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2010.04.13 (Tue)

マイルス・デイヴィスのアルバム『バグス・グルーヴ』を聴く

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 このアルバムはマイルス・デイヴィスを中心とするハード・バップの誕生を予感させるオールスター・セッションによる録音である。メンバーはトランペットがマイルス・デイヴィスで、ヴァイブ・ヴィブラホンがミルト・ジャクソン、ピアノがセロニアス・モンクとホレス・シルヴァー、ベースがパーシー・ヒース、ドラムスがケニー・クラーク、テナー・サックスがソニー・ロリンズという豪華な面々である。録音が1954年6月と12月で、タイトル曲の『バグス・グルーヴ』はセロニアス・モンクのピアノ、ミルト・ジャクソンのヴァイブ・ヴィブラフォンが参加し、12月に録音。『エアジン』『オレオ』『バット・ノット・フォー・ミー』『ドキシー』は6月に録音されたもので、ピアノがホレス・シルヴァー。テナー・サックスにソニー・ロリンズが加わっている。

 収録曲は前述のように『バグス・グルーヴ』(テイク1)、『バグス・グルーヴ』(テイク2)、『エアジン』、『オレオ』、『バット・ノット・フォーミー』(テイク2)、『ドキシー』、『バット・ノット・フォーミー』(テイク2)であるが、全曲で中心になっているのがマイルス・デイヴィスであることは間違いがないが、このセッションの面白いところはマイルス・デイヴィスとセロニアス・モンクの唯一の共演であるが、最初の『バグス・グルーヴ』(テイク1、2)で2人は共演するものの、やはりマイルスのトランペットが光っていて、セロニアス・モンクは随分と控えめで、あまり存在感がないのは残念だ。それにしても冒頭からのマイルスが吹くトランペットのフレーズは今まで何回聴いたことか・・・・・・。この曲の作曲はミルト・ジャクソンでマイルス・デイヴィスのソロの後、ミルト・ジャクソンがソロを担当する。このミルト・ジャクソンが奏でるヴァイブ・ヴィヴラフォンという楽器はジャズでは余り聴かれないが、もちろんミルト・ジャクソンが第一人者である。ヴァイブ・ヴィヴラフォンは打楽器だが鍵盤楽器でもあるので、奏者は打楽器系とピアノ系に分かれるといわれる。ミルト・ジャクソンはファンキーなブルースを得意としていてMJQでも定評のあるところではあるが、MJQについては何れ当ブログでも書こうとは思っている(何時のことやら)。ミルト・ジャクソンの演奏は、この『バグス・グルーヴ』でも彼の持ち味を活かしていて、このモダン・ジャズのスタンダード・ナンバーでもある当曲は最良の演奏であろう。

 『エアジン』『オレオ』『ドキシー』は曲調が変るが、何れも作曲がテナー・サックス奏者のソニー・ロリンズである。ソニー・ロリンズの若き頃の代表曲を演奏しているというから聴き応えのあるアルバムではあるが、ここではピアノがセロニアス・モンクからホレス・シルヴァーに替わり、それぞれが持ち味を出し、殊にソニー・ロリンズが輝いている。マイルス・デイヴィスとソニー・ロリンズという才能ある2人がぶつかり合って昇華させているのもこの時代ならではかもしれない。またホレス・シルヴァー、パーシー・ヒースも面白い。

 『バット・ノット・フォーミー』はジョージ・ガーシュインのバラード曲である。彼らが演奏すると、ガーシュインも再構築されてしまう。彼らの個性と持ち味が活用されるので、常套的なガーシュインの演奏とはやや違っているものの、結局、絶えずスタイルを変え続けたマイルス・デイヴィスと飽く迄もスタイルを変えなかったソニー・ロリンズが、裸でぶつかり合ったセッションが聴けるのも、このアルバムならのいいところである。

 『Oleo』の演奏。動画はなし。


 『バグス・グルーヴ』の演奏でヴァイブ・ヴィヴラフォンの妙技をみせるミルト・ジャクソン。

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