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2009.04.07 (Tue)

イタリアの地震

 日本時間4月6日午前10時30分(イタリア時間午前3時30分)、イタリア中部のラクイラでマグニチュード6.1の地震が発生し現時点で死者179人、不明34人という甚大な被害が出ているが、ヨーロッパでの大きな地震というのは、最近はあまり聞かなかったが、場所がイタリアと聞いてウーンと唸ってしまった。

 イタリアはヨーロッパではギリシャと並んで最も地震の多い国である。小さな地震も含めると年から年中、地震の起こっている日本からすると数は少ないが、兎に角、イタリアは地震の多い国である。今回はイタリア中部の観光地だけに日本人旅行者も被害にあってないか気になるところであるが、歴史的な建造物も多く、石造りだけに崩壊すると被害も当然大きくなる。これがヨーロッパの古い街の欠点であるが、自然災害だけに止めようが無い。でも我々の認識では、ヨーロッパは余り地震が起こらないものといった印象がある。確かに起こらない国が多いが、人間の歴史が始まってから起こってないというだけであって、何万年、何十万年、何百万年、何千万年といった年月で考えると、おそらく地震の起こったことの無い国なんて皆無だろう。地球の起伏なんていうのは造山運動の繰り返しで出来上がったものだし、高い山や谷なんてあるところは間違いなく、過去に地震が起こっているだろう。だから世界中で地震など起こらないところなど一つも存在しないと思う。でも人間の生きている範囲でいうならば、地震が起こらないところは多い。例えばイギリスで地震なんて聞いたことがないし、イギリス人は、地震がどんなものなのか知らない人が多い。またアメリカでも地震が起こるのは決まって西海岸であるが、東海岸は起こったという例は一度だけだと聞いている。

 つまり地震は環太平洋といって、太平洋を取り囲む地域。チリ、ペルー、中米、メキシコ、アメリカ西海岸、カナダ西部、アラスカ、カムチャツカ半島、千島列島、日本、マリアナ海溝、台湾、フィリピン、インドネシアといったところでは頻繁に起こっている・・・・・。それとアジアではインド、アフガニスタン、パキスタン、ネパール、ミャンマー。中央アジア、イラン、イスラエル、シリア・・・・この辺りもよく起こる。

 それで今回、イタリアで起こったが、イタリアは地震多発国であるとは先ほど書いたように2002年にも大きな地震が起こっているし、1980年11月23日にイタリア南部でM6.8に地震が起こり、死者も4000人以上出ているし、1976年にも死者930人を出す地震が起きている。また1908年12月28日にはM7.2というメッシーナ地震が発生。死者が11万人という膨大な被害を出している。

 ヨーロッパ全体で言うならば、地中海沿岸に地震が多く、ギリシャも地震多発国。おそらくイタリア、ギリシャがヨーロッパでは最も多く、それ以外だと旧ユーゴスラビア、ルーマニア、ポルトガルでも地震が多い。それにアルプスのあるオーストリア、スイスでも過去に大きな被害を齎した地震は起こっている。つまり大自然が生み出した雄大な風景を謳っているところがあるが、それも地震が齎したものなのであるということを忘れてはいけないと思う。

 地震とは怖いものだが、避けては通れないものだ。何れ我が身にも降りかかってくる。でもほとんどの人は、自分が生きている間だけは、大きな地震が起こらないことを信じているのだ。
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