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2010.03.26 (Fri)

仰げば尊しは消えた?

 昨日も雨で、今日は晴れるという予報だったが、また雨が降って、それが雪に変わり、ようやく晴れたと思ったら真冬並みの寒さが襲ってきた。一体、どうなっているのだ・・・。まあ、お天気の話はこのあたりで終わりにして、今は卒業シーズンである。もう小学校、中学校、高校と卒業式は終わったかな。今は大学の卒業式が盛んなのかもしれない。

 残念ながら小生は学校を出てすでに30年以上なるので、その時代の記憶というと曖昧なのだが、卒業式というのは何か青春の甘酸っぱい響きがある。未完成の発展途上の若者の節目、節目には必ずと言って卒業式がある。何年間を学友とともに学び成長し学び舎を去っていく。そこには当然、恩師というものがいて、楽しいことも苦しいことも導いてくれた。たとえ尊敬していなくとも・・・・・。我が師の恩として・・・・・と卒業式で歌った『仰げば尊し』のように・・・・。と言いたいが、最近は卒業式で『仰げば尊し』をほとんど歌わないと聞いて驚いた。

 私は子供がいないので、最近の卒業式の事情に疎い。だから『仰げば尊し』を最近の卒業式では皆目、歌わないと聞いて若い者に確認したら、そのようだったので時代も変わったものであると感じたのだが・・・。さらに言うならば『仰げば尊し』って、どんな歌? と逆に質問されたから二度びっくりである。

 まあ、いいだろう。知らない人が増えたのは歌わなくなったからだ。でもなぜ歌われなくなったのかと問うと、明確な答えが見いだせない。一般的には歌詞の内容が今の社会情勢に合わないだとか、歌詞の意味が判らないだとか、古すぎるとかいった理由で歌われなくなったらしいが、古臭くても歌詞が判らなくても時代にそぐわなくても卒業式に相応しい曲だとばかり思っていたのに時代が経つと考え方も変わるものである。それで今は、どんな曲が卒業式で歌われるのかと聞くと、『贈る言葉』だとかが歌われていたが、これも過去のことらしい。今はJ-POPの曲の中で相応しい曲があれば、それを全員で歌うという。何だ結局は今、流行りの曲か・・・・・。それなら皆が歌っている曲を合唱して卒業式を終えるのか。それも教師も一緒になって歌うとは、時代も変わったものである。

 ところで『仰げば尊し』って、そんなに今の時代と合わないだろうか。

 仰げば尊し わが師の恩 教えの庭にも はや幾年
 思えばいと疾し この年月 今こそ別れめ いざさらば

 互いに睦し 日ごろの恩 別るる後にも やよ忘るな
 身を立て名をあげ やよ励めよ 今こそ別れめ いざさらば

 朝夕 馴にし 学びの窓 蛍の灯火 積む白雪
 忘るる間ぞなき ゆく年月 今こそ別れめ いざさらば

 この曲の作詞・作曲者は不明といわれている。一説にはスコットランド民謡だともいわれ、作詞者の名前も数人挙がっている。一般に紹介されたのが明治17年(1884年)で、小学校唱歌として歌われるようになったのである。

 それが現在、歌われなくなった一因として、歌詞が師を崇拝しすぎていて、民主主義の時代に合わないし、また2番の歌詞では立身出世を促がす内容になっているからいけないといことらしい。でも立身出世を促がしてはいけないのだろうか。人間が偉くなろうとするのは普遍的なテーマだと思うのだが、近頃は恩師とも簡単に言えない時代になってしまったのだな。教師と生徒という関係が、今では大きく崩れてしまったのだろうか。人間の平等の権利は判るが、教わるものと教える側との関係は、やはり厳しくなくてはいけないと私は考えていて、我が師の恩が生徒と同等の立場であると、はたして主従関係は成立するだろうか、おそらく教育現場は崩れてしまうだろう。教育というものはそういったものだろう。すでに日本の教育は今日において曲がり角にあるという。教師の権威が失墜してしまい、学級崩壊が起きているという話を最近は頻繁に聞く。

 最早、我が師の恩は死語になりつつあるようだ。困ったものだが、これが現実のようである。教師と生徒という関係が昔に比べると近寄りやすい間柄になり、尊敬といった概念が失われていった。確かに民主主義の時代だからといわれたが故、縦の関係、主従、師弟、すべてが音を立てて崩れてきているが、教師から教わるものは学問以外にも多い筈である。たとえ尊敬していなくとも、嫌いではあっても学び舎で教わった全てを含めて我が師の恩は我が師の恩である。それが時代の流れから我が師の恩が敬遠され、流行りの曲が卒業式で歌われるのが慣習化してしまった今、教育を受ける有難味を多くの人が忘れてしまっている。

 かつて我が師の恩といった仰ぎ見る心があったから、教育現場の秩序は保たれていたのに、今日の我が師の恩の権威失墜から卒業式で歌われなくなったとは教師も尊敬されなくなったものである。それが『仰げば尊し』が、生徒たちの間で歌われている流行歌、ポップスに変わってしまうと、卒業式の重みも無くなってしまったんだという意を私なんかは強く持ってしまうのだが・・・・。

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