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2009.10.31 (Sat)

読書週間らしいが・・・・

 10月の27日から文化の日を挟んで11月9日まで2009年の読書週間らしい。私事であるが本をさっぱり読まなくなった。こんなことではいけないのだが、加齢とともに本を読まなくなった。いや、読めなくなったということになるだろうか。まず、読解力が鈍くなった、感受性も乏しくなった、それに肉体的なもので老眼が進んで小さい文字が読みににくくなったこと、さらになによりも根気がなくなった。これが1番大きいか。

 もっとも私は文学少年ではなかったので、そんなに本を読んできたということでもないけども、学生の頃は暇にあかして人並みに本を読んだつもりである。デカルト『方法序説』、カント『純粋理性批判』、パスカル『パンセ』、ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』、ハイデッガー『存在と時間』、『史記』、『十八史略』、マルクス・エンゲルス『共産党宣言』、マルクス『資本論』・・・・・・理解出来る出来ないはともかく、一応は読んでおくべき書物として、その高い壁に挑むかのように挑戦したものである。でも今となっては、何が書いてあったかというのも、断片的にしか覚えてなくて、その後の人生に活かされたかどうかも判断できないが、それでも読まないよりは読んだほうがいいだろうと思う。しかしこういった理屈の世界は面白くなく、結局は小説に向ってしまうのである。

 ディケンズ『二都物語』『デイヴィッド・コパフィールド』、大デュマ『巌窟王』『三銃士』、ショーロホフ『静かなドン』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』『白痴』、トルストイ『戦争と平和』、ゲーテ『ファウスト』・・・・・・・・これらも大半はストーリーそのものも忘れてしまったし、本もどこかへ消えてしまい、ここのブログで紹介するときは、本の写真を載せることにしているのだが、今さら買い求めることもないだろう。だから今後、再び読み直すかというと、ちょっときついかなあという思いがある。やはり大著は体力も根気も読解力も記憶力も感受性も漲っている若いときに読むべきであるということは、この歳になってみて判ることである。だから今さら言ってもしょうがないが、もっともっと若いときに本を読むべきであったとは思う。

 だが、今は私に限らず本を読まない人が増えたという。まあ、テレビがあれば暇はつぶれるし、インターネットがあれば情報は入る。でも読書癖をつけないと読解力もつかないし思考力も維持できない。読書量が1番多い筈の大学生が最近は本を読まないというから、本屋もつぶれていくし、古本屋も少なくなった。昔は京都の百万遍に古本屋が多数あったが今は減ったようだし、活字に飢えた人種が貴重価値になってきたようである。

 今後、文字で能力を鍛えていた人間は減り続け、画像、映像等の視覚から能力を得る人が増え続けると世の中は一体どうなるのだろうか・・・・・・。あまり好ましい傾向とは思えない気がする。言語を得た人類が文字を生み出し、書を残し、大衆の識字率が高くなるからこそ、教育水準が高まり文明が格段に進化してきたのだが、視覚だけで得た情報だけだと均等化された能力が育まれるとは思えない。だから若者よ、もっと本を読んでくれ!

 もっとも私が言える立場にはないが・・・・・・・・・・・。
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