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2010.04.22 (Thu)

チック・コリアのアルバム『ライト・アズ・フォーエヴァー』を聴く

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 チック・コリア&リターン・トゥ・フォーエヴァーというグループがある。ジャズ・ピアニストであるチック・コリアを中心としてフローラ・プリム(ヴォーカル、パーカッション)、ジョー・ファレル(テナーサックス、フルート)、スタンリー・クラーク(ベース)、アイアート・モレイラ(ドラムス、パーカッション)というメンバーである。ジャズというよりもフュージョンブームの勢いで世に出たグループであるが、このグループが出した2枚目のアルバムが当アルバムである。収録曲は『ユア・エヴリシング』『ライト・アズ・フェザー』『キャプテン・マーヴェル』『500マイルズ・ハイ』『チルドレンズ・ソング』『スペイン』であり、チック・コリア最大の人気曲『スペイン』の初演ヴァージョンが入っている。『スペイン』は冒頭からロドリーゴの『アランフェス協奏曲』第2楽章のメロディがチック・コリアのエレクトリック・ピアノで奏でられ、そこから一転してスキャットとフルートによるテーマが出てくる。この曲は今ではすっかりジャズのスタンダード・ナンバーとして演奏される機会も増えたが、初めて聴いた時は異色のジャズだと思ったものである。

 全体的にこのアルバムはボサノヴァ風でもありスペイン風でもあるかのような曲が多く、軽い曲調が連続するが、チック・コリアもベースのスタンリー・クラークもリターン・トゥ・フォーエヴァーを結成する前はスタン・ゲッツ・クァルテットのメンバーだったことを考えればある程度は納得がいくだろう。こうして1970年代のジャズ・シーンを席巻したミュージシャンの1人であるチック・コリアであるが、ジャズ歴は長いといえよう。

 1941年生まれというから現在68歳である。アメリカのマサチューセッツ出身で、父親がトランペット奏者、でベースも弾き作曲もアレンジもするバンドリーダーであった。その影響でチック・コリアはジャズに親しんで、10歳ですでに自分のバンドを結成し、学校や地元のクラブで演奏をしていたという。彼はピアノを弾くが、この時は主にトランペットを吹いていて、ドラムもやっていたという。高校時代にはラテンに傾倒し、この頃の体験がラテン・ジャズを志すきっかけになったのかもしれない。

 チック・コリアは1968年から数年間、ハービー・ハンコックに替わってマイルス・デイヴィスのバンドに加わり研鑽を積んだのだが、この時代にはドラムを叩いていたりして、彼の万能ぶりが発揮されているが、結局、ジャズ界の巨人であるマイルス・デイヴィスのバンドにいて色々な体験をしたことがその後に繋がるのである。この時代のチック・コリアは修行時代でもあり、ジャズに真剣に取り組まなければならない時期でもあった。それが、後のリターン・トゥ・フォーエヴァーの結成に活かされるのだが、これがフュージョンとしてジャズと他のジャンルの音楽との融合を試みたある種の音楽として、雄飛していく。当初、クロスオーバーといわれたフュージョンの原点にあったのは、マイルス・デイヴィスのバンドにいたことによるだろう。その後、チック・コリアは1980年代以降も依然として創造的な音楽性を模索しつつ活動している。


 チック・コリア・エレクトリック・バンドの演奏『スペイン』 エリック・マリエンサルがサックスのソロを吹いている。

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