2009.10.21 (Wed)
映画『慕情』を観る
『慕情』1955年製作、アメリカ映画
監督 ヘンリー・キング
出演 ジェニファー・ジョーンズ
ウィリアム・ホールデン
イソベル・エルソム
ジョージャ・カートライト
トリン・サッチャー
マーレイ・マンソン
【あらすじ】第二次世界大戦後の香港が舞台である。1949年、イギリス人と中国人とのい間に生まれた女医ハン・スーインは、夫が先の大戦で戦死し失意の日々を送っていた。ストイックな彼女は医療への献身に全てを捧げていた。そんな頃、アメリカからやって来た新聞記者マーク・エリオットと出会うこととなる。通常の恋愛映画がそうであるように、この2人も当然のように恋におちることとなる。2人は病院の裏のビクトリアパークで逢引を重ねるが、エリオットにはシンガポールに残してきた妻がいた。エリオットの妻は愛し合ってないのにも係わらず離婚を拒んでいて別れようとしない。なのにスー・インは結婚が問題ではなく、愛が全てと言ってエリオットに身を委ねるのである。ところがエリオットは自身が所属する新聞社の命令で朝鮮戦争の取材へ行くことになが・・・・・・・。
この映画を観たのは中学生の頃だった。京都のとある映画館で観た記憶がある。当初、映画の主題歌が有名で、こんな恋愛映画は苦手だなあと思いながら観ていた。でも観ている間にのめり込んでいた気がする。今の超高層ビルが乱立する香港と違って、まだ牧歌的で旅情的で近代化されてない香港の街を舞台に、2人が織り成す恋愛ストーリー。つまり悲恋に終わるベタな映画なのだが、恋愛物が苦手な小生でも一度も船を漕ぐことなく最後まで観ることが出来たのは主役2人の熱演によるところが大きいのだろう。それでいて不自然さはなく、淡々として話は展開して行く。だが、その間の2人における巧みな心理描写と演出の効果はいたるところで発揮されている。
この映画を観て香港に行きたいと思った方も多いだろうが、かつて映画の中で2人が何度となく逢引を重ねたビクトリア・ピークと言われる丘も、今や映画で観た風景と大きく異なってしまっていることに気がついた日本人も多かろうと思う。かくいう小生も、その一人である。朝鮮戦争で命を落とすエリオット、そのエリオットが亡くなったことを知りビクトリア・ピークに行き2人と出会っていた当時を偲びながら涙するスー・イン。少なくとも映画では、そこから見渡せる光景は素晴らしかった。でも今や、見下ろすと聳え立つ摩天楼の壁ばかりにがっかりされた諸氏もいらっしゃるだろう。時代は進みすぎた。既に香港は中国に返還されてから12年が経つ。すっかり街が変わってしまって、『慕情』で見られた街並みは僅かに残すのみである。でも我々が映画で見た香港は紛れもなく同じ香港なのである。今や超近代的な街に変化してしまったが、あのフォー・エイセスが歌った主題歌を聴くと、当時の香港の風景が頭の中に甦ってしまうほど、曲と画面が一致していたという稀有な映画であった。そして今でも~Love is a many splendered thing~と口ずさむことがある。よくあるストーリーでありながら、何故か自分の中で納得してしまう。『慕情』とはそんな映画だったように思う。
『慕情』トレイラー
ザ・フォー・エイセスが歌う『慕情』(音声のみ) ~Love is a many splendored thing
It's the April rose that only grows in the early Spring
Love is nature's way of giving a reason to be living the golden crown that makes a man a king
監督 ヘンリー・キング
出演 ジェニファー・ジョーンズ
ウィリアム・ホールデン
イソベル・エルソム
ジョージャ・カートライト
トリン・サッチャー
マーレイ・マンソン
【あらすじ】第二次世界大戦後の香港が舞台である。1949年、イギリス人と中国人とのい間に生まれた女医ハン・スーインは、夫が先の大戦で戦死し失意の日々を送っていた。ストイックな彼女は医療への献身に全てを捧げていた。そんな頃、アメリカからやって来た新聞記者マーク・エリオットと出会うこととなる。通常の恋愛映画がそうであるように、この2人も当然のように恋におちることとなる。2人は病院の裏のビクトリアパークで逢引を重ねるが、エリオットにはシンガポールに残してきた妻がいた。エリオットの妻は愛し合ってないのにも係わらず離婚を拒んでいて別れようとしない。なのにスー・インは結婚が問題ではなく、愛が全てと言ってエリオットに身を委ねるのである。ところがエリオットは自身が所属する新聞社の命令で朝鮮戦争の取材へ行くことになが・・・・・・・。
この映画を観たのは中学生の頃だった。京都のとある映画館で観た記憶がある。当初、映画の主題歌が有名で、こんな恋愛映画は苦手だなあと思いながら観ていた。でも観ている間にのめり込んでいた気がする。今の超高層ビルが乱立する香港と違って、まだ牧歌的で旅情的で近代化されてない香港の街を舞台に、2人が織り成す恋愛ストーリー。つまり悲恋に終わるベタな映画なのだが、恋愛物が苦手な小生でも一度も船を漕ぐことなく最後まで観ることが出来たのは主役2人の熱演によるところが大きいのだろう。それでいて不自然さはなく、淡々として話は展開して行く。だが、その間の2人における巧みな心理描写と演出の効果はいたるところで発揮されている。
この映画を観て香港に行きたいと思った方も多いだろうが、かつて映画の中で2人が何度となく逢引を重ねたビクトリア・ピークと言われる丘も、今や映画で観た風景と大きく異なってしまっていることに気がついた日本人も多かろうと思う。かくいう小生も、その一人である。朝鮮戦争で命を落とすエリオット、そのエリオットが亡くなったことを知りビクトリア・ピークに行き2人と出会っていた当時を偲びながら涙するスー・イン。少なくとも映画では、そこから見渡せる光景は素晴らしかった。でも今や、見下ろすと聳え立つ摩天楼の壁ばかりにがっかりされた諸氏もいらっしゃるだろう。時代は進みすぎた。既に香港は中国に返還されてから12年が経つ。すっかり街が変わってしまって、『慕情』で見られた街並みは僅かに残すのみである。でも我々が映画で見た香港は紛れもなく同じ香港なのである。今や超近代的な街に変化してしまったが、あのフォー・エイセスが歌った主題歌を聴くと、当時の香港の風景が頭の中に甦ってしまうほど、曲と画面が一致していたという稀有な映画であった。そして今でも~Love is a many splendered thing~と口ずさむことがある。よくあるストーリーでありながら、何故か自分の中で納得してしまう。『慕情』とはそんな映画だったように思う。
『慕情』トレイラー
ザ・フォー・エイセスが歌う『慕情』(音声のみ) ~Love is a many splendored thing
It's the April rose that only grows in the early Spring
Love is nature's way of giving a reason to be living the golden crown that makes a man a king
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