2010.01.07 (Thu)
懐かしのボンカレーを食べる


元祖レトルト食品といわれるボンカレーを食べた。もっとも食べたのはボンカレーゴールドトいう製品だが・・・・。今から40年ほど前になるだろうか、大塚食品が世界初の市販用レトルト食品として発売したのがボンカレーである。
それは1968年2月のことで、阪神地区限定で細々と発売されていて、CMもあったのかどうか知らない。でもレトルトパウチに穴が空くという欠陥があり、それを補う意味で新型のレトルトパウチを作り、賞味期限が3ヶ月から2年に延び、全国発売されるようになったのである。それが1969年4月のことで、テレビCMには『琴姫七変化』で有名になったお姫様女優の松山容子が起用されたので、私は非常によく覚えている。
CMでは品川隆二と松山容子が出ていたが、その後、松山容子が引退したので、途中から笑福亭仁鶴がボンカレーのCMに出るようになった。でも残念ながら、私は松山容子がCMに出ていた頃のボンカレーを食べたことがない。あの当時はカレーライスが好きではなかったので、わざわざ家でカレーライスを食べなくてもといった思いがあった。つまり外出先ではどうにかカレーライスは食べられるようになってはいたが、晩御飯にカレーライスを食べようなんて気はさらさらなかったので、母は絶対に家でカレーライスを作ろうとはしなかった。でも仁鶴がCMで「3分間待つのだぞ」と台詞を言うから、3分間で食べられるので画期的なインスタント食品であることは判っていた。
その後、大塚食品は1973年にボンカレーゴールドを発売するようになるが、実際に私が食べたカレーはこの製品である。カルダンモンの香りが際立ったスパイシーなカレーといわれ、玉葱、ジャガイモ、人参、牛肉、小麦粉、乳製品、ブイヨン、フルーツチャツネ、砂糖、食塩、カレー粉、食用油脂、トマトベースト、澱粉、リンゴベースト、香辛料、赤ワイン、酵母エキス、レーズン、還元水飴、たんぱく酵素分解物、調味料、カラメル色素、香料、スパイス抽出物、パプリカ色素、酸味料・・・・・・原材料にこれだけ使っている。それでボンカレーゴールドであるが、どこか懐かしい味がするが、昔のボンカレーを何しろ食べたことがないので比較の仕様がない。でもボンカレーゴールドではあるけれども、どこか昭和のレトロの味覚がするのは、元祖レトルトカレーというイメージから来ているものなの・・・・・・。
少なくとも他社にあるような凝ったカレーといった風味ではなく、親しみ易くて庶民的でいて、それでいてスタンダードとなるレトルトカレーの風味と味付けなのである。もっともカレーという食品が日本人の国民食であると考えるならば、レトルトカレーは昭和を代表する食べ物である。だから一般的にカレーは食べなれた味というのか、あまりにかけ離れた味付けに出来ないというもどかしさはあるだろうが、同じ国民食といわれるラーメンが次から次へと、流行の味が変わるように、カレーも流行の味があるのかと思っていたが、基本的にはカレーの味付けは昔も今も大きく変わっていないように思う。たとえラーメンが変わり続けようとも、カレーは突拍子もない製品は出回らないかもしれない。言い換えれば保守的な食べ物かもしれないが、カレーパン、カレーうどんといった食べ物も生み出したことは、カレーの今後も可能性はあるだろう。でもカレーライスは今後も大きな変化はなく、日本人が好きな食べ物として存在し続けるのだろう。
ボンカレーを食べたことがないのに懐かしい味がすると思ったのは、CMに出ていた松山容子のイメージがあるからかもしれない。私が小学校に入った頃、読売テレビ製作の『琴姫七変化』という時代劇をよく観ていて、その琴姫を演じていたのが若かりし頃の松山容子である。とにかく綺麗な女優さんで、こんな美女が剣を持ってバッサバッサと悪漢どもを切り捲るというところに意外性と爽快感があった。そんな松山容子であったが、今、何しているだろか。すでに70歳を越えていると思うけども・・・・・・・。
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