2007.11.07 (Wed)
ドリス・デイを聴く
『センチメンタル・ジャーニー』という曲がある。私は子供の頃に、この曲を聴いた覚えがあり、メロディは覚えていた。スローテンポで女性歌手が歌っていた。
Gonna take the sentimental jouney
Gonna sit my heart at ease
Gonna make a sentimental journey
To renew old memories
この歌を誰が歌っていたのかは知らないが、その後、中学生になってからドリス・デイが歌っていたということを知るのであった。
話は変わるが何年か前、職場の歳の離れた仲間に『センチメンタル・ジャーニー』という歌があると私が言うと、それは松本伊代だと言われた。私は「あれ!」とばかりに、ジェネレーションのギャップを感じたものである。こういった例を出すまでも無く、今ではドリス・デイの名を聞いても存じない人が増えてきたようである。
私は歌っている人は知らないが、曲が一人歩きして、『センチメンタル・ジャーニー』や『ケ・セラ・セラ』といったメロディを覚えていたので、その原曲をドリス・デイが歌っていたことを後年に知り、私の中で大きな存在として記憶に留めるようになった次第である。
思えば私が小学校の低学年の頃、母が『ケ・セラ・セラ』の日本語版をよく歌っていた。それはペギー葉山がカバーしていたこともあって、母が日本の曲だろうと思い歌っていたのかもしれない。当然、私は日本語バージョンの『ケ・セラ・セラ』を覚えていたのである。
それから何年後だろうか、ラジオから英語版の『ケ・セラ・セラ』が流れてきた。曲が終わってから「・・・ドリス・デイで『ケ・セラ・セラ』でした」とラジオのDJは告げていた。それでドリス・デイという名の歌手を知り、中学になってから『センチメンタル・ジャーニー』もドリス・デイが歌っていたことを知るのである。
ところでドリス・デイという人であるが、1924年生まれというから、もう83歳である。死んだと言う話も聞かないので、たぶん存命なのだろうが、ご老人である。だから今さら歌うこともないし、人前に出ることもない。レコード・ジャケットで顔は知っていたが、何しろ動く映像を観たことがない。それがである。何年か前にドリス・デイは映画によく出演しているということを知るに至り、その何本かの一つの映画、アルフレッド・ヒッチコック監督の『知りすぎていた男』DVDを店頭で見つけ早速、鑑賞した。ストーリーは・・・・モロッコへ親子3人で観光に来ていた一家が、謎の男と知り合いになる。たが、その男は暗殺されてしまう。彼はスパイだったのである。また同時に、一家の息子が誘拐されてしまう。どうやらロンドンに連れ去られたようだという情報を得て、夫婦はロンドンへ飛び、息子の捜索を始めるが、やがて巨大な陰謀に巻き込まれていく・・・・・・・。
ヒッチコック特有の格調高いスリラーであるが、この夫婦を演じていたのが、ジェームズ・スチュアートとドリス・デイである。私は長らくドリス・デイは歌手だと思っていたのだが、女優でもあったということを知るのである。その昔はビッグバンドの専属歌手で、ショウビジネスの世界で長らく第一線にいる数少ない女性だったという。レス・ブラウン楽団の専属歌手で、20年もの間、トップクラスの座を守っていたシンガーであり、映画にも『カラミティ・ジェーン』『情欲の悪魔』等・・・10数本は出演していて何れも主役級だという。
『知りすぎていた男』では、ドリス・デイが『ケ・セラ・セラ』を歌うシーンがあり、この曲が映画の中で歌われてから有名になったと言う。それでペギー葉山が日本語版でカバーして、日本でも有名になり、そのバージョンの歌を母が歌っていたから、私が記憶の中に残っていたということであろう。
そういえば『センチメンチル・ジャーニー』も、1944年のアメリカ映画でドリス・デイが主題歌を歌ったのが、戦後、日本でもヒットしたと言う。おそらくラジオから『センチメンタル・ジャーニー』が流れていたのを、幼い頃、私は何度か聞いて覚えていたのかもしれない。その後、私は高校に進み、ドリス・デイの歌う『センチメンタル・ジャーニー』や『ケ・セラ・セラ』のレコードを買い、よく聴いては歌ったものである。
それで今でも、何か困ったことが起こると、なるようになれとばかり歌う癖が身についてしまったのかもしれない。
Que sera, sera
Whatever will be, will be
The future's not ours to see
Que sera, sera
What will be, will be
映画『知りすぎていた男』の一場面~~ドリス・デイが『ケ・セラ・セラ』を歌う
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