2013.08.25 (Sun)
『奇跡のクラーク展』に行く

退院してからというもの毎日、毎日、暑くて暑くてしょうがない。病院の中に居た時は冷房が効いていたので何も感じなかった。むしろ寒すぎたぐらいだが、退院するや否や暑さに耐える毎日である。今年は例年にも増して猛暑日が多くもうバテバテである。それで暑い間は病気が病気だったので休ませてもらっているのだが家に居ても暑いだけ。それで外に出ていきたいのだが炎天下は恐ろしいほど暑い。とにかく日中は散歩をするわけにもいかず夕方の6時に近所を30分ほど歩くのだが、それでも汗をびっしょりかく。そういった訳で療養中は家で燻っていたのだが、毎日、冷房ばかり入れていたので今月の電気代が恐ろしいことになりそうだ。かといってこの暑さでエアコンを入れないわけにもいかない。、ただでさえ暑くて熱中症になり病院に運ばれている人が多いのに、病み上がりの身としては気をつけなければならない。それに医者から水分を十分摂るように言われていて、大量の汗をかいたらかいたでそれを補わないといけない。そのような状況なので今夏は例年の夏以上に麦茶や水を飲んでいる。
そんな残暑厳しい中、久しぶりに美術館に行ってきた。今回行ったのは『ルノワールとフランス絵画の傑作 奇跡のクラーク展』という催し。ところでクラーク展て何だということになるが、これは美術館の名前である。小生も知らなかった。アメリカのマサチューセッツ州西部にある私立の美術館らしい。1955年に建てられた比較的新しい美術館で、スターリング・クラークとフランシーヌ・クラーク夫妻の美術コレクションが収蔵されている美術館ということになる。このスターリング・クラークという人は祖父がかのシンガー・ミシンの共同創業者だった関係から遺産を引き継ぎ若い頃から美術品を収集していた。アメリカにはポール・メロンといい、こういった美術収集を行う財産家が多く羨ましくもあるが、それを個人の所有物としてではなく一般に公開するために美術館を建てるのも社会への還元だとしている人も多い。クラーク美術館もその中の一つだろう。それで収集品はフランスの印象派の作品が多く、今回、ルノワールとフランス絵画の傑作と題した展覧会が神戸に巡回してきたので行ってきた。
しかし猛烈に暑いな。阪神電車の岩屋という地下路線の入り口にある小さな駅を降り、海岸へ向かって10分ほどのところにある兵庫県立美術館。過去に何度も来ているが、夏の8月に来ることはほとんどない。8月の盆明けの平日だから空いていると思ってきたのだが、
予想外に人が多かった。それも女性が圧倒的に多い。若い人からおばさんまで。ルノワールとフランス絵画というと人気があるのだな。ルノワールなんて今まで何度、日本で展覧会が行われてきたのか。もう新しい発見何てあるのかなと訝りながらも来てしまう。でも今回はルノワール以外の絵画に興味があったのだが・・・・・。
展示作品のメインはオーギュスト・ルノワールの22作品であることに変わりはないが、それ以外だとカミーユ・コローが5、ジャン=フランソワ・ミレーが2、クロード・モネ6、アルフレッド・シスレー4、カミーユ・ピサロ7、エドガー・ドガ4、ジャン=レオン・ジェローム3、アルフレッド・ステヴァンス2、ジャヴァンニ・ボルディーニ2、トゥールーズ・ロートレック2、コンスタン・トロワイヨン、1、テオドール・ルソー1、ヨハーン・バルトルト・ヨンキント1、ウジェーヌ・ブーダンン1、オノレ・ドーミエ1、メアリー・カサット1、エドゥアール・マネ1、アンリ・ファンタン=ラトゥール1、カロリュス=ヂュラン1、ウィリアム=アドルフ・ブグロー1、ジェームズ・ティソ1、ベルト・モリゾ1、ピエール・ボナール1と全73点、それも全て油彩という展覧会。規模としてもそれほど大きな絵画展でもないし、19世紀中心のフランス絵画というと普通はデッサンやパステル画等も無数に展示されるものだが、クラーク美術館の所蔵というのは油彩画ほとんどなのかな。
それでも人は入るものだ。8月の猛烈に暑い平日の午前中に、これだけの人がつめかけるというのはルノワールを含めたフランス絵画が日本では特に人気がある証拠だろう。ところで感想はというと、もう観飽きている絵画の類が並んでいるという印象しか残らなかったが、それでも観に来てしまうという自分のお粗末さに呆れかえってしまう。でもこれが個人で集めた収集品だということを考えれば羨ましくもある。こういった作品のたとえ一つでもマイホームの壁に飾っていたら、映えるだろうなと思いをはせるものの、狭い我が家には油彩画を飾るスペースもない。従って豪邸しかこういった油彩等は飾れないかな。もっとも我が家では掛け軸さえも飾る場所もない。階段にも所狭しと本を並べているぐらいだからな。
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