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2009.01.02 (Fri)

ルイ・アームストロングのアルバム『プレイズ・W.C.ハンディ』を聴く

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 正月も2日になると、そろそろダレてくる。御節料理なんて毎日食べられというものでもないし、胃にももたれてくる。とはいうもののこれだけのんびり出来るのも正月ぐらいなものだけども、体がなまると仕事始めに差し支えるから、あまり暴飲暴食も出来ない。昨日はとうとう一度もテレビを観なかった。朝から駅伝、昼からサッカーの中継をやっていたが観なかったし、ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートも観なかった。今年はダニエル・バレンボイムが指揮棒を振っていたというが、いかがなものだったのか、どうせ再放送するだろうし・・・。なんだかんだで元日は終わってしまった。それで昨日は久しぶりにルイ・アームストロングのトラペットとしわがれ声を聴いた。

 ルイ・アームストロングというといわずと知れたジャズの王様である。ジャズが20世紀の世に登場してからというもの、長きに渡ってジャズの王様に君臨していたトランペッター兼シンガーである。私が小学生の頃に聴いた『聖者の行進』という曲のイメージは、今でもルイ・アームストロングそのものだし、ミュージカル・ナンバー『ハロー・ドーリー』やヒット曲『この素晴らしき世界』等で、ルイ・アームストロングは、ポップス・ファンにもずいぶんと御馴染みの人になったものである。

 そんなサッチモ(ルイ・アームストロングのニックネーム)がブルースの父と言われるウイリアム・クリストファー・ハンディの曲ばかりをを演奏して唄ったのが当アルバムである。・・・・・ところでウイリアム・クリストファー・ハンディといわれても判らないかもしれないが、『セントルイス・ブルース』を作曲した人だといわれれば納得されるかもしれない。

 ウイリアム・クリストファー・ハンディ(1873年~1958年)はブルースの父と呼ばれるだけに、数多くのブルースの採譜と曲を残した人であるが、『メンフィス・ブルース』に続く作品の素材を探していた時、立ち寄ったセントルイスで彼は、サロンの前で男の辛い仕打ちを酒で紛らす黒人女性の嘆きを聞き、彼女の言葉がヒントになり1914年書き上げられた曲が『セントルイス・ブルース』である。『セントルイス・ブルース』は、ボードビルを通じて人気曲となり、やがて多くの名唱、名演を生み、1958年に彼の伝記映画『セントルイス・ブルース』ではナット・キングコールが演じた。ハンディ自身はコルネット奏者で、19世紀末にミンストレルの一員としてアメリカ各地を巡演した経歴があり、後に音楽教師、作曲家に転じたのである。

 一方、このアルバムの奏者兼歌手のサッチモ(ルイ・アームストロング)については詳しい説明は不要だろう。けども若い人の中には知らない人もいるだろう。でもジャズの王様といえば、この人以外にいないと思う。サッチモは1901年にジャズ発祥の地ニューオーリンズで生まれ、少年院でトランペットを覚え、1923年にシカゴに進出しキング・オリヴァーの楽団に入る。だからサッチモの師匠に当る人はキング・オリヴァーといってもよいだろう。その後、サッチモは出世し、数々の名演を残すがトランペット奏者として素晴らしいだけではなく、シンガーとしても独自の雰囲気持っていて、スキャットというスタイルを広めたのはサッチモだといわれている。サッチモは私が高校生だった頃の1971年に亡くなったが、あの頃はラジオでよく追悼番組をやっていて、多くのサッチモの演奏する曲を聴いたものである。

 それで結局このアルバムは、ブルースの父の曲をジャズの王様が演奏して唄うということで、名演とっされているのだ。録音は1954年というからサッチモが円熟期に差し掛かった頃と言ってもいいだろう。10曲以上収録されているが、冒頭から『セントルイス・ブルース』の物悲しいメロディがトランペットによって奏でられやがて唄が入る。それ以外の曲では『ラヴレス・ラヴ』だとか『ロング・ゴーン』『メンフィス・ブルース』等、聴き応えがあり、このアルバムを聴いてウイリアム・クリストファー・ハンディが感動し涙したという。サッチモ以外では、ヴォーカルのヴェルマ・ミドルトンが素晴らしく、なかなか貴重な一枚だといえよう。

 ルイ・アームストロングの楽団が演奏する『セントルイス・ブルース』(音声のみ)

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