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2009.04.16 (Thu)

ディジー・ガレスピーのアルバムを聴く『アット・ザ・ニューポート』

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 ジャズ・トランペッターにディジー・ガレスピーという人がいる。既に故人であるが、この人がトランペットを吹いている映像を初めて観たのは何時だったろうか。とにかく面白い形をしたトランペットを吹いていたので強烈な印象があった。そのトランペットというのはラッパに当る部分が折れ曲がっていて上を向いているのだ。何だこれは? と思った。聞く所によると1954年のことで、パーティの席で転んだ客が、置いてあったディジー・ガレスピーのトランペットの上に尻餅をついてしまい、トランペットのラッパ部分が曲がってしまったという。ディジー・ガレスピーは気分を害したが、取り敢えず折れ曲がったトランペットを試しに吹いてみた。すると音が狂いもなく出るし、今まで吹いていたトランペットよりも自身の耳に音がよく聴こえるようになったので、意図的にガレスビーは楽器メーカーに曲がったトランペットを作らせた。それがガレスビーの代名詞とも言うべき曲がったトランペットの始まりである。

 ディジー・ガレスピーは1917年生サウスカロライナ州まれで、1993年に没している。ジャズ界における彼の位置付けはとなるとチャーリー・パーカーと共にモダン・ジャズの原型であるビバップを構築した一人でジャズ界に残した功績は大きいということになるが、知名度で言うとルイ・アームストロングやマイルス・デイヴィスには及ばないというところか。

 ところで、このアルバムは1957年7月6日のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ・アルバムである。曲目は『ディジー・ブルース』『スクール・ディズ』『ドゥードリン』『マンテカ・テーマ』『アイ・リメンバー・クリフォード』『クール・ブリーズ』『ソディアク組曲』『キャリオカ』『チュニジアの夜』の9曲で、演奏メンバーはディジー・ガレスピー以外にリー・モーガン(トランペット)、カール・ワーウィック(トランペット)、エルミット・V・ペリー(トランペット)、ダリーブ・ダウード(トランペット)、メルバ・リストン(トロンボーン)、アル・グレイ(トロンボーン)、チャック・コナーズ(トロンボーン)、ジミー・パウエル(アルト・サックス)アーニー・ヘンリー(アルト・サックス)、ビリー・ミッチェル(テナー・サックス)、ベニー・ゴルソン(テナー・サックス)、ピー・ウィー・ムーア(バリトン・サックス)、ウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・ウェスト(ベース)、チャーリー・パーシップ(ドラムス)、メリー・ルウ・ウィリアムス(ピアノ)・・・・・・・大人数である。ディジー・ガレスピー&ヒズ・オーケストラの演奏ということなのだが、つまりビッグ・バンドなのである。ディジー・ガレスピーはモダン・ジャズの創始者の一人なのだが、元々はビッグ・バンドのバンド・リーダーだったのだ。その昔、数々のバンドを渡り歩いたが、自らもビッグ・バンドを率い、それが輝いていた。だが余暇でやっていたジャムセッションにおいて、リズムとアドリブを追求するようになり、いつしかビバップとして開花していくのであった。なお、このアルバムの最後に入っている曲の『チュニジアの夜』といえば、ディジー・ガレスピーが1944年にピアニストのフランク・パパレリと共に作曲した曲であるが、今ではモダン・ジャズのスタンダード曲として有名である。でも意外とディジー・ガレスピーの作った曲ということは知られてないように思う。このアルバムでは、若かりし頃のリー・モーガンがトランペット・ソロを吹いている。最後に疑問に思っていることだが、Gillespieなのに、何故ガレスピーと発音するのだろうか・・・・・・。

 アルトゥーロ・サンドヴァルと一緒に『チュニジアの夜』を演奏するディジー・ガレスピー。なんと2人共、トランペットが曲がっている。(ガレスピー晩年のステージ)

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