2016.12.23 (Fri)
豚まんを食べる
豚まんなんて書くとそれなんだと言われそうだな。豚まんとは所謂、中華まんとか肉まんとか言われる関西での呼称である。昔の話だが大学生の頃、関東出身の友人に豚まんって何? と聞かれてから肉まん、豚まんの違いを意識するようになった。要するに同じものなのである。ただ関西では肉まん、中華まんといわれてる物が関西では豚まんといわれ続けていたと言うだけの話である。今はコンビニやスーパーで普通に関西でも肉まんとして売られているから若い子は、むしろ豚まんというと別の物と思っているかもしれないかな。
それなら何故、関西では豚まんといわれるのかだが、関西では肉というと牛肉のことを指すからである。なので豚の肉は豚肉、鶏の肉は鶏肉(関西ではカシワとも言う)と区別する。つまり肉=牛肉なのである。だから全国的に言われる肉まんという言い方だったら牛肉が入っていると思ってしまうからわざわざ豚まんと言い方が長い間、慣習化しているのである。
関西では昔から豚よりも牛の肉の方が需要が高かったからなのだが、豚を食べるようになったのは比較的新しいことになるかもしれない。それは何故かというと但馬牛という牛の原産地が近くにあったからである。現在で言うならば兵庫県の北部、但馬地方原産の牛を但馬牛と言うが、この牛が極めて良質の肉だったといくことが判り、この但馬牛からやがて神戸牛、松阪牛、その他への和牛へと発展するのだから、牛肉の需要が昔から高かったというのは判るだろう。つまり豚肉は関西では後に普及したと言うことである。一方、関東を始めとする地域では豚肉の普及度の方が高かった。それで肉といえば豚だと思っている人が多かったというだけの問題である。でもそれは最近では崩れてきて、関西でも豚まんって何? と言う若者が増えてきた。でも大阪には551の蓬莱の豚まんという関西では誰もが知っている豚まんがある。これが新大阪駅の構内で売っていて、大阪に出張したビジネスマンが新幹線で夕方に帰るときによく551の豚まんを買って新幹線の車内で、それも新大阪~京都の間でみんなが食べ出すので、車内が豚まんの臭いで充満するときがある。なので豚肉が嫌いな人には堪えられない臭いだろうなと想像する。
でもこの豚まんという呼称は全国的に知名度が低く、肉まん、中華まんがという呼称が広まってもなんだか、昔から豚まんで慣れ親しんだ耳には違和感があるというか、別の物という気がしないでもない。スーパーで井○屋の肉まんなんて袋に入って売っているが、どうも購買力を注がれない。やはり関西では老舗の豚まん店が多く、大阪や神戸にはとくに多い。神戸には老祥記という小ぶりの豚まんを作って売っている店もあるが、今回食べたのは老祥記よりやや大きめの皇蘭という店の豚まんである。これも神戸の南京町に店があり年に数回食べる。でもスーパーやコンビニ売っている肉まんよりも割高である。でも違う。それだけ味がしっかりしているし生地も旨味成分が含まれていて、工場大量生産の肉まんとは一線を画している。やはり豚まんといえど拘りは持ちたいものである。たこ焼きにも言えるが、銀だこ・・・・・あれはたこ焼きって言うのとはちょっと違うと思ってしまう。それは小生が関西育ちと言うことの証明かもしれない。
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