2015.05.06 (Wed)
メイウェザーVSパッキャオについて
先日の2日(現地時間)、アメリカのラスベガスで行われたボクシング世界ウェルター級王座統一戦について少し述べることにする。
小生、少年のころからボクシングが好きで今まで数多くの試合を観てきた。その間、様々なボクサーを思い出さずにはいられないが、今回のアメリカでのボクシングの試合の色々な顛末に驚いてしまった。それは世紀の対決だと言ってWBA・WBC世界ウエルター級チャンピオン、フロイド・メイウェザー(アメリカ)とWBO世界ウエルター級チャンピオン、マニー・パッキャオが対戦。マスコミも大袈裟に取り扱われ、ファイトマネーが218億円(メイウェザー)と144億円(パッキャオ)という呆れるほどの高額。また入場料の一番高い席が120万円、一般席でも18万円~90万円。テレビ観戦収入が7億円。当然のように日本でも無料放送はなく有料のWOWOWで放送したのみ。結局、全ての興行収入が480億円以上と言う膨大なお金が動いたというから驚きを通り越して呆れかえった。
確かに両選手とも優れたボクサーであって史上に残ることは間違いないが、ちょっと興行とはいえ膨大なお金が動きすぎではないか。昔はウェルター級の世界チャンピオンなんてマニアぐらいしか知らなかった。最も知名度があったのはヘビー級の世界チャンピオンで、ジャック・デンプシー、ジョー・ルイス、ロッキー・マルシアノ、インゲマール・ヨハンソン、フロイド・パターソン、ソニー・リストン、カシアス・クレイ、ジョー・フレージャー、ジョージ・フォアマンと歴代のチャンピオンの系譜があってマイク・タイソンまではまさにヘビー級のチャンピオンが一番持て囃されたものだが、どうも最近は違うようだ。それはヘビー級にかつて存在したカリスマ性のあるボクサーがアメリカにいなくなってしまったからだろう。最近はクリチコ(ウクライナ)を筆頭にした旧ソビエト系のボクサーが強く、彼等はボクシング王国だったアメリカでの人気が低く、そのため知名度でもかつてのヘビー級チャンピオンほどのカリスマ性がないのである。今はデオンテイ・ワイルダーというアメリカ人ボクサーも出てきて救世主と言われているが、かつてヘビー級の黄金時代を築いたアメリカはもうひとつパッとしない。
かわりに中量級ボクサーに焦点がいきシュガー・レイ・レナードとボクシング・スタイルが似ているメイウェザーの人気が出てきたのである。メイウェザーはスピードと反応の速さで他を圧倒。そこへ巧みなディフェンスと的確なカウンターでこれまで無敗。それもスーパー・フェザー級から始まって、ライト級、スーパー・ライト級、ウェルター級、さらにスーパー・ウェルター級王者になり48戦全勝(26KO)というから素晴らしい。つまり昔でいうジュニア・ライト級からジュニア・ミドル級までの世界タイトルを奪取したということである。だから凄いのだが、さらに凄いのはマニー・パッキャオだろう。
パッキャオはフィリピン人だから小柄である。デビューはなんとライト・フライ級。50kgもないクラスである。昔はなかったクラスだが具志堅用高が長い間チャンピオンとして君臨していたクラスだ。その軽量クラスのパッキャオが年齢と共にクラスを上げ、何と11階級で渡りあるいているという異例のボクサーである。フライ級の世界王座から始まって、スーパー・バンタム級、フェザー級、スーパー・フェザー級、ライト級、ウェルター級まで王座を獲得するなど過去に前例がない。とくにオスカー・デ・ラ・ホーヤと対戦が決まった時は馬鹿げているとかミスマッチとか、デ・ラ・ホーヤが勝つに決まっていると言われたが、スピードで圧倒して世紀の大番狂わせを演じ、それ以来、ボクシング界の歴代でも階級を飛び越えた偉大なボクサーの1人と言われている。その2人が戦ったのだから世紀の一戦と言われたのだが、試合は凡戦もいいところだろ。2人とももう30代後半。既に峠を越した選手。昔ならとっくに引退している。もっとも今は生理学やトレーニング方法の進化で、どのスポーツでも引退年齢が遅くなっているが、2人とも全盛期の輝きはもうない。そんな対戦にあれだけ膨大な金が動くことが信じられなかった。それに今は3階級制覇なんて珍しいことでもなく、これだけ階級が細かくなり統括団体が4団体もあり世界チャンピオンが60人も70人もいる時代に世紀の対決だと言っても馬鹿げている。もっとも昔ならファイティング原田とカシアス・クレイが戦うことなど絶対にあり得ないが、今はプロモーターが実現させてしまって、その中かから人気を勝ち得た2人で在る。つまりあり得ないことを行ってしまった結果の産物としてあの大金が動いたのだろう。
もし昔で言うならエデル・ジョフレあたりがミドル級までタイトルを奪うと、それこそとんでもないボクサーとして語り継がれることになるだろうが、昔は階級も少ないし、世界チャンピオンも少ない時代。今のように5階級も6階級も制覇するなんて不可能。だから今の時代が生んだ2人のヒーローと言うことなのだろう。
小生、少年のころからボクシングが好きで今まで数多くの試合を観てきた。その間、様々なボクサーを思い出さずにはいられないが、今回のアメリカでのボクシングの試合の色々な顛末に驚いてしまった。それは世紀の対決だと言ってWBA・WBC世界ウエルター級チャンピオン、フロイド・メイウェザー(アメリカ)とWBO世界ウエルター級チャンピオン、マニー・パッキャオが対戦。マスコミも大袈裟に取り扱われ、ファイトマネーが218億円(メイウェザー)と144億円(パッキャオ)という呆れるほどの高額。また入場料の一番高い席が120万円、一般席でも18万円~90万円。テレビ観戦収入が7億円。当然のように日本でも無料放送はなく有料のWOWOWで放送したのみ。結局、全ての興行収入が480億円以上と言う膨大なお金が動いたというから驚きを通り越して呆れかえった。
確かに両選手とも優れたボクサーであって史上に残ることは間違いないが、ちょっと興行とはいえ膨大なお金が動きすぎではないか。昔はウェルター級の世界チャンピオンなんてマニアぐらいしか知らなかった。最も知名度があったのはヘビー級の世界チャンピオンで、ジャック・デンプシー、ジョー・ルイス、ロッキー・マルシアノ、インゲマール・ヨハンソン、フロイド・パターソン、ソニー・リストン、カシアス・クレイ、ジョー・フレージャー、ジョージ・フォアマンと歴代のチャンピオンの系譜があってマイク・タイソンまではまさにヘビー級のチャンピオンが一番持て囃されたものだが、どうも最近は違うようだ。それはヘビー級にかつて存在したカリスマ性のあるボクサーがアメリカにいなくなってしまったからだろう。最近はクリチコ(ウクライナ)を筆頭にした旧ソビエト系のボクサーが強く、彼等はボクシング王国だったアメリカでの人気が低く、そのため知名度でもかつてのヘビー級チャンピオンほどのカリスマ性がないのである。今はデオンテイ・ワイルダーというアメリカ人ボクサーも出てきて救世主と言われているが、かつてヘビー級の黄金時代を築いたアメリカはもうひとつパッとしない。
かわりに中量級ボクサーに焦点がいきシュガー・レイ・レナードとボクシング・スタイルが似ているメイウェザーの人気が出てきたのである。メイウェザーはスピードと反応の速さで他を圧倒。そこへ巧みなディフェンスと的確なカウンターでこれまで無敗。それもスーパー・フェザー級から始まって、ライト級、スーパー・ライト級、ウェルター級、さらにスーパー・ウェルター級王者になり48戦全勝(26KO)というから素晴らしい。つまり昔でいうジュニア・ライト級からジュニア・ミドル級までの世界タイトルを奪取したということである。だから凄いのだが、さらに凄いのはマニー・パッキャオだろう。
パッキャオはフィリピン人だから小柄である。デビューはなんとライト・フライ級。50kgもないクラスである。昔はなかったクラスだが具志堅用高が長い間チャンピオンとして君臨していたクラスだ。その軽量クラスのパッキャオが年齢と共にクラスを上げ、何と11階級で渡りあるいているという異例のボクサーである。フライ級の世界王座から始まって、スーパー・バンタム級、フェザー級、スーパー・フェザー級、ライト級、ウェルター級まで王座を獲得するなど過去に前例がない。とくにオスカー・デ・ラ・ホーヤと対戦が決まった時は馬鹿げているとかミスマッチとか、デ・ラ・ホーヤが勝つに決まっていると言われたが、スピードで圧倒して世紀の大番狂わせを演じ、それ以来、ボクシング界の歴代でも階級を飛び越えた偉大なボクサーの1人と言われている。その2人が戦ったのだから世紀の一戦と言われたのだが、試合は凡戦もいいところだろ。2人とももう30代後半。既に峠を越した選手。昔ならとっくに引退している。もっとも今は生理学やトレーニング方法の進化で、どのスポーツでも引退年齢が遅くなっているが、2人とも全盛期の輝きはもうない。そんな対戦にあれだけ膨大な金が動くことが信じられなかった。それに今は3階級制覇なんて珍しいことでもなく、これだけ階級が細かくなり統括団体が4団体もあり世界チャンピオンが60人も70人もいる時代に世紀の対決だと言っても馬鹿げている。もっとも昔ならファイティング原田とカシアス・クレイが戦うことなど絶対にあり得ないが、今はプロモーターが実現させてしまって、その中かから人気を勝ち得た2人で在る。つまりあり得ないことを行ってしまった結果の産物としてあの大金が動いたのだろう。
もし昔で言うならエデル・ジョフレあたりがミドル級までタイトルを奪うと、それこそとんでもないボクサーとして語り継がれることになるだろうが、昔は階級も少ないし、世界チャンピオンも少ない時代。今のように5階級も6階級も制覇するなんて不可能。だから今の時代が生んだ2人のヒーローと言うことなのだろう。
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