2010.01.09 (Sat)
ベートーヴェン・・・・・『交響曲第7番』を聴く
ベートーヴェン 交響曲第7番
指揮 カルロス・クライバー
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1975年11月~76年1月、ウィーン楽友協会大ホールでの録音)

私の古い友人でクラシック音楽に長けている者がいる。1年前になるが、その友人と偶然に街で会ったときに携帯電話の呼び出しコールの話になり、彼はベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章の第1主題のところを呼び出しコールに使っているという。それは彼がその曲が好きだからであるらしい。もっとも私もベートーヴェンの7番はベートーヴェンの交響曲では3番の『エロイカ』の次に好きな曲ではあるが・・・・・・・。
さて、その友人の話であるが、彼が言うには駅の待合室で電車を待っていた時に携帯電話の呼び出し音が鳴り、ベートーヴェンの7番の第1楽章の第1主題のメロディが携帯電話から流れ出した途端、待合室にいた女子高生2人が顔を見合わせてクスッと笑い「のだめの曲やで」と言ったという。のだめて何?・・・と疑問が出たので、彼は帰宅してから大学生の娘に聞いたという。そこで『のだめカンタービレ』という漫画があって、この漫画はクラシック音楽を奏でる音楽大学の学生たちが多数登場して、テレビ化されアニメ化され話題になっているという。また、そのドラマの中ではクラシック音楽が次から次へと出てきて、彼女達の間ではドラマで使われた曲を気に入って聴くようになった子が多いという。そしてベートーヴェンの7番第1楽章がテーマ曲として使われているので、『のだめカンタービレ』をよく観ている人たちは曲を覚えているという。それで彼は女子高生に笑われたことに納得したという。
なるほど、そういうことだったのであるが、私は『のだめカンタービレ』というドラマを、以前に知って、最近、再放送されていたので観たことがある。確かに効果的にクラシック音楽が使われていて、それがコミカルなドラマにうまくはまっていて、とかく堅苦しいといわれ敬遠されることの多いジャンルの音楽がこのような形で話題になるのは面白いと思った。それでベートーヴェンの7番の話であるが・・・・・・・・。
この曲はベートーヴェンが1812年に完成させた交響曲であるということは、ベートーヴェン41歳の時の作品ということになる。ベートーヴェンの生涯は57歳だったので彼の後半期の作品といえるかもしれない。でもこの7番イ長調は独特の性格を持ち、ある意味でベートーヴェンらしい作品ということが言えるかもしれない。大きな特徴として旋律を歌うアンダンテ、アダージョのようなテンポの遅い楽章がなく、全曲を通して一貫のリズムが強調され、ワーグナーはこの曲を『舞踏の聖化』と評したことは有名である。また比較的、緩いテンポの第2楽章が、最初から6小節もの間、旋律が動かず、和声進行とリズムに表現のすべてが託されているという。別名『永遠のアレグレット』と2楽章が呼ばれるのはそのためである。
ところでベートーヴェンは、この曲を書き出した頃から、使っていたラッパ型の補聴器をやめて筆談帳を使うようになったおいうのだ。つまり補聴器が役に立たないほど彼の耳は悪化していたということなのだろうが、1819年から1827年までの筆談帳が残されていて、現在ではベートーヴェン研究の貴重な資料になっているという。・・・・結局、こんな難聴を抱えながらベートーヴェンは傑作の7番を作曲してしまい、この後の8番と9番に繋がっていくのだが、ベートーヴェン音楽を語る上では絶対に欠かせない曲の一つであることは間違いないであろう。
ところで『のだめカンタービレ』でベートーヴェンの7番に親しんだ人は、あのドラマで使われている部分は、曲の冒頭ではなく、63小節以降ということを知っているのだろうか?
7番には導入部といわれる序奏があって、これが62小節と長く、そのあと例の第1主題へと続くのであるが、往年の名指揮者フェリックス・ワインガルトナーは「この曲を指揮することは、他のいかなる曲におけるよりも精神的疲労を来す」と語っているということは、指揮者にとってはかなり難曲の様である。
ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調Op.92~第1楽章冒頭から
指揮 カルロス・クライバー
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団・・・・・やはり私にとってはカラヤンよりもクライバーの方がいいなあ
指揮 カルロス・クライバー
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1975年11月~76年1月、ウィーン楽友協会大ホールでの録音)

私の古い友人でクラシック音楽に長けている者がいる。1年前になるが、その友人と偶然に街で会ったときに携帯電話の呼び出しコールの話になり、彼はベートーヴェンの交響曲第7番の第1楽章の第1主題のところを呼び出しコールに使っているという。それは彼がその曲が好きだからであるらしい。もっとも私もベートーヴェンの7番はベートーヴェンの交響曲では3番の『エロイカ』の次に好きな曲ではあるが・・・・・・・。
さて、その友人の話であるが、彼が言うには駅の待合室で電車を待っていた時に携帯電話の呼び出し音が鳴り、ベートーヴェンの7番の第1楽章の第1主題のメロディが携帯電話から流れ出した途端、待合室にいた女子高生2人が顔を見合わせてクスッと笑い「のだめの曲やで」と言ったという。のだめて何?・・・と疑問が出たので、彼は帰宅してから大学生の娘に聞いたという。そこで『のだめカンタービレ』という漫画があって、この漫画はクラシック音楽を奏でる音楽大学の学生たちが多数登場して、テレビ化されアニメ化され話題になっているという。また、そのドラマの中ではクラシック音楽が次から次へと出てきて、彼女達の間ではドラマで使われた曲を気に入って聴くようになった子が多いという。そしてベートーヴェンの7番第1楽章がテーマ曲として使われているので、『のだめカンタービレ』をよく観ている人たちは曲を覚えているという。それで彼は女子高生に笑われたことに納得したという。
なるほど、そういうことだったのであるが、私は『のだめカンタービレ』というドラマを、以前に知って、最近、再放送されていたので観たことがある。確かに効果的にクラシック音楽が使われていて、それがコミカルなドラマにうまくはまっていて、とかく堅苦しいといわれ敬遠されることの多いジャンルの音楽がこのような形で話題になるのは面白いと思った。それでベートーヴェンの7番の話であるが・・・・・・・・。
この曲はベートーヴェンが1812年に完成させた交響曲であるということは、ベートーヴェン41歳の時の作品ということになる。ベートーヴェンの生涯は57歳だったので彼の後半期の作品といえるかもしれない。でもこの7番イ長調は独特の性格を持ち、ある意味でベートーヴェンらしい作品ということが言えるかもしれない。大きな特徴として旋律を歌うアンダンテ、アダージョのようなテンポの遅い楽章がなく、全曲を通して一貫のリズムが強調され、ワーグナーはこの曲を『舞踏の聖化』と評したことは有名である。また比較的、緩いテンポの第2楽章が、最初から6小節もの間、旋律が動かず、和声進行とリズムに表現のすべてが託されているという。別名『永遠のアレグレット』と2楽章が呼ばれるのはそのためである。
ところでベートーヴェンは、この曲を書き出した頃から、使っていたラッパ型の補聴器をやめて筆談帳を使うようになったおいうのだ。つまり補聴器が役に立たないほど彼の耳は悪化していたということなのだろうが、1819年から1827年までの筆談帳が残されていて、現在ではベートーヴェン研究の貴重な資料になっているという。・・・・結局、こんな難聴を抱えながらベートーヴェンは傑作の7番を作曲してしまい、この後の8番と9番に繋がっていくのだが、ベートーヴェン音楽を語る上では絶対に欠かせない曲の一つであることは間違いないであろう。
ところで『のだめカンタービレ』でベートーヴェンの7番に親しんだ人は、あのドラマで使われている部分は、曲の冒頭ではなく、63小節以降ということを知っているのだろうか?
7番には導入部といわれる序奏があって、これが62小節と長く、そのあと例の第1主題へと続くのであるが、往年の名指揮者フェリックス・ワインガルトナーは「この曲を指揮することは、他のいかなる曲におけるよりも精神的疲労を来す」と語っているということは、指揮者にとってはかなり難曲の様である。
ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調Op.92~第1楽章冒頭から
指揮 カルロス・クライバー
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団・・・・・やはり私にとってはカラヤンよりもクライバーの方がいいなあ
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