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2013.04.30 (Tue)

ラ・フォル・ジュルネびわ湖2013に行って来た

 雨天だった今日とは違って好天の昨日、大津のびわ湖ホール付近で行われているラ・フォル・ジュルネびわ湖2013に行ってきた。と書いたところでラ・フォル・ジュルネって何のことだと思われるだろう。そもそもラ・フォル・ジュルネとはフランス語でLa Folle Journeeで、フランスのナントで1995年の初めて行われたクラシック音楽の祭典のことである。

 毎年1月下旬からの5日間、ナントの8会場でで午前9時から夜の11時までの間、一斉に短時間のコンサートがお行われる。年ごとにテーマやジャンルが指定され、世界中のアーティストを迎え、低料金で演奏を提供することによってクラシック音楽の新しい聴衆を開拓するというコンセプトで開催されているので、クラシック音楽初心者でも楽しめるようになっている。でも始まった1995年は赤字で、その後にその意図を判る人が増え、資金提供者も急増。2003年には黒字に転換。今ではナントの12の会場で同時併行的に約45分のコンサートが5日間で300公演行われるほどになったのである。こうしてナントでの成功に影響され、ポルトガルのリスボン、スペインのビルバオでも同様の催しが行われるようになると、2005年からはとうとう東京でもラ・フォル・ジュルネが始まったのである。その後、この音楽祭典は金沢でも始まり、2010年からは新潟と大津のびわ湖でも開催されるようになったという訳である。現在ではさらに増え、九州の鳥栖、リオデジャネイロ、ワルシャワでも行われている。ちなみにラ・フォル・ジュルネの名前の由来であるが、これはアーティスティック・ディレクターであるルネ・マルタンの考えに基づいたものでモーツァルトの歌劇『フィガロの結婚』の基になるポーマルシェの戯曲『狂おしき1日、あるいはフィガロの結婚』の原題(La Folle journee,ou le Mariage de Figalo )から来ている。この戯曲が当時の世間のとって革命的な作品であったことから、従来のクラシック・コンサートに対する人々の価値観を転換することを目標とするこの音楽祭の名に採用されたということらしい。それで今回4回目になるラ・フォル・ジュルネびわ湖2013であるが、初めて小生はこの祭典に訪れてみた。過去、3回あったのだが何れも高槻ジャズ・ストリートと日程が合致し来ることが出来なかった。ところが今年は日にちがずれたので好都合になり初めて来てみたということだ。今年のびわ湖のラ・フォル・ジュルネは4月27~29日の3日間の開催だったので日程的にはちょうどよかったのである。

 さて、それで3日目のプログラムを見てみるろロビーや野外の湖畔で行われる無料コンサートとは別にホールで行われる有料コンサートの方は中ホール、小ホールはほとんどチケットが売り切れという。残念、他に隣接するピアザホールでも行われるが、こちらは出演者がロビーでの無料コンサートと重複するので行かなくてもいいだろうと考え、チケットがまだ完売してない大ホールのコンサートの方を注目した。すると29日は3回公演が行われ何れも当日券が売られているという。それはいいことを聞いた。それならと思い、昨日は朝早く起きて午前10時前にはびわ湖ホールに到着した。それでようやく買ったのが、この日に大ホールで行われる2回目の公演。現田茂夫指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団演奏のベルリオーズ『幻想交響曲』のチケット。しめしめ、1500円で大フィルの幻想が聴けるとは・・・・・。こんな企画の音楽祭典がないとこの価格ではとても聴けないからね。でも空席がまだあるという。殊に大ホールでのフルオーケストラの演奏は3回ともチケットが売れ残ると言うから滋賀県はクラシック音楽の愛好家が少ないのかな。特にこの日に行われる大ホールの3回の演奏の中でも2回目だけが交響曲の演奏である。おそらく滋賀県の人達、あんまりベルリオーズの幻想交響曲に馴染みがないようで、1回目と3回目に行われるフランスのラムルー管弦楽団の曲目の方が、チケットの売れ行きがいいようであった。こちらは2回とも大曲ではなく、序曲やオペラの挿入曲が中心だから聴きやすいかもしれない。ところで今回の催しのテーマはフランス、スペインの音楽だから演奏される曲も全てフランス、スペインの作曲者の作品ばかり。それで小生もベルリオーズを聴くことになるのだが・・・・。

 困ったことにチケットを買うために早く来たのだが、開演時間が午後の2時45分。余りにも時間があり過ぎる。それでロビーや屋外の湖畔での無料演奏を聴こうと思うが1時間半か2時間ほどの間隔で行われるから、その間、時間をもてあまし過ぎる。仕方なく琵琶湖畔で湖をぼんやり眺めていた。ポカポカ陽気で気持ちがいい。釣り人多し、犬の散歩中の人も多し、でも退屈だ。それで昼前からロビーのレストランで簡単な料理と共にワインをがぶ飲みした。日頃、ワインなんか飲まないが、この日はフランス音楽中心と言うことでフランスのエスプリに触れるのもいいだろう。白ワインを一本飲みきった。昼間から何をしているのやら・・・・。でもまだ時間がある。表に出て今度は屋台が出ていたのでワカサギの天麩羅をつまみにビールを飲んでいた。それでようやく開演。

 実のところびわ湖ホールの大ホールに入るのは初めてである。中ホールは一度だけあるが、初めてのホールにはワクワクする。小生、過去色々なホールに行った。大阪ならフェスティバルホール、ザ・シンフォニーホール、厚生年金会館大ホール、いずみホール、京都なら京都会館、京都コンサートホール、神戸なら神戸文化ホール、神戸国際会館ホール、名古屋なら愛知県芸術会館コンサートホール、東京なら東京文化会館、NHKホール、サントリーホール等・・・。何れも20年以上前のことになる。それで最近は加齢と共にご無沙汰である。それこそ交響楽団の演奏会なんて10年程前の京都市交響楽団のコンサートから皆目、行ってない。

 大阪フィルに関しては何度か聴いている。かつて朝比奈隆で薫陶を受けた歴史のあるオーケストラである。小学生の頃にフェスティバルホールで初めて聴いたかな。その後は20歳の頃におっさんの指揮でブルックナーの7番を聴きに行ったことがあるが、不覚にも船を漕いでしまった。当時はブルックナーなんてほとんど聴いたことがなくて、聴いていても実に退屈な音楽だと記憶している。それが朝比奈隆と大阪フィルは、その後にブルックナーの演奏で評価を得るようになったから判らないものだ。ところで今回、その大阪フィルがフランスもののベルリオーズの幻想交響曲を演奏すると言うから非常に興味が湧いたのである。本来、大阪フィルは朝比奈時代から無骨なオーケストラとして通っていた。N響のように万能な機能的オケではなく、独墺系音楽には強いがフランスをはじめとするラテン系音楽に弱いとされていた。それが朝比奈亡き後に大植英次が音楽監督に就任してオーケストラの指向がいくらか変わってきたみたいで、今回は神奈川フィルの音楽監督である現田茂夫がタクトを振ってどのような幻想が聴けるのか注目していたのである。

 さてさて開演時間が近づいてきたので大ホールに入った。席は3階席。エスカレーターで上がっていくと琵琶湖が一望できる一面ガラス張りのロビーに到着。そこから客席へ・・・・。入った感想は意外と小さい。天井は4階席まである割にはあまり高くない。コンサートよりもオペラ公演が多いホールだからステージまでの距離はあまりなく客席はバルコニーまで続いている。キャパシティは1800人余りだからコンサートホールとしてさほど大きくない。ザ・シンフォニーホール、京都コンサートホールと同じ程度か。ただしあちらはアリーナ形式でステージの後ろにも客席があるので、もっと近く見える。ここはその点に関しては3階からだとステージまでは遠く感じる。もっともフェスティバルホールのように大きくはない。ただしフェスティバルホールは3000人弱も入るが音響は抜群で、天井に近い席でも明瞭な音が聴こえてくる。その辺は大きいだけのNHKホールとは違う。それでこのびわ湖大ホールはどうなのかというところである。

 定刻より5分ほど遅れて始まった。現田茂夫はグレーの燕尾服を着て現れた。4階はいくらか空席が目立つがほぼ埋まっている。演奏が開始。現田茂夫は初めてお目にかかる指揮者だ。けっこう動く指揮者だ。両手もよく動く。指揮台も広く使っている。身体ごと動く指揮者だなと思った。フランス音楽には向いているかも。問題はフランス音楽に向いてそうもない大フィルの方だが意外と重々しくなく軽いノリの演奏で、1、2楽章は終わった。テンポも普通。3楽章田舎への風景と題される楽章。終盤のティンパニを乱打するところを注目していた。女性奏者1人を含めて4人でティンパニを叩いていた。雷鳴の咆哮だ。しかし、あまり響かないね。このホールは・・・・。音響が良いって噂だったが、少なくともサントリーホールのように響きすぎなくても、ザ・シンフォニーホールぐらい響いてくれたら心地よいのだが。それにしても現田茂夫はよく動く指揮者だ。かつてフリッツ・ライナーなんてハンガリー出身の指揮者がいた。弾丸ライナーなんていわれライナーの指揮するベートーヴェンの5番の演奏は滅法速かったが、ライナーは身体は立ったままでタクトだけを小さく振るので滑稽だった。ライナーとはまるで正反対だ。これだと終楽章のコーダできっと飛び上がるぞ。

 いよいよ終楽章の5楽章に入った。この楽章はかつてスタンリー・キューブリックの映画『シャイニング』の冒頭に使われたので知っている人も多いだろう。4楽章の断頭台の行進と共に有名だ。ワルプルギスの夜の夢と題された楽章。この楽章が始まるとき、打楽器奏者が1人左の舞台袖に引っ込んだ。おそらく終楽章の途中から鳴らされる鐘を叩きに行くのだろうと思って、何処で鳴らすのかなと探っていた。過去の演奏会では客席から鳴らされたこともあるから様子をうかがったのだが、どうやら袖で鳴らすようだ。

 チューバの怪しい音色と共にカーン、カーンと鐘が叩かれる。この楽章のクライマックスの始まりだ。そして盛り上がってきていよいよ圧巻のコーダに入る。現田指揮者の動作が大きくなってきた。背中は汗が滲み出てる。随分と激しく動いているからな。さあ終盤に近付いてきたぞ。飛び上がるか飛び上がるか・・・・やはり小さくだが飛び上がった。予想通りだ。この曲の終盤は飛び上がる指揮者が時々見受けられるので、一つの見せ場でもある。こうして盛り上がって演奏が終わった。ブラボーと叫ぶ人が多い。長い拍手。時間にして50分を少し超える演奏なので平均的と言えるが大フィルにしてはテンポは速目かな。こうしてアンコールもなく演奏が終わった。感想は可もなく不可もなくというところ。大フィルのフランスものも意外と聴けることが分かったのは収穫。それにしてもこれで1500円とは確かに安い。また来年も時間が許されるなら来よう。なにしろ交通費はICOCA定期を持っているからタダである。


今回のチケット S席は2000円だったが
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びわ湖ホールの全景。手前が大ホール、奥が中ホールで小ホールは地下にある。
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ホールのすぐ前は湖岸である
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比叡山が見える
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こちらは近江富士
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ちょうど遊覧船ミシガンが通りかかった
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ホールの前の湖畔では地元大津の中学生のマーチングバンドの演奏が行われていた
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ロビーではハープ・デュオのファルファーレ(松村多嘉代、松村衣里)の演奏が行われていた
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