2008.04.30 (Wed)
ママス&パパスを聴く
私が小学生だったか、中学生だったかはっきりしないが、或る日、ラジオから爽やかなメロディと共に心地よいフォーク調の曲が流れてきて、思わず聞き耳をたてていた覚えがある。私は2度か3度聴いただけで、その曲のメロディを覚えてしまい、ハミングで旋律を繰り返していると、高校生の姉が「何で『夢のカリフォルニア』を知ってるの?」と言った。
その時、私は、聴いていた曲がママス&パパスの『夢のカリフォルニア(California Dreamin')』だということを知った。それから間もなくのことだった。姉はさっそくママス&パパス『夢のカリフォルニア』のシングル盤レコードを借りてきて、私と一緒にその曲を聴きまくったことは言うまでもない。
ママス&パパスは、1965年にデビューしたフォーク・ロック・グループで、男2人(ジョン・フィリップス、デニー・ドハーティ)、女2人(キャス・エリオット、ミシェル・フィリップス)の混声合唱が特徴的であった。そもそも、キャス・エリオット、デニー・ドハーティ、フィッリプス夫妻はそれぞれ別のグループにいた。でも各自活躍の場を求めてそれぞれがカリフォルニアにやって来た。そして彼等は必然的に引っ付き、誕生したグループである。
私は最初にラジオで聴いた時の印象から、男性はともかく女性は2人共、細身の現代的な容姿をしているだろうと思って、姉が借りてきたレコードジャケットを見て思わず笑ってしまったことを思い出す。女性2人の内、1人は細くて長い髪の現代風のかっこいい外観だったが、もう1人は肥っていて、この人がこんな綺麗な声を出すのかと驚いたものである。でも、この肥った女性の声量と音域の広さがあってこそ、このグループは成り立っているのだろうと感じたものである。この人はエス・キャリオットで、通称をママ・キャスといった。当時のことであるが、ママス&パパスの出ている映像を初めて観たとき、確かに肥っていて滑稽であった。でも細身のミシェル・フィリップスとの声と巧く調和し、ママス&パパス特有の澄み切ったコーラスを聴かせてくれたものである。
ママス&パパスは、1965年にデビューし、1966年初頭に『夢のカリフォルニア』が大ヒットし一躍有名になった。その後は、『マンデー・マンデー』が大ヒット、『アイ・ソー・ハー・アゲイン』『愛する君に(Dedicated To The One I Love)』『愛の言葉(Words Of Love)』等のヒット曲を出すが、最初のヒット曲『夢のカリフォルニア』の印象が強すぎて、私はあまり心を動かされなかった。
結局、ママス&パパスは、色々と問題を抱え、1968年に解散してしまった。でも2年後には再結成されたが・・・・・・・ジョン・フィリップスとミシェル・フィリップスの離婚もあり、メンバーは散ってしまい、1974年には残念なことにママ・キャスが心臓発作で亡くなってしまった。一方、ミシェル・フィリップスは女優に転じ、『デリンジャー』『ヴァレンティノ』に出演して我々を驚かせた。特に『ヴァレンティノ』では、全裸になって美しい肢体を披露した・・・・・・だが、映画に出ても鼻歌一つ歌わないし、歌声を期待して観ていた者には真に残念であった。最近はアメリカでも女優業の傍らテレビ出演も多いらしいが、歌はほとんど歌っていないらしい。
1980年代に入りママス&パパスは再々結成され、1994年に来日している。だが、その時のメンバーはデニー・ドハーティ、ジョン・フィリップスと男性はオリジナル・メンバーであったが、女性2人は変わっていた。
今世紀に入り、2001年、ジョン・フィリップスが心臓疾患で亡くなり、昨年にはデニー・ドハーティも腎不全で死去した。これにより今、生きているのはミシェル・フィリップスのみとなってしまった。
『夢のカリフォルニア』を歌うママス&パパス
『マンデー・マンデー』を歌うままス&パパス
ビートルズの『アイ・コール・ユア・ネーム』を歌うママ・キャス・エリオット
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