2010.11.03 (Wed)
高校駅伝大阪大会
今日は文化の日。好天に恵まれて気持ちの良い秋晴れの日であった。そんな文化の日であるが、スポーツの秋といってもいいだろう。高校駅伝を観にいってきた。
高校駅伝というと年末に京都で行なわれる全国高校駅伝が毎年、NHKで生中継されているが、今日はその大阪の予選会が行なわれたので観にいったのである。でも何故、大阪なの? と陸上競技に詳しい人なら問うだろう。それだけ駅伝に関しては大阪のレベルは低いからだ。それならレベルの高い兵庫県か京都府(女子)の予選を観にいけばいいのにと考える人は多いと思う。高校駅伝で兵庫は報徳学園、西脇工業という全国制覇を何度もしている強豪校がある。また女子も兵庫県は須磨学園、京都府も立命館宇治といった全国制覇した高校がある。なのに兵庫と京都に挟まれた大阪は駅伝不毛の地といってもいいぐらい弱い。
それはどうしてだろうか・・・・。そこで私は仮説を唱えるとしよう。大阪は香川県と並んで日本一狭い面積の都道府県である。その狭い大阪府に900万弱の人間が犇めき合って住んでいる。だから生駒山から見た大阪平野はぎっしりと建物が建ち並び、これといった空き地がないぐらいだ。ということは狭い道路も人と車で溢れ、人が安全に走れる場所が無いということになる。すると道路での走り込みが出来ない。結局はトラック練習しか出来ないということになる。でもトラック練習は平坦のところを走る。だが駅伝は一般道を走るので起伏もある。それに土の上ではなくアスファルトの上を走る。そこがトラックとは違うところである。要は道路での走りこみ不足と経験のなさから当然のように駅伝では弱体を晒してしまう。
今回、観にいった高校駅伝の予選会も、大阪だと走れるところがないから、淀川の河川敷で行なわないといけないほど駅伝コースに困窮している。それが兵庫県や京都府だと、田舎の地域があるので、そこでだと駅伝の予選会が行なえるのである。兵庫県なんて阪神地区以外は全て田舎といってもいいし、京都府も保津峡を抜けると延々、田園地帯である。これだと駅伝練習もロード試走も十分出来る。結果的に兵庫県と京都府は駅伝熱の高い地域でもあり、そこへ練習する場所にあまり困らないときては強いことも頷けるのである。
ところで私が、その弱い大阪の予選会を観にいったかというのは、強い弱いといったレベルの問題ではなく、ただ観るのには都合がいいコース設定と考えたからである。一般的にいってワンウェーコースの駅伝というのは選手が通過してしまったら、もうその地点には帰ってこないし、その先の順位や展開が判らないからだ。テレビ観戦だと放送車にカメラを積んで、トップ集団を追いかけるが、生で観るとそのようにはいかない。だから生だとあまり観ていて面白いものではない。それが、この大阪の予選会は何度も選手が通過するから面白いのである。それに何よりも行なわれる場所の最寄り駅が阪急の十三だから我が家からは近い。
それで大阪の予選会コースはというと、西はJRの淀川鉄橋(下流)、東もJRの淀川鉄橋(上流)付近を折り返す3.5㎞の間を行ったりきたりするコースだから、順位の変動、レース展開が良く判り面白いのである。男子などは私の前を何度、通過したことだろうか・・・。
さて、前置きはそれぐらいにして、高校駅伝の大阪予選会。男子のレースが午前10時から始まった。参加校81校。距離42.195kmを7人で繫ぐ襷リレーである。今回は昨年、大阪の駅伝界で長い間、君臨していた清風高校の32連覇を阻止し初優勝した関西大北陽高校が連覇するかにかかっていた。だが、今回はトラックの長距離で好タイムを持つ選手を多数エントリーし、初優勝を狙う興国高校が最も優勝に近いといわれていた。そんな中でスタート。スタートすると選手が見えなくなる。何分かして選手がUターンして我々のいるところを通過して行った。まだ1区のランナー達である。トップ集団は7、8人はいただろうか。それから、また数分して、選手が来た。今度は2人がトップだ。関西大北陽、興国。どうやら本命と対抗の一騎打ちか。3位は清風か。
選手は何度か我々の前を行ったりきたりして通過する。3区までは2校に差がなく襷を繫いでいた。それが4区に入り興国がリードしはじめる。再び選手が帰って来た。興国が40秒ほどリード。興国の悲願達成か・・・。5区終了で興国と関西大北陽の差は34秒。6区終了で差は28秒差に詰まる。でも最終の7区(5㎞)である。この区間での28秒差は大きい。ほぼ興国が逃げ切るだろう。
正午過ぎになって、いよいよクライマックスがやってきた。私はゴール地点まで歩き、大勢の人垣が出来る中、東の方角を観ていた。だがあまりにも人が多くてよく見えない。間もなくしてスピーカーから「トップの選手がやってきます。拍手でお迎えください」せまい河川敷のアスファルトコースの両サイドを人垣が取り囲む。来た!
トップが来た! 独走だ。やはり興国の選手か・・・・。いや、関西大北陽の選手だ。大逆転だ。これは驚いた。
1着 関西大学北陽高校 2時間11分27秒、2着 興国高校 2時間12分01秒、3着 清風高校 2時間12分16秒。
最終区で何があったのだ。興国高校のアンカーはブレーキを起こしたようだ。どう考えても5㎞で16分以上かかっていることになる。これは女子でも出せるタイムである。男子で全国大会を狙うような選手が出すようなタイムではない。一体、どうしたのか。思わぬ大逆転で大喜びの関西大北陽陣営。一方、静まり返って泣いている興国陣営。余りにも対照的であった。でもこれがあるから駅伝は怖いのである。たった一人が突然、体調を崩すとこのような結果に繋がるのだから・・・・・。またこれがあるから駅伝は面白いのでも或るが。
でも関西大北陽の優勝タイムなんて全国大会に出ると平凡すぎる。いくらタイムの出ない河川敷コースとはいえ、全国大会は2時間1分から2分なんていう驚異的なタイムをたたき出すから、如何に大阪はレベルが低いかということになる。最も、西池和人という兵庫県の須磨学園に10000m28分台、5000m13分台というケニヤの留学生にも負けてない、とんでもない高校生もいるが彼は大阪出身である。ただし大阪はレベルが低いからといって兵庫県の高校に入学してしまった例もある。だから大阪は個々では強い選手もいることはいるのだが、駅伝というのはチームとしての競技だからねえ。
さて、男子が終わって午後から女子の駅伝が行なわれたが、こちらの方はスタートから薫英女学院が引き離す一方で、2着の星翔高校に4分13秒もの大差をつけて断トツの優勝をした。以上。
いい天気である。梅田のビル街が逆光でぼんやりしている。

選手が集まりだした。いよいよスタートだ。

1区の選手がやってきた。トップ集団だ。

襷リレーだ。

前を見て、これから追い抜かすぞ!

頑張れ!

ビル街の対岸では駅伝か。

関西大学北陽高校2連覇。予想もしない大逆転で、動揺しカメラがぶれてしまった。

喜びの関西大北陽陣営。

高校駅伝というと年末に京都で行なわれる全国高校駅伝が毎年、NHKで生中継されているが、今日はその大阪の予選会が行なわれたので観にいったのである。でも何故、大阪なの? と陸上競技に詳しい人なら問うだろう。それだけ駅伝に関しては大阪のレベルは低いからだ。それならレベルの高い兵庫県か京都府(女子)の予選を観にいけばいいのにと考える人は多いと思う。高校駅伝で兵庫は報徳学園、西脇工業という全国制覇を何度もしている強豪校がある。また女子も兵庫県は須磨学園、京都府も立命館宇治といった全国制覇した高校がある。なのに兵庫と京都に挟まれた大阪は駅伝不毛の地といってもいいぐらい弱い。
それはどうしてだろうか・・・・。そこで私は仮説を唱えるとしよう。大阪は香川県と並んで日本一狭い面積の都道府県である。その狭い大阪府に900万弱の人間が犇めき合って住んでいる。だから生駒山から見た大阪平野はぎっしりと建物が建ち並び、これといった空き地がないぐらいだ。ということは狭い道路も人と車で溢れ、人が安全に走れる場所が無いということになる。すると道路での走り込みが出来ない。結局はトラック練習しか出来ないということになる。でもトラック練習は平坦のところを走る。だが駅伝は一般道を走るので起伏もある。それに土の上ではなくアスファルトの上を走る。そこがトラックとは違うところである。要は道路での走りこみ不足と経験のなさから当然のように駅伝では弱体を晒してしまう。
今回、観にいった高校駅伝の予選会も、大阪だと走れるところがないから、淀川の河川敷で行なわないといけないほど駅伝コースに困窮している。それが兵庫県や京都府だと、田舎の地域があるので、そこでだと駅伝の予選会が行なえるのである。兵庫県なんて阪神地区以外は全て田舎といってもいいし、京都府も保津峡を抜けると延々、田園地帯である。これだと駅伝練習もロード試走も十分出来る。結果的に兵庫県と京都府は駅伝熱の高い地域でもあり、そこへ練習する場所にあまり困らないときては強いことも頷けるのである。
ところで私が、その弱い大阪の予選会を観にいったかというのは、強い弱いといったレベルの問題ではなく、ただ観るのには都合がいいコース設定と考えたからである。一般的にいってワンウェーコースの駅伝というのは選手が通過してしまったら、もうその地点には帰ってこないし、その先の順位や展開が判らないからだ。テレビ観戦だと放送車にカメラを積んで、トップ集団を追いかけるが、生で観るとそのようにはいかない。だから生だとあまり観ていて面白いものではない。それが、この大阪の予選会は何度も選手が通過するから面白いのである。それに何よりも行なわれる場所の最寄り駅が阪急の十三だから我が家からは近い。
それで大阪の予選会コースはというと、西はJRの淀川鉄橋(下流)、東もJRの淀川鉄橋(上流)付近を折り返す3.5㎞の間を行ったりきたりするコースだから、順位の変動、レース展開が良く判り面白いのである。男子などは私の前を何度、通過したことだろうか・・・。
さて、前置きはそれぐらいにして、高校駅伝の大阪予選会。男子のレースが午前10時から始まった。参加校81校。距離42.195kmを7人で繫ぐ襷リレーである。今回は昨年、大阪の駅伝界で長い間、君臨していた清風高校の32連覇を阻止し初優勝した関西大北陽高校が連覇するかにかかっていた。だが、今回はトラックの長距離で好タイムを持つ選手を多数エントリーし、初優勝を狙う興国高校が最も優勝に近いといわれていた。そんな中でスタート。スタートすると選手が見えなくなる。何分かして選手がUターンして我々のいるところを通過して行った。まだ1区のランナー達である。トップ集団は7、8人はいただろうか。それから、また数分して、選手が来た。今度は2人がトップだ。関西大北陽、興国。どうやら本命と対抗の一騎打ちか。3位は清風か。
選手は何度か我々の前を行ったりきたりして通過する。3区までは2校に差がなく襷を繫いでいた。それが4区に入り興国がリードしはじめる。再び選手が帰って来た。興国が40秒ほどリード。興国の悲願達成か・・・。5区終了で興国と関西大北陽の差は34秒。6区終了で差は28秒差に詰まる。でも最終の7区(5㎞)である。この区間での28秒差は大きい。ほぼ興国が逃げ切るだろう。
正午過ぎになって、いよいよクライマックスがやってきた。私はゴール地点まで歩き、大勢の人垣が出来る中、東の方角を観ていた。だがあまりにも人が多くてよく見えない。間もなくしてスピーカーから「トップの選手がやってきます。拍手でお迎えください」せまい河川敷のアスファルトコースの両サイドを人垣が取り囲む。来た!
トップが来た! 独走だ。やはり興国の選手か・・・・。いや、関西大北陽の選手だ。大逆転だ。これは驚いた。
1着 関西大学北陽高校 2時間11分27秒、2着 興国高校 2時間12分01秒、3着 清風高校 2時間12分16秒。
最終区で何があったのだ。興国高校のアンカーはブレーキを起こしたようだ。どう考えても5㎞で16分以上かかっていることになる。これは女子でも出せるタイムである。男子で全国大会を狙うような選手が出すようなタイムではない。一体、どうしたのか。思わぬ大逆転で大喜びの関西大北陽陣営。一方、静まり返って泣いている興国陣営。余りにも対照的であった。でもこれがあるから駅伝は怖いのである。たった一人が突然、体調を崩すとこのような結果に繋がるのだから・・・・・。またこれがあるから駅伝は面白いのでも或るが。
でも関西大北陽の優勝タイムなんて全国大会に出ると平凡すぎる。いくらタイムの出ない河川敷コースとはいえ、全国大会は2時間1分から2分なんていう驚異的なタイムをたたき出すから、如何に大阪はレベルが低いかということになる。最も、西池和人という兵庫県の須磨学園に10000m28分台、5000m13分台というケニヤの留学生にも負けてない、とんでもない高校生もいるが彼は大阪出身である。ただし大阪はレベルが低いからといって兵庫県の高校に入学してしまった例もある。だから大阪は個々では強い選手もいることはいるのだが、駅伝というのはチームとしての競技だからねえ。
さて、男子が終わって午後から女子の駅伝が行なわれたが、こちらの方はスタートから薫英女学院が引き離す一方で、2着の星翔高校に4分13秒もの大差をつけて断トツの優勝をした。以上。
いい天気である。梅田のビル街が逆光でぼんやりしている。

選手が集まりだした。いよいよスタートだ。

1区の選手がやってきた。トップ集団だ。

襷リレーだ。

前を見て、これから追い抜かすぞ!

頑張れ!

ビル街の対岸では駅伝か。

関西大学北陽高校2連覇。予想もしない大逆転で、動揺しカメラがぶれてしまった。

喜びの関西大北陽陣営。

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駅伝は何か起こるか判らない。まさに、その典型のようなレースでした。
でもレースとしては面白くなかったのですが、女子高生のレースの方を実は楽しみにしていました。若い太ももはいいですね。