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2011.02.16 (Wed)

ヴェルディのオペラ『椿姫』を観る

 DVD ヴェルディ『椿姫』
 ミレイユ・ドランシュ、マシュー・ポレンザーニ、ジェリコ・ルチッチ、ダミアーノ・ピンティ
 エンリコ・マラベッリ、ジェヌヴェーヴ・ケンメルラン、オリヴィエ・エルナンデーズ
 指揮 佐渡裕 国立パリ管弦楽団
 合唱 ヨーロッパ・コーラス・アカデミー
P1020233.jpg


 『椿姫』とはフランスの作家アレクサンドル・デュマ・フィス(通称・小デュマ)が書いた小説のタイトルである。それを基にしてフランチェスコ・マリア・ピアーヴェが台本を書き、ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全3幕からなるオペラである。そもそもヴェルディは1852年にパリで戯曲版『椿姫』を観て感動し、早速オペラにしたくなりヴェルディ自身のオペラ『リゴレット』の台本を書いたピアーヴェにオペラ用の台本を依頼するのである。この台本は1853年1月に出来上がり、ヴェルディは4週間で作曲してしまい、3月6日にはヴェツィアのフェニーチェ劇場で初演のはこびとなった。しかし、この作品はヴェルディがフェニーチェ劇場から作曲依頼を受けていたのである。

 それにしては作曲開始から初演まで3ヶ月足らずというのには驚く。『椿姫』は3幕4場で上演時間が2時間を超えるオペラである。なのに、このスピードで作曲され、また初演にまでこぎついたことが奇跡的だとも言われている。よほどヴェルディは、このオペラに力を注いだに違いない。これだけの大作になると完成したスコアを写譜するだけでも1ヶ月位はかかると現在の作曲家は言う。ましてや初演となると歌手も演出家も全部、新しい歌を覚えなくてはならない。すると半年から1年位の準備期間は必要だとされている。それを物凄いスピードで初演までたどり着いてしまったという。しかし、初演は大失敗だっと伝えられている。当初、娼婦を主役にしているという理由で国の検閲にひかかっていた。道徳的な視点から問題視されたのである。だが、ヒロインが最後に死ぬということで上演が許されたという。それで初演をしたものの、明らかに準備不足から様々な不具合があったとも伝わっている。それになによりも主役のヴィオレッタ役のドナテリという女性歌手が、とんでもないデブで、結核で痩せ衰えながら死んでいく女にはとても見えなかったというから、ミスキャストだったのかもしれない。もっともヨーロッパでのオペラ公演では、昔からベッドが潰れるのではないかというような巨漢のヴィオレッタ役が過去には何人もいたことから、向こうの人はあまり体格には気にしなかったのではとも思えるが、少なくとも日本人から考えれば結核で死ぬ人が太っていては悲壮感がないように思える。

 実際にヨーロッパでは、昔から肥った女性歌手がヴィオレッタを演じていたことが多く、それがイメージとして残っていたのか、オペラはデブのおばさんが大きな口を開け、金切り声を張り上げるといった印象がある。それでオペラを臭い、ダサい、悪趣味、成金芸術だとかいって敬遠する人も多かった。ウン、確かに臭い。でも昨今は細くて綺麗な女子歌手が増えた。これだけでも興味が湧いてきそうだが、最近は演出の妙味もあって、オペラ自体も変化している。時代背景も現代に持ってきたりして斬新な演出を試みたりする。ただ『椿姫』は余りにも感傷的な内容で小生はあまり好きではないが、そのベタな内容が功を奏してか今では人気演目である。


 『椿姫』第1幕、全員で『乾杯の歌』を歌う。最近はこういった現在に時代を持ってきた演出が多い。


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