2010.09.20 (Mon)
サントリー・ミュージアム天保山譲渡
サントリー・ミュージアム天保山

大阪の築港といっても現在は波止場の役目を果してないが、海の側なのに天保山(天保山という山があるのだが・・・)と呼ばれ、かつてはこの場所から瀬戸内海、四国、九州、奄美航路の船が出ていた。現在は南港と呼ばれる埋立地にある新しい波止場から船が出ているので、この天保山は旧築港でしかない。それで現在、この天保山は何があるかというと、大阪の水族館である海遊館や大観覧車、またはその他の商業施設やホテルがあり、また、川を挟んだ北側にはユニーバーサル・スタジオもあり、ちょっとした大阪のプレイゾーンとなっている。
さて、ここで本題に入ろう。この天保山にはサントリー・ミュージアム天保山がある。だが、今月末で休館が決まっている。大阪市に本社がある洋酒メーカー・サントリーが1994年、海遊館に隣接する大阪市の市有地に開館させたものである。大阪出身の建築家・安藤忠雄の設計による斬新な建築物で、ギャラリーや立体映像シアターなどを備える9階建ての複合文化施設である。そもそも、サントリーがこの地に建てたのは、大阪で育まれた企業でありながら、東京ばかりに文化施設(サントリー美術館、サントリー・ホール)を建てて、大阪に何も貢献していないといった揶揄した声に応えて創業の地に建てたものである。でも年150万人の入場者を見込んでいたが、一昨年は65万人に落ち込み、最近は年数億円の赤字が続いていた。
これだといくら、採算を度外視して文化に投資する企業だとしても、閉館せざるを得なかったということなのか。ところが、このほどサントリーが大阪市に建物の無償譲渡と維持管理費7億円を寄付し、大阪市が美術館として存続させる方針を明らかにしたのである。大阪市は中之島の空き地に以前から市立近代美術館の建築を計画していたが、これまで財政難でなかなか実現しなかった。それが、2016年開館が決まったということで、近代美術館建設準備室が所蔵するコレクションの展示場やイベント会場などに活用するという。
サントリーは大阪市に対し、所有するロートレック、ミュシャ等のポスターなど世界有数のコレクション約2万点も寄託し、経営は海遊館を運営する市の第3セクター「大阪ウォーターフロント開発」があたるという。しかし、何たる太っ腹のサントリーであろうか・・・・・・。サントリー・ミュージアムの閉館が決まってから、その後はどうなるのかと杞憂していたが、取り敢えずはは一安心ということか。でも、民間企業のサントリーでも駄目だったのに、官民意識の強い第3セクターが運営して乗り切れるのだろうか。問題は山積である。
海遊館の向こう側にサントリー・ミュージアム天保山が見える。

海を挟んだ向こう側、所謂、南港には高さ256mのWTCコスモタワーも見える。ロケーションとしてはいいのだが・・・・。


大阪の築港といっても現在は波止場の役目を果してないが、海の側なのに天保山(天保山という山があるのだが・・・)と呼ばれ、かつてはこの場所から瀬戸内海、四国、九州、奄美航路の船が出ていた。現在は南港と呼ばれる埋立地にある新しい波止場から船が出ているので、この天保山は旧築港でしかない。それで現在、この天保山は何があるかというと、大阪の水族館である海遊館や大観覧車、またはその他の商業施設やホテルがあり、また、川を挟んだ北側にはユニーバーサル・スタジオもあり、ちょっとした大阪のプレイゾーンとなっている。
さて、ここで本題に入ろう。この天保山にはサントリー・ミュージアム天保山がある。だが、今月末で休館が決まっている。大阪市に本社がある洋酒メーカー・サントリーが1994年、海遊館に隣接する大阪市の市有地に開館させたものである。大阪出身の建築家・安藤忠雄の設計による斬新な建築物で、ギャラリーや立体映像シアターなどを備える9階建ての複合文化施設である。そもそも、サントリーがこの地に建てたのは、大阪で育まれた企業でありながら、東京ばかりに文化施設(サントリー美術館、サントリー・ホール)を建てて、大阪に何も貢献していないといった揶揄した声に応えて創業の地に建てたものである。でも年150万人の入場者を見込んでいたが、一昨年は65万人に落ち込み、最近は年数億円の赤字が続いていた。
これだといくら、採算を度外視して文化に投資する企業だとしても、閉館せざるを得なかったということなのか。ところが、このほどサントリーが大阪市に建物の無償譲渡と維持管理費7億円を寄付し、大阪市が美術館として存続させる方針を明らかにしたのである。大阪市は中之島の空き地に以前から市立近代美術館の建築を計画していたが、これまで財政難でなかなか実現しなかった。それが、2016年開館が決まったということで、近代美術館建設準備室が所蔵するコレクションの展示場やイベント会場などに活用するという。
サントリーは大阪市に対し、所有するロートレック、ミュシャ等のポスターなど世界有数のコレクション約2万点も寄託し、経営は海遊館を運営する市の第3セクター「大阪ウォーターフロント開発」があたるという。しかし、何たる太っ腹のサントリーであろうか・・・・・・。サントリー・ミュージアムの閉館が決まってから、その後はどうなるのかと杞憂していたが、取り敢えずはは一安心ということか。でも、民間企業のサントリーでも駄目だったのに、官民意識の強い第3セクターが運営して乗り切れるのだろうか。問題は山積である。
海遊館の向こう側にサントリー・ミュージアム天保山が見える。

海を挟んだ向こう側、所謂、南港には高さ256mのWTCコスモタワーも見える。ロケーションとしてはいいのだが・・・・。

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