2ntブログ
2024年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
EDIT  |  --:--  |  スポンサー広告  |  Top↑

2011.03.10 (Thu)

サラ・ヴォーンのポップスを聴く

P1020266.jpg

 サラ・ヴォーンというと幅広い声域と見事なヴィブラートと声量を誇り、ビリー・エクスタインとともにモダン・ジャズ・ヴォーカルの開祖ともいうべき大御所女性シンガーであることは言わなくともよいが、彼女の特徴としてはジャズ・ヴォーカルのみならずポップス界においても優れた歌い手であったということである。

 サラ・ヴォーンは1924年ニュージャージーで生まれ18歳でアマチュア・コンテストで優勝というほど歌唱力には若い時から定評があった。そして、歌手でトランペッターのビリー・エクスタインに認められアール・ハインズ楽団に参加。ここからプロ歌手としての経歴が始まるのだが、1944年、ビリー・エクスタインのビッグ・バップ・バンドに加わってからメキメキと頭角を現すのであるが、ちょうどこのころ、チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、アート・ブレイキー等と共演。音楽的基礎を培ったのである。さらに同じ頃、同バンドで初のレコーディング。1947年には『イッツ・マジック』がヒットしエクスファイア、ビルボード両誌で人気投票1位に輝いたほどで、当時は技巧に走りすぎという批判もあったという。

 こういった器用さもあって若い頃から、ジャズとポップスを歌いこなしていた。当然、このアルバムもポップスを歌って収録したものである。1950年代からジャズとポップスを歌いこなしていたサラ・ヴォーン。1960年代に入ってもその勢いはとどまることを知らず。このアルバムは1965年秋にニューヨークで収録されたものである。もっともジャズ・ヴォーカルというのは、この当時、危機感があった。1960年代中ごろから後半にかけてロック・ミュージックの台頭で、ジャズのスタンダードを歌っていたシンガーは働く場所が狭まって行った。それでヨーロッパに渡ったり引退していったりで、当時のジャズ・ヴォーカルの御三家だったエラ・フィッツジェラルド、カーメン・マクレエ、そしてサラ・ヴォーンも例外ではなかったのである。それでエラもカーメンもポップスを歌うようになったのであるが、もとからポップスを取り上げていたサラ・ヴォーンはお手の物だった。

 そして、当アルバムなのであるが、収録曲は『イエスタデイ』『アイ・ノウ・ア・プレイス』『イフ・アイ・ルールド・ザ・ワールド』『メイク・イット・イージー・オン・ユアセルフ』『ヒー・タッチド・ミー』『ハビビ』『ホワット・ザ・ワールド・ニーズ・ナウ・イズ・ラヴ』『ラヴァーズ・コンチェルト』『リトル・ハンズ』『オン・ア・クリア・デイン・ア・クリア・デイ』『ファースト・シング・エヴリー・モーニング』『ワルツ・フォー・デビル』の12曲である。

 ビートルズの『イエスタデイ』から始まって、ペトゥラ・クラークの曲、トニー・ベネットの曲、バート・バカラック作曲の『メイク・イット・イージー・オン・ユア・セルフ』『ホワット・ザ・ワールド・ニーズ・ナウ・イズ・ラヴ』、映画の主題歌『ハビビ』、ミュージカル・ナンバー、カントリー・ナンバー、ジャズ畑の曲と言えばビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』ぐらいである。

 所謂、なんでもこなすサラ・ヴォーンの面目躍如というべきところである。何もジャズ・シンガーにこだわることもない。もしジャズ・シンガーにならなければオペラ歌手でもポピュラー・シンガーでもシャンソン歌手でも成功しただろうといわれているサラ・ヴォーンであるから聴きごたえがある。この中でサラが歌って最も有名になったのが『ラヴァーズ・コンチェルト』である。この曲はサンディ・リンザーとデニーランデル作詞・作曲によるものだが、メロディを聴いてもらえば判るように、基はバッハの有名なメヌエット(アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳~メヌエット ト長調 BWV.Anh.114)である。つまりバロックの曲である。最近、サラ・ヴォーンが歌っている『ラヴァーズ・コンチェルト』がテレビCМで流れていたからご存知の方もおられよう。この曲は実はサラ・ヴォーン以外にも歌っていてザ・トイズという黒人女性人3人組が歌って1965年2月ビルボードのヒットチャート2位まで躍進している。でも後年まで聴き継がれるのはサラ・ヴォーンの『ラヴァーズ・コンチェルト』であったことは言うまでもない。、


 『ラヴァーズ・コンチェルト』を歌うサラ・ヴォーン(音声のみ)



 『イエスタデイ』を歌うサラ・ヴォーン(音声のみ)


EDIT  |  20:28  |  音楽(ジャズ)  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示
 

*Trackback

この記事のトラックバックURL

この記事へのトラックバック

 | BLOGTOP |