2009.03.03 (Tue)
東京中央郵便局は・・・・・
東京駅前にある東京中央郵便局の建て替えについて、色々と周辺が姦しくなってきたようだ。
今、日本郵政が進めているJR東京駅前の東京中央郵便局の建て替え工事について、鳩山総務相は26日の衆院総務委員会で噛み付いたのである。それは「工事で重要文化財としての価値がなくなったら国家的な損失になる」と述べ、計画の見直しを示唆したという。それで今後、塩谷文部科学相と対応を協議するらしい。
日本郵政は1931年に建築された同郵便局の局舎(5階建て)の一部を残したまま2011年度までに38階建てのビルに建て替え、テナントからの不動産収入を得る計画で建て替えを進めていた。それで局舎は、まだ保存のための調査工事中で解体されておらず、建築家などから歴史的な建築物として保存を求める声が出ていた。
文化庁は局舎を建て替えれば、重要文化財としての指定は難しいとみている(それは当然であろう)。鳩山総務相は工事の認可権限がないと断ったうえで、「重要文化財の価値があるものが、その価値をなくすようなことはしてはいけないと思う」ということで、今後、どのような展開が待っているのか先行きが注目されることになった。つまり郵便局が分割民営化されてから、郵便局もフットワークが軽くなったのだろう。東京駅前の一等地にある建物が、僅か6階建てなんて勿体ないと考えたのかもしれない。経営効率を考えたら超高層ビルに建て替えてしまった方が儲かることは誰が考えても明白である。だが、そこに待ったをかけたのが鳩山邦夫総務相だったということだ。
東京中央郵便局の局舎は、吉田鉄郎の設計により1931年に完成したモダンな建築物であった。丸みを帯びたやや白っぽい重厚で風格のあるビルである。東京駅周辺は、丸ビルをはじめ、このようなどっしりとしたビルがかつては威風堂々と居座っていたものだが、現在は次から次へと味気ない超高層ビルに建て替えられていき、何の威厳もない無機的な近代建築物が林立する機能優先の街に成り下がってしまった。そんな中で、唯一、戦前の趣の或る建築物である中央郵便局までが建て替えられることに異議を申し立てた鳩山さんは何を思ったのだろうか。私は何でもかんでも古いものを壊して、新しいものに変えてしまう現在の日本という国の在り方に、日頃から気に入らなかったが、東京なんて街は、その最たる所である。だから東京とは対極にある京都という街から私は動こうという気も起こらないのだが、このような古い建物を、残そうとする動きも東京にあるのだなと感心したのである。でも世の趨勢からいって東京中央郵便局も結局は取り壊されるのであろう。
さて、そこで話は変るが、やはり大阪駅前にも大阪中央郵便局が或る。これも東京の中央郵便局と同様、設計者は吉田鉄郎で、やはり1930年代に建てられた由緒或る建造物である。東京のと違って、大阪のはグレーの外装で角ばった建物という印象があるが、この大阪中央郵便局も年内に壊されて、建て替えられることが決まっている。こちらの方は地上40階で、中央郵便局と飲食物販施設とオフィス、それにオリエンタルランドが1700人収容の劇場を開設し、年間百数十億円の収入が見込めるという。
それで壊されることが決まっている大阪中央郵便局なのであるが、こちらも歴史的に見て価値のある建造物なのである。でも東京のように建て替えに対して、異議を唱える声がほとんど出てこないというのはどういうことだろうか・・・・・・・・・。この大阪中央郵便局の或る大阪駅前。つまり大阪の人が言う、通称『梅田』界隈は、大阪でも最も超高層ビルが乱立しているところであり、この梅田、中之島、福島周辺だけで100m以上のビルが建築中を含めて50以上もある。つまり高ければ許されるといった風潮があるのかどうかしらないが、新しく建て替えられるビルはみんな超高層である。大阪は東京以上に、経済観念がきっちりしている街なのであるから狭い土地に細いビルを数多く建て、より採算性を求めるのだろう。でも少しは時代に取り残されたような京都を振り返れといいたい。
いくら街が巨大化して、近代化して、機能を追及したところで、所詮、住むのは心を持った生身の人間なのだから・・・・・・・・・・。やはり癒しの或る街に住みたいというのが私の本音なのであり、アスファルトジャングルは、やはり疲れるのである・・・・・・・。
今、日本郵政が進めているJR東京駅前の東京中央郵便局の建て替え工事について、鳩山総務相は26日の衆院総務委員会で噛み付いたのである。それは「工事で重要文化財としての価値がなくなったら国家的な損失になる」と述べ、計画の見直しを示唆したという。それで今後、塩谷文部科学相と対応を協議するらしい。
日本郵政は1931年に建築された同郵便局の局舎(5階建て)の一部を残したまま2011年度までに38階建てのビルに建て替え、テナントからの不動産収入を得る計画で建て替えを進めていた。それで局舎は、まだ保存のための調査工事中で解体されておらず、建築家などから歴史的な建築物として保存を求める声が出ていた。
文化庁は局舎を建て替えれば、重要文化財としての指定は難しいとみている(それは当然であろう)。鳩山総務相は工事の認可権限がないと断ったうえで、「重要文化財の価値があるものが、その価値をなくすようなことはしてはいけないと思う」ということで、今後、どのような展開が待っているのか先行きが注目されることになった。つまり郵便局が分割民営化されてから、郵便局もフットワークが軽くなったのだろう。東京駅前の一等地にある建物が、僅か6階建てなんて勿体ないと考えたのかもしれない。経営効率を考えたら超高層ビルに建て替えてしまった方が儲かることは誰が考えても明白である。だが、そこに待ったをかけたのが鳩山邦夫総務相だったということだ。
東京中央郵便局の局舎は、吉田鉄郎の設計により1931年に完成したモダンな建築物であった。丸みを帯びたやや白っぽい重厚で風格のあるビルである。東京駅周辺は、丸ビルをはじめ、このようなどっしりとしたビルがかつては威風堂々と居座っていたものだが、現在は次から次へと味気ない超高層ビルに建て替えられていき、何の威厳もない無機的な近代建築物が林立する機能優先の街に成り下がってしまった。そんな中で、唯一、戦前の趣の或る建築物である中央郵便局までが建て替えられることに異議を申し立てた鳩山さんは何を思ったのだろうか。私は何でもかんでも古いものを壊して、新しいものに変えてしまう現在の日本という国の在り方に、日頃から気に入らなかったが、東京なんて街は、その最たる所である。だから東京とは対極にある京都という街から私は動こうという気も起こらないのだが、このような古い建物を、残そうとする動きも東京にあるのだなと感心したのである。でも世の趨勢からいって東京中央郵便局も結局は取り壊されるのであろう。
さて、そこで話は変るが、やはり大阪駅前にも大阪中央郵便局が或る。これも東京の中央郵便局と同様、設計者は吉田鉄郎で、やはり1930年代に建てられた由緒或る建造物である。東京のと違って、大阪のはグレーの外装で角ばった建物という印象があるが、この大阪中央郵便局も年内に壊されて、建て替えられることが決まっている。こちらの方は地上40階で、中央郵便局と飲食物販施設とオフィス、それにオリエンタルランドが1700人収容の劇場を開設し、年間百数十億円の収入が見込めるという。
それで壊されることが決まっている大阪中央郵便局なのであるが、こちらも歴史的に見て価値のある建造物なのである。でも東京のように建て替えに対して、異議を唱える声がほとんど出てこないというのはどういうことだろうか・・・・・・・・・。この大阪中央郵便局の或る大阪駅前。つまり大阪の人が言う、通称『梅田』界隈は、大阪でも最も超高層ビルが乱立しているところであり、この梅田、中之島、福島周辺だけで100m以上のビルが建築中を含めて50以上もある。つまり高ければ許されるといった風潮があるのかどうかしらないが、新しく建て替えられるビルはみんな超高層である。大阪は東京以上に、経済観念がきっちりしている街なのであるから狭い土地に細いビルを数多く建て、より採算性を求めるのだろう。でも少しは時代に取り残されたような京都を振り返れといいたい。
いくら街が巨大化して、近代化して、機能を追及したところで、所詮、住むのは心を持った生身の人間なのだから・・・・・・・・・・。やはり癒しの或る街に住みたいというのが私の本音なのであり、アスファルトジャングルは、やはり疲れるのである・・・・・・・。
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