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2012.06.10 (Sun)

第144回ベルモントS

 アメリカ3歳3冠レースの最後を飾る第144回ベルモントS(G-Ⅰ・3歳、ダート12f、11頭)が現地時間9日にベルモントパーク競馬場で行われた。今年は1978年のAffirmed以来の3冠馬の誕生も期待された。だが、残念なことにケンタッキー・ダービー、プリークネスSを接戦で制してきた2冠馬I'll Have Anotherが、左前脚に屈腱炎を発症しレース直前になって出走を取り消してしまった。これによりベルモントSは、いきなりの混戦もようとなったが、レースの前半から4、5番手に待機していたUnion Ragsが、最後の直線でインコースから末脚を伸ばし前を行くPaynterを捉えてクビ差で勝利した。

 1着Union Rags 2分30秒42、2着Paynter クビ、3着Atiqun 1馬身3/4、4着Street Life 5馬身1/2、5着Five Sixteen 2馬身1/2。

 Union Ragsは10戦5勝2着1回3着1回の成績でケンタッキー・ダービーは7着だった。血統は父Dixie Union-----Northern Dancer系、母Tempo(母の父Gone West-----Raise a Native系)。それにしてもアメリカは距離や時期に関しても3冠馬が出やすいと思えるのに、これで34年間も3冠馬が出てないことになる。これだと2冠馬は呪われているとしか思えない。一方、この34年間で日本はミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルと5頭も3冠馬が出現した。こちらはちょっと出過ぎかも・・・・・・。

 
 黄色い勝負服でインコースから伸びてくる馬がUnion Ragsである。



 1978年のベルモントSの映像。Alydarとの死闘でAffirmedが3冠馬となった。これから3冠馬の出現はない。

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2012.06.03 (Sun)

第233回英国ダービー

 伝統の第233回ダービーS(G-Ⅰ・3歳、12F10yd、9頭)が6月2日、ロンドン郊外のエプソム競馬場で行われた。今年は僅かに9頭の出走。1番人気が2000ギニーをクビ差で制したCamelotで圧倒的人気だった。レースの方は後方の7番手、8番手の外で待機していたCamelotがタッテナム・コーナーを回って約700mの直線に入ってからすぐには仕掛けず、逃げたMain Sequenceが逃げ込みを態勢に入ろうというとき外から進出。あと1ファロン付近でCamelotが先頭に出て5馬身千切る圧勝。

 1着Camelot 2分33秒9、2着Main Sequencee 5馬身、3着Astrogy 短頭、4着Thought Worthy 6馬身、5着Mickdaam 2馬身。

 Camelotは2000ギニーに続いての3歳クラシック・レース連勝。これで2冠馬となったが、おそらくセントレジャーには出走しないだろう。もし出走するならば興味深いことになるのだが・・・・・・。これでデビューから4戦4勝。次走はどのレースになるのだろうか?

 父はMontjeu、母はTarfah、母の父はKingmamboという血統。


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2011.05.10 (Tue)

第137回ケンタッキー・ダービー

 少々、遅れたが5月7日にアメリカはケンタッキー州ルイビルのチャーチルダウンズ競馬場で行われた3歳3冠レースの第一弾、第137回ケンタッキー・ダービーの結果を記すとする。

 今年のケンタッキー・ダービー(G-Ⅰ・3歳、ダート10F、19頭)は絶対本命が不在ながら3戦とキャリアは浅いがフロリダ・ダービー(G-Ⅰ)を含め全勝のDialed Inが1番人気であったが、レースではいいところがなく8着に敗れ去った。勝ったのは中団以降を進み4コーナーから外側を通って進出。そしてあと200mから一気に先頭に立ち押し切ったAnimal Kingdaomが勝った。

 1着Animal Kingdom 2分02秒04、2着Nehro 2馬身3/4、3着Mucho Macho Man クビ、4着Shackleford 3/4馬身、5着Master of Hounds 1馬身3/4。

 勝ったAnimal Kingdomは5戦3勝2着2回。父は芝のマイラーだったLeroidesanimaux-----Red God系。母はDalicia(母の父Acatenango-----Hampton系)。




 なお、ケンタッキー・ダービーよりも1週間先に行われた英国の3歳クラシック・レース第一弾、第203回2000ギニー(G-Ⅰ・3歳、8F、13頭)の結果も記すとする。2000ギニーは絶対的本命馬Frankelがいた。この直線だけで行われる2000ギニーで、大本命のFrankelはスタートがよかったので先頭に立ってしまい、どんそんと差を広げ一時は後続に10馬身リードしたが、結局は6馬身差で逃げ切った。

 1着Frankel 1分37秒30、2着Dubawi Gold 6馬身、3着Native Khan 1/2馬身、4着Slim Shadey 11馬身、5着Fury 1/2馬身。

 Frankelは6戦6勝。圧倒的な勝ち方だったが、どうもダービーには出走しないみたいである。もしかしてマイル路線を歩むのか・・・・第2のブリガデイアジェラードを目指すのかも?


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2011.03.27 (Sun)

2011年ドバイワールドカップデー

 昨26日(日本時間本日未明)、今年もアラブ首長国連邦のドバイのメイダン競馬場でで国際競馬の祭典ドバイワールドカップデーが行われ、日本馬も多数出頭したが、その中で最後の注目の2レース、ドバイ・シーマ・クラシックとドバエ・ワールド・カップの詳細を記すことにする。

 まずドバイ・-マ・クラシック(G-Ⅰ・4歳以上、芝2410m、14頭)だが、このレースはメンバーがワールドカップに比べると手薄なので日本から参加のルーラーシップにチャンスがあると思っていた。ところがレースになるとルーラーシップはかかってしまい、行きたがってとうとつバックストレートに入ってからすぐに先頭に立った。いくらなんでもゴールまで長すぎる。直線に入ってやや後続を引き離すかに見えたがあと300mまでは先頭。ただ粘り切れず、そこから4頭、5頭に襲いかかられ結局は6着に終わる。

 1着Rewilding 2分29秒01、2着Rdewood 3馬身1/4、3着Calvados Blues 1/4馬身、4着Laaheb 1馬身3/4、5着Chinchon 1/2馬身。

 勝ったRewildingはこれで8戦4勝2着2回3着1回となる。昨年の英国ダービーで3着、英国セントレジャーが6着という成績でG-Ⅰレースは初の制覇になる。




 続いてメインレースのドバイ・ワールド・カップ(G-Ⅰ・北半球4歳以上、南半球3歳以上、AW2000m、14頭)である。ワールド・カップは日本から女王ブエナビスタ、グランプリホースのヴィクトワールピサ、ダート王のトランセンドの3頭が出走。芝とダートの両方の王者が海外のドバイで激突するというのもオールウエザー・コースならではである。そこへ海外からはアイルランドのダービーを勝って、キング・ジョージⅥ&クィーン・エリザベスS2着のCape Blanco、Gio Ponti(マンノウォーS2連覇、アーリントン・ミリオン1着)、Twice Over(チャンピオンS2連覇、エクリプスS1着)といった強豪が出走。

 レースは日本のダート馬トランセンドが先頭に立った。ヴィクトワールピサとブエナビスタはシンガリとシンガリから2頭目。ところがバックストレートに入ってからヴィクトワールピサが外を通って一気に進出。あっという間にトランセンドの外につける。ブエナビスタは相変わらず後方待機。3コーナーから4コーナーと順位にあまり変動がなくホームストレートに入る。ここから海外勢が急襲。でも内のトランセンド、その外のヴィキトワールピサの日本勢が頑張る。最後にはヴィウトワールピサがトランセンドを退けて1着でゴールイン。2着もトランセンドで日本勢のワンツー・フィニッシュとなった。残念ながら最有力だったブエナビスタは後方待機が裏目に出たのか直線で前が開かず、外に持ち出したが追い込みが不発で8着に沈んだ。この馬が着外に落ちたのは初めてのことである。

 1着ヴィクトワールピサ 2分05秒94、2着トランセンド 1/2馬身、3着Monterosso 1/4馬身、4着Cape Blanco 1/4馬身、5着Gio Ponti 3/4馬身。

 日本馬はこれまでシーマ・クラシックを勝つことはあったが、メインのドバイ・ワールド・カップを制するのは初めてであり快挙となった。ヴィクトワールピサの今後の活躍に期待することにしよう。



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2010.10.04 (Mon)

第89回凱旋門賞

 昨日の深夜(現地時間10月3日)に行なわれた第89回凱旋門賞はご存知のとおり、日本のナカヤマフェスタが大健闘の2着に入り、ヴィクトワールピサも7着でゴールインした。

 2010年度のヨーロッパ競馬のクライマックスを飾る第89回凱旋門賞(G-Ⅰ・3歳以上、2400m、19頭)がフランスはパリのロンシャン競馬場において行なわれた。今年は出走馬が1頭取り消しの19頭と多く、本命不在の混戦とされ、一応は前走のニエユ賞で勝ったBehkabadが1番人気に支持され、2番人気がFame and Glory、3番人気がPlanteur、4番人気が英国ダービーで圧勝したWorkforce、5番人気が凱旋門賞で3年連続2着のYoumzainだったが、日本の2頭は人気こそないが、それぞれが前哨戦を使い、ことにナカヤマフェスタは2着と頑張り、ロンシャン競馬場の馬場適性があることを立証し期待を抱かせた。

 馬場はベリーソフトというから日本で言う重馬場に近い。これだと時計がかかりそうな超スローペースになるだろうと思って観戦していたが・・・・・・。19頭というのは最近の凱旋門賞では多い。したがって馬群に包まれると抜け出すのに往生する。なにしろ日本の競馬とは違って、馬群が固まりになって進むから気をつけなければならない。とにかく馬群がバラけないから抜け出すのに一苦労する。最後で一瞬の脚を持っていないと馬ゴミを捌けない。そのあたりが問題なのである。さて、それで凱旋門賞であるが、予想通り超スローペースになった。ナカヤマフェスタは中団のあたり、ヴィクトワールピサはその後ろにつけていた。ただあまり後ろだと最後の追い比べで前が壁になって追い出しが遅れることがある。ヴィクトワールピサは後ろ過ぎないか?

 フォルスストレートを通過して各馬が追い出しにかかろうとする。そして直線に向いた。各馬に鞭が入る。ヴィクトワールピサは案の定、前の馬ゴミを捌けず、仕方なく外へ持ち出して追い出すようだが、ジリ脚のこの馬には瞬発力勝負は辛い。それでも徐々に前の馬を少しでも捉えようとしている。一方、ナカヤマフェスタは巧く馬ゴミを捌いて、追い出しに入る。だがナカヤマフェスタの内から同じようなタイミングで追い出しに入ったのがWorkforceだった。この2頭は抜け出しびっしりと競った。僅かにWorkforceがリードして、ナカヤマフェスタと馬体を接して競り合った。日本競馬界の悲願なるか・・・・・・。しかし最後まで差は詰まらずWorkforceに凱歌が上がった。

 1着 Workforce 2分35秒30、2着 ナカヤマフェスタ アタマ、3着 Sarafina 2馬身1/2、4着 Behkabad 1馬身1/2、5着 Fame and Glory。

 結果は意外だった。ナカヤマフェスタが英ダービー馬Workforceとびっしり競りながら2着に入線したのを確認するものの正直いって驚いた。ナカヤマフェスタがあれだけ見事なレースをするなんて・・・・・。確かに今年は成績はいいが、昨年の3歳時には皐月賞7着、日本ダービー4着、菊花賞12着というもう一つ成績のぱっとしない競争馬だったからだ。それが今年は成長したからなのか。気性に問題があって、昨年は成績が伸びなかったのに、今年になって宝塚記念を勝ってしまった。でもそれは驚きの序章でしかなく、今日の好走を観て改めてナカヤマフェスタに拍手を送りたくなった。

 でも言い換えれば今年はメンバーがもう一つだから好走できたともいえる。勝った英国ダービー馬のWarkforceはダービーで驚異的なダービーレコードで突っ走り、2着を4馬身差に切って捨てている。それで古馬との緒戦になったキング・ジョージでHerbingerに16、17馬身も千切られる5着。それ以来の競馬となったが見事に凱旋門賞を制したことになる。一方、ナカヤマフェスタは宝塚記念を勝って、その勢いで凱旋門賞挑戦をほのめかし、早めに現地へ渡り前哨戦を経験できたことは大きい。結果的には過去の日本の馬の中では最もいい成績を挙げたのは、同じ馬場で一度レースを使ったことが好走に繋がったのだと思う。ところでナカヤマフェスタが過去の凱旋門賞に出走した中で日本馬最高の成績を挙げたのは賞賛に値するが、だからといってナカヤマフェスタが日本競馬史上最強をいうことにはならないし、今日はスローペースがこの馬に味方したし、短い距離の瞬発力勝負になったことが結果的に良かったということになるだろう。

 好走に水をさすようだが、ナカヤマフェスタというけして自他共に認める日本の最強馬でもない馬があれだけの好走をするということは、凱旋門賞を日本馬が制覇するのもそんなに先の事ではなさそうだという気がしてきた。確かに今年のナカヤマフェスタは成績が安定しているが、正直なところあれだけの好走を見せるとは思えなかった。これだと今年、ディープインパクト級の日本馬が出走していたら勝ったのではと思えてくる。だが、競馬というのはそういった単純なものでもなく、最強馬が遠征したからといって必ずしも勝てるものでもない。それだけ海外の競馬は難しいのである。ナカヤマフェスタが好走したのは、所謂、順応力に優れていたからであろう。フランスの馬場が合っていて、彼の地の環境にも適応したからであろう。そこへ一度、ステップレースを経験させ、馬場に馴れさせて本番に望めたからいい結果に繋がったのだと思う。やはりぶっつけ本番では凱旋門賞は勝てないことが、これで明白になった。今後、日本から遠征する場合、今年のように凱旋門賞の前にロンシャンの馬場で競馬をさせること。そして、そこである程度の手ごたえを掴むこと。これが今後、遠征する日本馬に求められる条件であろう。



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2010.09.13 (Mon)

ニエユ賞、フォア賞

 昨日の深夜、フランスはロンシャン競馬場で凱旋門賞に繋がるステップレースが行なわれた。その中でニエユ賞とフォア賞に日本から遠征しているヴィクトワールピサ、ナカヤマフェスタが出走したので、その報告をしようと思う。

 まずニエユ賞(G-Ⅱ・3歳、2400m、7頭)だが、ヴィクトワールピサが出走した。1番人気はパリ大賞典2着、仏ダービー2着のPlanteur、2番人気はパリ大賞典の勝ち馬で、仏ダービー4着のBehkabad。日本のヴィクトワールピサは3番人気に支持された。レースではヴィクトワールピサは後方から行き、最後の直線に入る頃にはシンガリまで下がり、そこから外に持ち出して追い上げた。暫くは競り合いに加わっていたが、最後の伸びを欠き、アッという間に前の2頭から取り残され、結局は4着だった。勝ったのはBehkabadでPlanteurとの叩き合いを制した。

 1着 Behkabad 2分30秒80、2着 Planteur アタマ、3着 Kidnapping 4馬身、4着 ヴィクトワールピサ 4馬身、5着 Shamaigan 3馬身。

 次にフォア賞(G-Ⅱ・4歳以上、2400m、6頭)であるが、ナカヤマフェスタが日本から出走した。1番人気はプリンス・オブ・ウェールズSの勝ち馬Bywordで、2番人気は昨年の香港ヴァーズに勝ち今年のキング・ジョージ4着のDaryakana、3番人気がナカヤマフェスタだった。

 レースは超スローペースでDuncanが逃げ、2番手をTimos、ナカヤマフェスタは3番手につけた。直線に入っても先行馬はバテずDuncanとTimosが粘る。でも最後にTimosをかわしてDuncanにナカヤマフェスタが迫ったが、最低人気のDuncanがまんまと逃げ切った。

 1着 Duncan 2分35秒90、2着 ナカヤマフェスタ 3/4、3着 Timos クビ、4着 Byword クビ、5着 Daryakana 2馬身1/2。

 結局は前に行った馬同士で決まったが、あまりにもスローペースで結果はあまり参考にならない。でもナカヤマフェスタは、この中では1番見応えのあるレースした。でも勝ち時計がニエユ賞よりも5秒1も遅いというのは頂けない。

 ところで両レースを観て凱旋門賞はどうかということだが、まずヴィクトワールピサだが、今日のレースを観る限り凱旋門賞では上位にこれないだろう。最後のつめが甘すぎる。バテたのかそれとも切れ味がないのか判らないが、あすこからもう一つ伸び脚がないと本番は取り残される。次にナカヤマフェスタだが、ヴィクトワールピサよりも順応性があるのかもしれない。レースは見所があった。ただメンバーもいまいちだし、超のつくスローペースなので参考にならない。何れにせよ、今年も日本馬による凱旋門賞制覇はなさそうだ。


 ニエユ賞


 フォア賞

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