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2009.04.24 (Fri)

チャイコフスキーの『白鳥の湖』を聴く

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 子供の頃からも含め、クラシック音楽をずいぶんと長い間、聴いてきたが、最初に覚えた曲というのははっきりしている。それはチャイコフスキーのバレエ曲『白鳥の湖』だった。それは物心がついた頃だろうか、家にピンク色の木箱のオルゴールがあって、そのオルゴールの蓋を開けると『白鳥の湖』の情景で流れる曲~ラーララララーンララーンララーンラララララーンとオルゴールの金属的な音が繰り返し繰り返し奏でられる。このオルゴールは姉が幼稚園に入園した頃に買ってもらったらしいが、その曲を何度も何度も聴いている間に、すっかり耳に馴染んでしまい、当時、よくラジオから流れていた三橋美智也の『夕焼けとんび』『古城』『達者でナ』や、テレビドラマ『快傑ハリマオ』の主題歌と共に、私の愛唱歌となっていた。

 『白鳥の湖』の第2幕の情景で流れる曲を幼かった私は、メロディを当然、知ってはいたが、その曲がチャイコフスキーの作曲した『白鳥の湖』の中の曲だということを理解するのには、5年も6年も先のことになるのだが、とにかく最初に覚えたクラシック音楽の曲であることは確かである。その後、私が小学生の高学年になっていたが、我が家にステレオという代物がお目見えした。それは今から考えると骨董品のような古臭いステレオである。レコードプレイヤーとラジオとスピーカーとチューナーと一つの箱の中に納まっているセパレートタイプではないステレオである。それで、そのコロンビアというメーカーのステレオプレイヤーを購入した時、一枚だけ試聴盤というレコードがついていた。それはピンポンの音や、電車が通過する音、ジェットコースターの音に混ざってチャイコフスキーの『白鳥の湖』の例の曲も録音されていて、その時に初めて私はオルゴールではないオーケストラ版の『白鳥の湖』を聴いたのである。だから『白鳥の湖』との曲の付き合いは何十年になるだろうか。甘くて優雅で典雅で煌びやかな曲の多いチャイコフスキーのメロディメーカーらしい代表曲といえるだろう。

 チャイコフスキーには『悲愴交響曲』や4番、5番の交響曲。冒頭が余りにも有名なピアノ協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲、弦楽セレナード、序曲1812年、アンダンテ・カンタービレ、『眠れる森の美女』『胡桃割り人形』といったポピュラーな曲が多いが、バレエ『白鳥の湖』はよく演奏されるし、バレエとしても頻繁に上演される。でも、私はオーケストラ版の生演奏を聴いたことは一度しかない。それもバレエ公演における演奏で聴いただけである(当然といえば当然なのだが)。

 20代の頃だろうか、バレエをやっていたという女性と一緒にバレエ『白鳥の湖』を観にいったことがある。私はバレエに興味はなく、伴奏音楽の方に興味があって、彼女は音楽よりもバレエダンサーやバレリーナの踊りの方に興味があったという妙な2人が並んで観ていたと言うから笑ってしまうが、とにかくその女性のバレエに対する蘊蓄ぶりは相当なもので、彼女の解説を聞いているうちに音楽の方が頭に入らなくなって、よく覚えていないという苦い体験がある。

 『白鳥の湖』にはオデット(白鳥)とオディール(黒鳥)がいて、同じバレリーナが演じるだとか、32回のパ・ド・ドゥは見応えがあるだとか、マヤ・プリセツカヤは凄いだとか、バレエの上演中、彼女の蘊蓄を聞かされどおしの私は、ただウンウンと頷くだけであった。それで数日後、彼女に渡された漫画が山岸涼子のバレエ漫画『アラベスク』だった。でもそれ以来、私はバレエに少しずつ興味を持ち、今では少しぐらい判るようになった。しかし、それ以前からニジンスキーやイサドラ・ダンカン(バレエではないけれど)、アンナ・パブロワ、マーゴット・フォンテーン、ルドルフ・ヌレエフ辺りの名前を知っていた私には、さほどバレエが取っ付きにくい物でもなかった。ただバレエに少なからず興味があるなんて、男児たるもの恥ずかしくて周囲には言えないだろう。でもバレエを観る限り『白鳥の湖』に係わらず、結局のところ、音楽は演出するための添え物であって、主はバレエダンサーでありバレリーナであったということだ。だからコンサート形式で演奏される『白鳥の湖』とバレエ『白鳥の湖』の時にオーケストラピットで演奏される場合とでは、同じ曲でありながら、間のとり方やテンポの緩急の付け方が微妙に違うということを、バレエを観にいって判ったことなのである。それが所謂、バレエ曲なのである。つまり、私が良く聴きなれていた『白鳥の湖』というのは、組曲の方であり、こちらはコンサート形式でよく演奏されるので馴染みがあったということである。

 第2幕~情景


 マーゴット・フォンテーンのオデット(第2幕)

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