが、企業統合が流行る今のご時世、その流れに乗るしかないのだろう。

 企業統合はいいこともあるが、必ずしもいいことばかりではない。確かに時流に乗るのはいいが、得てして企業イメージまで変わってしまうから危険な賭けである。しかし、良いイメージを持っていたサントリーまでが、利益を追い求めるだけの味気ない企業に変わっていくのは忍びない。それも大阪の土地で育まれた優良企業だけに寂しいものがある。全国的には、よくガメツイだとかケチだとか間違って伝えられている印象の強い大阪の企業だが、使うときにはいくらでも損を覚悟で大金を投資するものである。だが日頃は無駄遣いをしない。このような精神で培われていたサントリーだけに、サントリーミュージアム休館の話は寝耳に水であった。それで休館後はいったいどうなるのか判らないが、引き続きミュージアムとして残してくれると嬉しいのだが、現実は厳しいのだろうなあ・・・・・・。とにかく文化を維持するのには大金が必要なのであって、文化事業は儲からないものなのである。だからといって、これを無駄金だとして削ってしまうと、そこで文化は衰退するのである。それでサントリーも文化事業を徐々に縮小していくのだろうか・・・・・。今後は、何とも水臭いビールやウイスキーを飲まされそうだなあ・・・・・。
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