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2010.05.08 (Sat)

ハーマンズ・ハーミッツのデビュー・アルバムを聴く

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 とうとう筆者は狂ったのかと思われた向きもあるかもしれない。何でハーマンズ・ハーミッツなのだ? と問われるかも知れない。大物ではないし、過去の当音楽ブログに登場したミューシャンと比較しても実力があるというのでもなく、さほど知名度があるというのでもないのに何でハーマンズ・ハーミッツなんだということなのだが、まあいいではないか。たまには趣味でこういったミュージシャンも登場いたします。

 ところでハーマンズ・ハーミッツというと、やはり50歳以上の人にしか判らないグループであろう。彼らが最も活躍したのが1960年代中頃だから、今から40年以上前に人気のあったグループなのである。何故に人気があったかというと、それはヴォーカリストのピーター・ヌーン(1947年生れ)に頼るところが多く、彼がヴォーカルをしていた関係から人気があったように思う。

 そもそもは子役として地元イギリスのテレビに出演していたピーター・ヌーンが、俳優稼業に見切りをつけて5人組のビート・グループであるハートビーツを結成したことから始まる。やがてハーマンと呼ばれていたピーター・ヌーンのグループはハーヴェイ・リスバーグ、チャーリー・シルヴァーマンという2人のマネージャーと出会う。その時、マネージャーはハードビーツという平凡な名前よりも奇抜なグループ名を考えていた。その時、メンバーのカール・グリーンが、人気アニメ『ロッキー・アンド・ブルウィンクル・ショウ』に出てくるシャーマンがピーター・ヌーン(ハーマン)に似ているということで、シャーマン&ザ・ハーミッツはどうだろうかと提案したが、結局はハーマンズ・ハーミッツという名になったのである。つまりハーマン無くしては成り立たないグループだったのである。

 こうしてイギリスのマンチェスター(リヴァプールではないところが面白い)で結成されたハーマンズ・ハーミッツは1964年にデビューする。この頃のイギリスは、ちょうどビートルズ、ローリング・ストーンズが人気沸騰の最中である。2人のマネージャーは辣腕でピーター・ヌーンのルックスを前面にアピールするつもりであったらしい。アイドル的ルックスを持つピーター・ヌーンは美男子ではないものの、母性本能をくすぐる愛らしさを持っていて、10代の女の子及び両親にも認められるアイドルとしての人気が沸騰。デビューシングル『朝からゴキゲン』『ユア・ハンド・イン・マイン』がいきなりのヒット。第2弾シングル『ショウ・ミー・ガール』『アイ・ノウ・ホワイ』は最高21位どまりだったが、第3弾『シルエッツ』『ハートがドキドキ』が再び大ヒット。

 これでイギリスにハーマンズ・ハーミッツ旋風が吹き荒れることになったのである。この勢いはやがてアメリカへ飛び火し、1965年はハーマンズ・ハーミッツ大躍進の1年で、とうとう1965年にはアメリカでのレコード盤の売り上げがビートルズを追い抜いてしまったのである。こうしてハーマンズ・ハーミッツは約1ヶ月のアメリカ公演に出発。途中、サム・クックのカバー曲『ワンダフル・ワールド』(日本ではウルフルズで有名)が大ヒット。さらに『ミセス・ブラウンのお嬢さん』も大ヒット。『ヘンリー8世君』は全米第1位。コニー・フランシス主演の映画『青春のデイト』にも出演。エド・サリヴァン・ショウにも出演。アメリカでも自他共に認められるビート・グループとしてビートルズやローリング・ストーンズに追随するグループとなったのである。しかし、人気の衰退も早かった。

 1966年に来日し、翌1967年に『見つめ合う恋』が大ヒット。この曲は後年にカーペンターズがカバーするが、そもそもハーマンズ・ハーミッツ自身カバー曲が多く、彼らのオリジナル性が問われる。そしてデビューからあまり代わり映えしない音楽性に飽きられる羽目となる。こうして1970年以降はすっかり忘れられた存在になってしまい、1971年にはピーター・ヌーンが脱退したことにより事実上解散したも同然となった。

 その後、再び結成されたという話も聞くが、今更、聴く気も起こらないので、どうなっていることやら。でも一時期であるが確かに輝いていたのが何時もハッピー、ハーマンズ・ハーミッツである。ということで、こういったグループもあったということを小生はいいたかったのである。

 『ワンダフル・ワールド』を唄うハーマンズ・ハーミッツ。これはサム・クックのカバー曲である。日本ではウルフルズが唄った。


 『この世の果てまでも』を唄うハーマンズ・ハーミッツ。これもスキーター・デイヴィスのカバー曲である。


 『見つめ合う恋』音声のみ、動画はなし。この曲はカーペンターズがカバーした。

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