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2010.02.09 (Tue)

キリン、サントリー経営統合交渉決裂

 キリン・ホールディングスとサントリー・ホールディングスの経営統合交渉が決裂したという。そもそもこれは当初から無理があったのではないかとは思うが・・・・。つまり株式を公開しているパブリック・カンパニーのキリンと、株式非上場のオーナー会社であるサントリーというのは、経営統合へむけて交渉中という情報が流れてからでも、どうだろいうかという懸念はあった。ことにサントリーは株式の約90%を創業者一族が運営する寿不動産が保有するという稀有な会社で、株式を証券取引所に上場していないのだ。だから根本的にキリン側との考え方が違いすぎていたとしかいえないだろう。

 でも何故、経営統合の話が持ち上がったのだろうか。日本国内の企業が相次いで再編する中で、キリンもサントリーも、今後の人口減少で国内市場に期待できなくなったことから、海外へ向けて大いなる進出を計るうえで、統合は必要であると考えたのかもしれない。でもお互い個性の強い会社同士である。交渉途上ですでにもめていると言う情報は入っていた。キリン側は統合比率を2対1ぐらいで話を進めていたらしい。でもサントリー側は譲らず、結局は交渉が決裂してしまった。こうして世界で戦える食品、飲料の総合会社の誕生は泡と消えてしまったのだが、はたして統合すれば何もかもいいことばかりなのかどうか・・・・・。マイナス面もあると思うのだが。

 キリンというのはかつての大財閥であった三菱グループの一角としてビールを製造販売して伸し上がってきたのに対し、サントリーは鳥井家が中心になって日本発のウイスキー会社として君臨してきたのである。それがサントリーも近年はウイスキー以外のビールや、飲料水全般を製造販売して大きくなった特殊な会社である。それがお互い相容れない社風が真っ向から対立したのかもしれない。

 ただ私なんか思うが、企業の個性が強いから互いに切磋琢磨してライバルとして、相手を尊重しつつも自社を伸ばすことに夢があったのではないだろうか。それが同業者同士が再編ばかり繰り返し、強大企業になったからといって、いっそう発展があるかというと、結果的からいって疑問符がつくのではないだろうか。かつての合併や統合は大きいほうが小さいほうを吸収する形で合併したりしているが、かつてのスカイラインを生んだプリンス自動車なんかにもいえるが、日産に吸収され暫くはよかったものの、今となってはトヨタの後塵を拝している。それで今回は大きいほうのキリンがサントリーをおそらく吸収しようとしたのかもしれない?

 ただサントリーの創業者一族は名うてのツワモノだったということか。簡単には条件を呑まず譲らずといったところか。ただ関西の人間にとっては、これで良かったという人は多い。キリンと統合すると、どうせサントリーも東京に本社を移してしまうことが目に見えているからだ。今や関西発(大阪)の大企業の多くが、東京に本社を移してしまった。いったい何100社あるのだ。結局、大阪の地盤沈下を嘆いている関西財界人の多くも、裏ではきっちり東京にシフトを移しているではないか。これだと自分で自分のクビを締めている様なものだ。これで大阪、関西の経済衰退を防げるのか・・・・。企業がどんどんと出て行ってしまうのに、地盤沈下が防げるはずなどないと思うけど。こうして企業の東京集中が強化され、どの企業も個性がなくなり、だんだんと日本全体が沈没していくという図式が判らないのだろうか・・・・・・。企業は育まれた土地にあるから個性があるのに、何でもかんでも同じ地域に集まると、烏合の集のようになってしまうかもしれないし、没個性ばかりが寄り集まって、どこも似たり寄ったりということもありうる。だからある意味で、今回のキリン、サントリーの経営統合交渉の決裂は、関西の人にとっては嬉しいニュースかもしれない。要するにサントリーは、もうこれ以上大きくならなくてもいいから、何時までも文化事業に投資する優良企業であって欲しいと願うのみである。
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