2008.08.20 (Wed)
陸上男子100mの結果を見て感じたこと
連日、北京オリンピックの速報が入る。競技の中継は皆目、観ていないので感想もないが、ニュースで知らされた陸上男子100mの映像を観て驚いた。何とウサイン・ボルトが9秒69で走りきったではないか。それも余裕のゴールで・・・・・。スタートは良くなく、前半は横一線だったのに後半に入ってから、加速がついてくるや一気に出てきた。そして最後は完全に抜け出したかと思うと、両手を広げながら走り、手で胸をポーンと叩いてゴールした。それでいて驚愕の9秒69・・・・・・信じられない。
もしウサイン・ボルトが最後まで、気を抜かずに全力で走破していたとしたら、もうコンマ05ぐらい記録が縮まっていたのではないだろうか。この走りを観て、使い将来人類は9秒5の壁さえ破ってしまうのではないかと、そんな気さえしてしまう。本当に人類の壁というのは存在するのだろうか・・・・・。いや存在するだろうが、人間が昔よりも大きくなってきている以上、記録も更新し続けるのではないかといった感慨に囚われてしまう。つまりウサイン・ボルトというランナーは、2m近い大男である。過去に男子100mで世界記録成り、オリンピックで金メダルを獲ったランナーというのは、比較的筋肉質ではあってもさほどの大男はいなかったしガッチリした体型の選手もあまりいなかった。カール・ルイスは大きな選手であったし、東京オリンピックの時のボブ・ヘイズも筋骨隆々の堂々たる選手であったが、全般的に細身のランナーが多かった。ただソウル・オリンピックの時のベン・ジョンソンは筋肉の塊のような体型で、圧倒的な瞬発力で驚異的な9秒79というタイムで優勝したが、それはドーピングによるものであったことが判明し、結局、彼は陸上競技の世界から追放されてしまった。またアテネ・オリンピックの金メダリスト、シャスティン・ガトリンも同様に薬漬けだったらしいが・・・・・・・・。
このような選手を除いては、100mのランナーというのは総体的に意外と筋肉質でも痩身の人が多かったように思う。1936年のベルリン・オリンピックで大活躍したジェシー・オーエンスもそうだが、ローマ・オリンピックの100m金メダリスト、西ドイツのアルミン・ハリーなんか、何処から見ても100mの世界記録保持者に見えなかった。色が白くひ弱そうでいて、スタートがズバ抜けて速く、100mの世界記録10秒0を記録した最初の人となった。
またメキシコ・オリンピックで人類初の10秒の壁が破られたのであるが、この時のジム・ハインズも細身の選手であった。スタートはそんなに良くはないが、中間部においてスピードか乗ってきて、最後まで持続した。それで結果が9秒95である。ただし、当時は2000mを超える高地で行なわれたオリンピックだということで、この記録は別格の扱いになったほどである。だからジム・ハインズが出した記録は、その後、カルビン・スミスに破られるまで、10数年かかっている。このようにジム・ハインズの出した記録というのは、偶然の産物と言ってしまうと身も蓋もないが、空気の薄い高地で行われたことと、それまでのアンツーカーという赤土のトラックではなく、全天候型の人工トラック(タータン・トラック)が初めて使用されたことが重なって、この大記録となったようだ。
ジム・ハインズがメキシコで出した9秒95というのは、長い間破られることが無かったが、カルビン・スミスやカール・ルイスの出現で、10秒を切るのが当たり前のようになってしまった。ただ人類がそれだけ進化したかというと、疑問符がつくのでもある。それはこのあたりから、シューズやウエアーの開発、反発力の強いトラックの開発が進み、それによりトレーニング技術の向上があって、100mの世界記録が徐々に破られていくようになった。でもウサイン・ボルトの今回のタイムは出色のもので、恐るべきスプリンターが現れたものだと思った。
今後、ウサイン・ボルトが出したタイムが破られることになるとしたら、やはり大型のランナーで歩幅が広く、それでいてピッチ走法で走ることが出来るようなランナーがいたとしたら、記録も破られる可能性はある。とにかく人類は大型化しているのであり、身長2m超の短距離ランナーが何れ、近い将来出現するかもしれない。それで巨人の人は動きがスローモーといわれるが、もしこのような巨人が身長180㎝位の人と同様な動きが出来るようになれば、とんでもない大記録が生まれるかもしれない。20年、30年先には身長2m20cmもありながら、足の回転が滑らかでいて、大きなストライドなのにピッチ走法で走れる黒人が現れたとしたら、100m9秒49なんて今では考えられない記録で走ることが出来るかもしれない。だから人間の大型化により、必然的に記録は向上していくように思う。何故なら、人間が大きくなっても距離の100mは昔も今も変わらないからである。距離に対する身長の比率を考えれば、次第と記録は縮まっていくのではないだろうか・・・・。
その昔、日本に暁の超特急と呼ばれた短距離ランナーがいた。その人の名は吉岡隆徳である。吉岡隆徳は、黒人や白人に混ざると小さく見えていたのにも係わらず、1932年のロサンゼルス・オリンピックで男子100m決勝に残り、東洋人初の6位に入賞した。その後に10秒3の世界タイ記録を出したほどだから出色のスプリンターということが出来ると思う。とにかくスタートが抜群で、50mまでは世界一速かったといわれていた。でも後半の50mになると加速のついてきた大柄な外国人に迫られてしまうのである。
もし吉岡隆徳が身長2mあったとしたら、当時にとんでもない大記録を出していたであろう。とにかく小さい人は俊敏に動き、スタートもいいのだが、体格で劣るためどうしても後半は大きな外国人に負けてしまうのだ。だからもし身長2m30ある人がいたとして、その人が吉岡隆徳のような動きで100mを駆け抜けることが出来たとしたら、おそらく現在では考えられないような驚異的タイムが出るのではないだろうかと私は考えているのだが・・・・・・・・。人類は総体的に体格が向上しているし、昔は動けないとされたバスケットボールの2m超の選手が、今では実に素早い動きをするようになった。とにかく人類は大きくなっていき、それでいて昔の160cm位の身長の人と同じような動きを、今では身長180㎝位の人が当たり前のようにやっているのである。だから人類の体格が向上していく以上、100m走の記録も伸び続けるように思うのだが・・・・・・・・・・。
1960年のローマ・オリンピックから2000年のシドニー・オリンピックまでの陸上男子100m決勝の映像。
もしウサイン・ボルトが最後まで、気を抜かずに全力で走破していたとしたら、もうコンマ05ぐらい記録が縮まっていたのではないだろうか。この走りを観て、使い将来人類は9秒5の壁さえ破ってしまうのではないかと、そんな気さえしてしまう。本当に人類の壁というのは存在するのだろうか・・・・・。いや存在するだろうが、人間が昔よりも大きくなってきている以上、記録も更新し続けるのではないかといった感慨に囚われてしまう。つまりウサイン・ボルトというランナーは、2m近い大男である。過去に男子100mで世界記録成り、オリンピックで金メダルを獲ったランナーというのは、比較的筋肉質ではあってもさほどの大男はいなかったしガッチリした体型の選手もあまりいなかった。カール・ルイスは大きな選手であったし、東京オリンピックの時のボブ・ヘイズも筋骨隆々の堂々たる選手であったが、全般的に細身のランナーが多かった。ただソウル・オリンピックの時のベン・ジョンソンは筋肉の塊のような体型で、圧倒的な瞬発力で驚異的な9秒79というタイムで優勝したが、それはドーピングによるものであったことが判明し、結局、彼は陸上競技の世界から追放されてしまった。またアテネ・オリンピックの金メダリスト、シャスティン・ガトリンも同様に薬漬けだったらしいが・・・・・・・・。
このような選手を除いては、100mのランナーというのは総体的に意外と筋肉質でも痩身の人が多かったように思う。1936年のベルリン・オリンピックで大活躍したジェシー・オーエンスもそうだが、ローマ・オリンピックの100m金メダリスト、西ドイツのアルミン・ハリーなんか、何処から見ても100mの世界記録保持者に見えなかった。色が白くひ弱そうでいて、スタートがズバ抜けて速く、100mの世界記録10秒0を記録した最初の人となった。
またメキシコ・オリンピックで人類初の10秒の壁が破られたのであるが、この時のジム・ハインズも細身の選手であった。スタートはそんなに良くはないが、中間部においてスピードか乗ってきて、最後まで持続した。それで結果が9秒95である。ただし、当時は2000mを超える高地で行なわれたオリンピックだということで、この記録は別格の扱いになったほどである。だからジム・ハインズが出した記録は、その後、カルビン・スミスに破られるまで、10数年かかっている。このようにジム・ハインズの出した記録というのは、偶然の産物と言ってしまうと身も蓋もないが、空気の薄い高地で行われたことと、それまでのアンツーカーという赤土のトラックではなく、全天候型の人工トラック(タータン・トラック)が初めて使用されたことが重なって、この大記録となったようだ。
ジム・ハインズがメキシコで出した9秒95というのは、長い間破られることが無かったが、カルビン・スミスやカール・ルイスの出現で、10秒を切るのが当たり前のようになってしまった。ただ人類がそれだけ進化したかというと、疑問符がつくのでもある。それはこのあたりから、シューズやウエアーの開発、反発力の強いトラックの開発が進み、それによりトレーニング技術の向上があって、100mの世界記録が徐々に破られていくようになった。でもウサイン・ボルトの今回のタイムは出色のもので、恐るべきスプリンターが現れたものだと思った。
今後、ウサイン・ボルトが出したタイムが破られることになるとしたら、やはり大型のランナーで歩幅が広く、それでいてピッチ走法で走ることが出来るようなランナーがいたとしたら、記録も破られる可能性はある。とにかく人類は大型化しているのであり、身長2m超の短距離ランナーが何れ、近い将来出現するかもしれない。それで巨人の人は動きがスローモーといわれるが、もしこのような巨人が身長180㎝位の人と同様な動きが出来るようになれば、とんでもない大記録が生まれるかもしれない。20年、30年先には身長2m20cmもありながら、足の回転が滑らかでいて、大きなストライドなのにピッチ走法で走れる黒人が現れたとしたら、100m9秒49なんて今では考えられない記録で走ることが出来るかもしれない。だから人間の大型化により、必然的に記録は向上していくように思う。何故なら、人間が大きくなっても距離の100mは昔も今も変わらないからである。距離に対する身長の比率を考えれば、次第と記録は縮まっていくのではないだろうか・・・・。
その昔、日本に暁の超特急と呼ばれた短距離ランナーがいた。その人の名は吉岡隆徳である。吉岡隆徳は、黒人や白人に混ざると小さく見えていたのにも係わらず、1932年のロサンゼルス・オリンピックで男子100m決勝に残り、東洋人初の6位に入賞した。その後に10秒3の世界タイ記録を出したほどだから出色のスプリンターということが出来ると思う。とにかくスタートが抜群で、50mまでは世界一速かったといわれていた。でも後半の50mになると加速のついてきた大柄な外国人に迫られてしまうのである。
もし吉岡隆徳が身長2mあったとしたら、当時にとんでもない大記録を出していたであろう。とにかく小さい人は俊敏に動き、スタートもいいのだが、体格で劣るためどうしても後半は大きな外国人に負けてしまうのだ。だからもし身長2m30ある人がいたとして、その人が吉岡隆徳のような動きで100mを駆け抜けることが出来たとしたら、おそらく現在では考えられないような驚異的タイムが出るのではないだろうかと私は考えているのだが・・・・・・・・。人類は総体的に体格が向上しているし、昔は動けないとされたバスケットボールの2m超の選手が、今では実に素早い動きをするようになった。とにかく人類は大きくなっていき、それでいて昔の160cm位の身長の人と同じような動きを、今では身長180㎝位の人が当たり前のようにやっているのである。だから人類の体格が向上していく以上、100m走の記録も伸び続けるように思うのだが・・・・・・・・・・。
1960年のローマ・オリンピックから2000年のシドニー・オリンピックまでの陸上男子100m決勝の映像。
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