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2009.11.16 (Mon)

冬支度

 暦の上では立冬は過ぎ去ったが、これまで暖かかったので薄着で出歩いていたし、就寝の時も薄い布団一枚で寝ていた。それが昨日辺りから、何となく冬の入り口が近付いているような按配で、そろそろ冬支度をしなくてはと思い、とうとう櫓炬燵を出して布団を被せ、早速、足を突っ込んだ。いいねえ。日本人はやはりこれに限る。

 小生はエアコンの冷風は嫌いではないが、温風は苦手なのである。だから冷暖房両用のエアコンでも冬は使ったことがない。とにかくエアコンから暖かい風が頭に吹き付けてくるだけで気分が悪くなる。そもそも頭寒足熱といって頭というものは絶えず冷やしておくものだろう。だから温めるのは膝より下だけでいいのである。それがエアコンときたら部屋中、暖かくなるから困ったものだ。部屋の温度が急激に上がり、頭までが熱せられる感じがして、それでいて下半身がどことなく冷えるから、あまりエアコンは使いたくないのだ。だから毎年、冬になると石油ストーブで少々、室内を暖めるぐらいで、あとは櫓炬燵に足を突っ込み、それでも物足りないと、身体の半分ぐらいを突っ込み、炬燵に被せてある布団を頸まで持ってくる。そうするといい気持ちで、何時の間にかコックリと寝てしまっていることがある。こんな調子で、深夜、テレビを観ながら櫓炬燵に身体を突っ込んで冷酒を飲んでいたものの、気がついたら朝だったということが昔はあったものだ。

 若いときは体力があったので、よく、櫓炬燵の中で寝ていたものである。今だと同じことをするとすぐに風邪をひいてしまいそうなので、寝るときはきちんと布団をしいて寝ることにしている。そういえば、とうとう毛布も出してしまったし、冬に被る厚めの布団も押入れから引っ張り出してきた。これで毛布を被り、厚めの布団を被れば、少々、寒くても心地よくなる。そして眠気に誘われて深い睡眠につくといいたいが、小生は不眠症なのであまり寝られない。若い頃はよく寝られたものだが、最近は床についてもなかなか寝付けなく、2時間ぐらいは平気で起きていることがある。困ったものだが、一度、眠りに落ちてもそのまま朝まで直行ということはなく、必ず真夜中に目を覚ますのである。こんな調子で10数年、すっかり寝られないようになってしまったのである。一日の平均睡眠時間は4時間ぐらいだろうか。でも、それでいて日常の生活に支障がない。眠りが深いのかどうか判らないが、睡眠時間は普通の人より短いと思う。ただ、その反動があるのかどうかしらないが、昼間に睡魔が襲ってくる。本当に困ったものであるが、だから休みの日は必ず昼寝をすることにしている。職場でも昼食を摂ったあとは15分程度の昼寝はかかさない。たった15分と思われるかもしれないが、これがけっこう気持ちがいいのである。

 何故、日本にはシェスタの習慣がないのか不思議な気がするが、一度、スペインなりを訪れてみるといいだろう。ああいうシェスタの習慣がある国は、日本のようにギスギスしていない。日本人は睡眠時間を削ってまで働いているようだが、朝の電車でシートに座っている人を見渡すと大半が眠っている。やっぱりなあ。みんな朝早く起きるのが嫌なのだ。国民性とはいえ働き蜂の戦士達は哀れなものである。これからは日が昇るのが遅くなり、日が暮れるのが早くなる。朝は暗いうちから家を出て退社するときには既に真っ暗。ああ、悲しい勤め人の性・・・・・・・。冬は布団の中が気持ちいいので、朝になっても布団から出たくなくなり、仕事をさぼってやろうかと思ったりすることも度々ある。つまり、冬が近付くにつれ、これからが勤め人にとって本当に辛い季節なのである。冬支度をしていると、ふと、切なくなりため息が出てしまう今日この頃である。
 
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