2009.09.15 (Tue)
ヒッチコックの映画『めまい』を観る
『めまい』1958年製作、アメリカ映画
監督 アルフッレッド・ヒッチコック
出演 ジェームズ・スチュワート
キム・ノヴァク
バーバラ・ベル・ゲデス
トム・ヘルモア
ヘンリー・ジョーンズ
エレン・コービイ
【あらすじ】刑事だったスコティは犯人を追う途中に同僚を死なせてしまったショックで高所恐怖症によるめまいに襲われるようになり、事件で警察を辞めてしまった。そんな彼のもとへ友人から自殺願望のある美しい妻マデリンの監視を頼まれる。だがスコティはマデリンを尾行するうちに彼女の魅力の虜になってしまう。ところが、尾行途中に高所恐怖症のスコティの前でマデリンは突然、飛び降り自殺を図ってしまう。だがマデリンが亡くなったはずなのに、或る日、街角でスコティはマデリンと瓜二つの女性と出会ってしまう。そして、意外な真相が明らかになっていく。
何やら最近、ヒッチコックの数ある作品の中でも屈指の名作であると、急に評価が高まっている映画である。スリラーの達人ヒッチコックには『鳥』のような猟奇的な映画もあれば、格調の高い心理スリラーも多い。そういったところから見ると『めまい』は後者の方に属するのだろうか、前半のラヴ・ラマンス風から後半は一転してのスリルとサスペンス。この辺りの演出の巧みさは流石にヒッチコックと思わせるものがあり、一度は観ておくべき作品であろう。
最もヒッチコック自身は『めまい』を失敗作と語っていて、どうもスコティが依頼を受けて尾行するミステリアスな神経症のブロンド美女マデリンの役をキム・ノヴァクではなく、当初ヴェラ・マイルズで撮るつもりであったという。ところがよりによってヴェラ・マイルズが妊娠してしまって出演不可能になり、キム・ノヴァクの登場となったのである。しかし、彼女は個性が強く必ずしもヒッチコックが思い描いていたマデリンではなく、彼は不満タラタラで演出していたとも言われる。ヒッチコックはどちらかというとキム・ノヴァクのような魅惑的な女性ではなく、清楚でいてあまり目立たないヴェラ・マイルズのような女優を使うほうが、演出効果がより活かせると考えていたかどうか判らないが、ヒロインのキャスティングには何時までも不満を持っていたようである。ただ我々が思うにはヴェラ・マイルズのような女優にしては平凡な外見の女性よりも、キム・ノヴァクが演じた方が映画として納得できたであろうとは思うのだが、作る側と観る側では食い違いはあって当然だろう。
だが、こういったキャスティングの思い込みの違いを含めても、『めまい』は各所で、その後の映画界に影響を与えた映画として評価が高まっている。たとえば床が落ちるように撮ったい所謂「めまいショット」を言われる撮影方法であるが、その後、ありとあらゆる場面で、このショットを引用するようになったと言われ、スピルバーグなどがたいへんな影響を受けたと語っている。事実、彼の作品『E.T』等で踏襲しているし、またブライアン・デ・パルマなども自身の作品で似たような効果を期待して試みている。このようにヒッチコックは色々な方法で、よりよい効果を生み出す演出を巧に使い続け、長い間、スリラーの巨匠として絶えず第一線で活躍し続けた監督である。無声映画時代から、映画監督としてメガホンをとり、その後、イギリスからアメリカへ渡り、1980年に亡くなるまでえハリウッドでサスペンス映画を撮り続けた。スリラーのジャンルを発明し、次々と改良を加えていき皮肉とウィットに富んだ映画界の巨匠であるが、世界の映画界を見渡してみても、後世に影響を与えたといった意味では、最も輝いている監督かもしれない。
『めまい』のトレイラー
監督 アルフッレッド・ヒッチコック
出演 ジェームズ・スチュワート
キム・ノヴァク
バーバラ・ベル・ゲデス
トム・ヘルモア
ヘンリー・ジョーンズ
エレン・コービイ
【あらすじ】刑事だったスコティは犯人を追う途中に同僚を死なせてしまったショックで高所恐怖症によるめまいに襲われるようになり、事件で警察を辞めてしまった。そんな彼のもとへ友人から自殺願望のある美しい妻マデリンの監視を頼まれる。だがスコティはマデリンを尾行するうちに彼女の魅力の虜になってしまう。ところが、尾行途中に高所恐怖症のスコティの前でマデリンは突然、飛び降り自殺を図ってしまう。だがマデリンが亡くなったはずなのに、或る日、街角でスコティはマデリンと瓜二つの女性と出会ってしまう。そして、意外な真相が明らかになっていく。
何やら最近、ヒッチコックの数ある作品の中でも屈指の名作であると、急に評価が高まっている映画である。スリラーの達人ヒッチコックには『鳥』のような猟奇的な映画もあれば、格調の高い心理スリラーも多い。そういったところから見ると『めまい』は後者の方に属するのだろうか、前半のラヴ・ラマンス風から後半は一転してのスリルとサスペンス。この辺りの演出の巧みさは流石にヒッチコックと思わせるものがあり、一度は観ておくべき作品であろう。
最もヒッチコック自身は『めまい』を失敗作と語っていて、どうもスコティが依頼を受けて尾行するミステリアスな神経症のブロンド美女マデリンの役をキム・ノヴァクではなく、当初ヴェラ・マイルズで撮るつもりであったという。ところがよりによってヴェラ・マイルズが妊娠してしまって出演不可能になり、キム・ノヴァクの登場となったのである。しかし、彼女は個性が強く必ずしもヒッチコックが思い描いていたマデリンではなく、彼は不満タラタラで演出していたとも言われる。ヒッチコックはどちらかというとキム・ノヴァクのような魅惑的な女性ではなく、清楚でいてあまり目立たないヴェラ・マイルズのような女優を使うほうが、演出効果がより活かせると考えていたかどうか判らないが、ヒロインのキャスティングには何時までも不満を持っていたようである。ただ我々が思うにはヴェラ・マイルズのような女優にしては平凡な外見の女性よりも、キム・ノヴァクが演じた方が映画として納得できたであろうとは思うのだが、作る側と観る側では食い違いはあって当然だろう。
だが、こういったキャスティングの思い込みの違いを含めても、『めまい』は各所で、その後の映画界に影響を与えた映画として評価が高まっている。たとえば床が落ちるように撮ったい所謂「めまいショット」を言われる撮影方法であるが、その後、ありとあらゆる場面で、このショットを引用するようになったと言われ、スピルバーグなどがたいへんな影響を受けたと語っている。事実、彼の作品『E.T』等で踏襲しているし、またブライアン・デ・パルマなども自身の作品で似たような効果を期待して試みている。このようにヒッチコックは色々な方法で、よりよい効果を生み出す演出を巧に使い続け、長い間、スリラーの巨匠として絶えず第一線で活躍し続けた監督である。無声映画時代から、映画監督としてメガホンをとり、その後、イギリスからアメリカへ渡り、1980年に亡くなるまでえハリウッドでサスペンス映画を撮り続けた。スリラーのジャンルを発明し、次々と改良を加えていき皮肉とウィットに富んだ映画界の巨匠であるが、世界の映画界を見渡してみても、後世に影響を与えたといった意味では、最も輝いている監督かもしれない。
『めまい』のトレイラー
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