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2009.03.16 (Mon)

黄砂が・・・・・・

 今年は温かい冬であったが、寒の戻りもあって先週の朝の冷え込みはいささか堪えたが、今日は一転して暖かく4月の中旬並みの気温といったところだろうか。こうなると桜の開花も近いと思わせるが、あまり早く咲かれても困る。日本には四季というものがあって、桜は入学シーズンに咲くものと認識していたが、最近は3月に咲いて4月になろうかという頃には散り始めるといった光景が珍しくなくなってきている。まさに地球温暖化が進み、3月に桜が開花するのは当たり前のようなこの数年である。だから慣習としてあった行事というものが、このところ季節感とともに微妙にずれてきているように思える。菜種梅雨が3月にあったり、梅雨らしい梅雨がなかったり、とにかく毎年、毎年、異常気象ではないかと思える現象が顕著に現れている。そういえば30年前は、あまり起こらなかった現象として黄砂というものがある。

 黄砂とは文字通り黄色い砂のことである。中国大陸内陸にあるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥、半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌、鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象であるが、その黄砂が今日見られたのである。

 朝は視界が利いて電車の車窓から比叡山も比良山も稜線がくっきり見られたというのに、午後からは空一面がボンヤリとベールに包まれたようになり、比良山などは完全に見えなくなっていた。晴れているのに曇っているような妙な現象であるが、とにかくこの黄砂というものはあまり気持ちのいいものではない。酷い時には車のボンネットに細かい粒子が付着しているし、大気中に黄砂が舞っていいると、何処となく口の中がザラザラする。つまり知らぬ間にその粒子を吸い込んでいるのだ。これだとマスクをしなくてはならないが、私は花粉症でもないので、日頃からマスク等は使ってないから、突然の黄砂は実に迷惑である。

 また、ただの砂ならさほど気にならないが、この黄砂というやつは実にやっかいな代物である。とにかく風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農業生産や生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生、降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしているというから招かれざる客である。昨年であるが、黄砂の成分を色々と調べ上げたというが、その結果、粒子の2割程度が中国から飛来した黄砂で、その大半に硝酸塩や硫酸塩が付着していたことがわかったというから大問題である。

 黄砂は偏西風に乗って日本国内に移動するが、その途中には中国や韓国の工業地帯がある。黄砂の季節に有害物質の大気中濃度が上がることから、付着していた物質は、石油、石炭を使う工場から排ガスとして大気中に放出された窒素酸化物などが、上空で黄砂に付着し、変化したものである可能性が高いという。またそれらの中から、今後、発がん性物質が見つかる可能性もあると言われている。

 隣国の発展が、我が国への環境に悪影響を及ぼしているとしたら、これほど皮肉めいた話はない。日本は中国の工業化に一躍、加担した国なのだから、隣国の発展を素直に喜んでばかりいられないし、環境に悪影響まで及ぼされてしまったことは願い下げである。これから暖かくなるにつれ、黄砂が頻繁に発生する事となるだろうが、せめて防毒マスクの着用を義務付けされないようになるのを祈っていよう。
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