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2008.04.21 (Mon)

映画『ウエスト・サイド物語』を観る

 『ウェスト・サイド物語』1961年製作 アメリカ映画

 監督 ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス

 出演 ナタリー・ウッド
     リチャード・ベイマー
     ジョージ・チャキリス
     リタ・モレノ
     ラス・タンブリン
     タッカー・スミス

 【あらすじ】ニューヨークのウェスト・サイド地区。ここに対立している二つの少年少女グループがあった。白人グループのジェット団とプエルトリコ系のグループ、シャーク団である。彼らは日頃から仲が悪く、喧嘩も頻繁で警察沙汰が繰り返される。そんな或る日、ダンスパーティが開かれた。そこで元ジェット団のリーダーだったトニーは、マリアを一目見て恋をする。でもマリアはシャーク団のリーダー、ベルナルドの妹であった。またトニーもジェット団のリーダー、リフの親友であった。トニーはマリアのために両グループの間に入り、対立を解かせるために策を講じる。でもそれが逆効果となり、リフがベルナルドに刺し殺されてしまい、親友を殺されたトニーは逆上して、ベルナルドを刺し殺してしまう・・・・・・・。

 この映画は1957年に初演されたミュージカルの映画化である。そもそもシェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の悲恋話が、現在のニューヨークにも存在するとばかり、焼きなおされた物語である。モンタギュー家とキャビュレット家の対立の中で恋人同士となるロミオとジュリエットを、ニューヨークの対立するグループの狭間で恋するトニーとマリアの悲恋話に置き換えたといえばいいだろうか・・・。

 映画『ウェスト・サイド物語』は1961年に映画化され、同年のロードショーで私も観ている筈なのだが、幼かったので何一つ覚えてない。だが、小学校の高学年だった姉は、この映画が大変気に入ったのか、すぐにレコードを買って盛んに挿入曲『トゥナイト』や『マリア』を聴いていた。そういった経緯もあって、私の中では『トウナイト』という曲が、体にしっかりと染み込んでいたものだ。

 結局、私が『ウェスト・サイド物語』の真髄に触れるのは、それから10数年後のことで、私は大学生になっていた。確か京都の新京極の裏にあった美松劇場(今はない映画館)という汚い映画館で観たと思うのだが、この時はいきなり衝撃と戦慄が走り、あっという間に映画が終わったという印象がある。

 レナード・バーンスタインの音楽も素晴らしいのであったが、全編で踊るシーンがあり、彼等の見事なダイナミズムに触れ、私は心底、この映画が好きになり、この日は最終まで3回の上映を飯も食わず観ていたものだ。

 その後、私が社会に出てこの映画の話になった時、或る男が「あんなの、ロミオとジュリエットの真似や」と言った。それを聴いてカチンときたものだ。ミュージカルの脚本家が最初から『ロミオとジュリエット』の現代版だといっているのに、「真似や」はないだろう。ただの真似だけなら、このミュージカルがこんなにヒットして、映画の方もアカデミー賞の何部門かの賞を総なめにする筈もなかろう。この映画の良さは、脚本の出来栄えが良かったというのもあるが、音楽の素晴らしさと、その音楽とシンクロした歌とコーラスと踊りが巧く絡み合って、見事なまでに圧倒されてしまうのだ。ただ、この映画を「ロミオとジュリエットの真似や」で片付けた彼はには、つまらない映画であったようだが・・・・。

 そもそもミュージカルというものを見慣れてない人には、なんで突然踊りだしたり、歌いだしたりするのだと思われるかもしれない。でもそれがミュージカルなのであり、ある意味で、そのような演出は臭いといえるかもしれない。しかし、曲をよく知っていれば、映画も2倍、3倍楽しめる。それがミュージカルであり、そこへダンスが加わり、よりいっそう楽しめるのである。でも私が、この『ウェスト・サイド物語』の『トゥナイト』や『マリア』『アメリカ・アメリカ』『サムホエア』といった曲を、子供の頃から聴き馴染んでなかったとしたら、さほど面白い映画と思わなかったかもしれないし、これほど衝撃を受けることもなかったであろう。だからこのミュージカルの挿入曲を、レコードが磨り減るぐらい聴いていた姉に私は感謝しているのである。

  『ウェスト・サイド物語』のプロローグ。


 バルコニーでトニー(リチャード・ベイマー)とマリア(ナタリー・ウッド)が"Tonight"を歌う。


 "Somewhere"を歌うトニーとマリア。

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