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2007.10.19 (Fri)

ジャズ・アルバムを聴く・・・・・デューク・エリントン

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 デューク・エリントンというとジャズ界の巨匠であり重鎮である。既に亡くなって30年以上になるが、ジャズ界の大御所で最高、最大のアーティストとして、今でもその名を知らない人はない。1899年の生まれというから19世紀の人なのである。

 本名エドワード・ケネディ・エリントン。彼は黒人にしては稀有な存在で、ワシントンDCにあるホワイトハウスの黒人執事の息子として生まれたのである。そのせいか、幼い頃から立ち振る舞いが上品で垢抜けていたという。だからデューク(公爵)とニックネームがつけられ、幼少の頃からクラシック・ピアノを習い始めたという。これも黒人としては異色であろう。ところが高校時代に同じ黒人音楽のジャズにはまってしまい、高校を中退してプロの演奏家になる。1923年にニューヨークへ移り頭角を現すようになる。そして1927年にはハーレムの「コットン・クラブ」と契約し、以後、バンドリーダー、ピアニスト、タレントスカウト、作曲家、編曲家として大活躍することとなる。

 今回、聴いたアルバムは『オリジナル・デューク・エリントン ベスト20』である。私は基本的には、ベスト・アルバムなんて嫌いなのだが、このアルバムは数あるデューク・エリントン楽団の有名な曲のオリジナル・バージョンばかり収録されているから、聴く価値のあるベスト・アルバムということになる。収録曲は『黒と茶の幻想』『クリオール・ラブ・コール』『ザ・ムーチ』『ムード・インディゴ』『ソリチュード』『私が言うまで何もしないで』『ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニモア』『コットン・テイル』『A列車で行こう』『アイ・ガット・イット・バッド』『パーディド』『キャラバン』『イン・ナ・センチメンタル・ムード』『ソフィスティケイテッド・レディ』『ロッキン・イン・リズム』『エコーズ・オブ・ザ・ジャングル』『コ・コ』『イン・ナ・メロトーン』「灯りが見えた』『スイングがなければ意味がない』・・・・・・・・・・

 デューク・エリントン楽団のアレンジャー、ビリー・ストレイホーン作曲による余りにも有名な曲『A列車で行こう(Take the "A" Train)』のオリジナルも当然のように収録されていて、オリジナル・バージョンはエリントンのピアノソロで始まるが、これは1941年の録音。今やデューク・エリントン楽団のテーマ曲であり、ジャズ・スタンダードの定番である。ビッグ・バンド・ジャズといえば、必ず演奏曲目に入れられるほど知れわたった曲である。

 『キャラバン』という曲があるが、デューク・エリントン楽団がジャングル・サウンドと呼ばれたりするが、この曲を聴くとよく判る。この曲のメロディを、私は小学生の頃から知っていて、何故かなあと考えたら、ザ・ベンチャーズがエレキギターで弾いていたのを聴いて慣れ親しんでいたからであるということを後年に知ったのである。
 
 『ソフィスティケイテッド・レディ』は、同名のミュージカルがあるのでよく知っていたが、デューク・エリントン楽団の曲とは知らず、ミュージカルの挿入曲とばかり思っていた。

 『スイングなければ意味がない(It don't mean a thing)』は、マリー・エリントン、ケイ・デイヴィス、ジョヤ・シェリルの3人の女性ヴォーカルが聴かれる。

 『ムード・インディゴ』とは藍色のムードとかいった意味であるが、色を音で表現すると、このようになるのかもしれない。ダンス音楽としてジャズが栄えた頃のような雰囲気がある曲である。

 『ソリチュード』はシンガーによって唄われることが多いが、本来は器楽曲であり、甘く切ないいスローバラード風の曲である。

 『ザ・ムーチ』もデューク・エリントンの代表作で、管楽器の掛け合いが特徴のリズムが鼓舞される黒人色の強い曲である。

  デューク・エリントン楽団の演奏は、従来の楽器演奏法にとらわれない方法で演奏され、このあたりはエリントン楽団の質の高さによるとされる。メンバーは代わってもメンバーは優れた奏者が多く、そのため彼等の演奏はジャズの要素が内包されていて、時代のスタイルに拘らなくてドビュッシーやラヴェルの作品にも興味を示し、それらの要素も巧みに採り入れている。

 でも、今時のコンボスタイルのジャズを聴きなれた人には、ビッグバンドというのはどうだろうか・・・・・という懸念があるが、これはこれで新鮮に聴こえるかもしれないな。

デューク・エリントン楽団 1969年の映像 『A列車で行こう』を演奏する

                                
EDIT  |  19:55  |  音楽(ジャズ)  |  TB(1)  |  CM(2)  |  Top↑

*Comment

♪こんばんは

JACkさん、こんばんは。『A列車で行こう』はデューク・エリントン楽団のテーマ曲でありますが、最初はインスルメンタルでした。でも後年、歌詞が付けられ唄われるようになりました。A列車とはニューヨークの地下鉄の路線名なのですが、ハーレム行きの路線のことですね。それで『A列車で行こう』の歌詞の中に、デューク・エリントンの家を目指そうといったフレーズがあったと思います。エリントンの家はA列車の行き先(ハーレム)にあったということです。
uncleyie |  2007.10.20(土) 20:34 |  URL |  【コメント編集】

♪Still life

uncleiyeさん、こんにちは。

私がデューク・エリントン楽団の曲を初めて聴いたのは、ローリングストーンズのコンサートでオープニングに使われていた『A列車で行こう』でした。
その時はラジオでした。後に映画も見に行った思い出があります。
この曲を聴くと、何かが始まる、期待感のようなものを感じます。それは、私がこの曲を聴いたきっかけのせいかもしれません。
邦題も、うまく訳していると思います。
いい曲です。
JACK |  2007.10.20(土) 16:23 |  URL |  【コメント編集】

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