2007.11.19 (Mon)
クリームのアルバムを聴く・・・・・『カラフル・クリーム』
私が外国のポップスを聴きだした頃というと1960年代中頃であるが、イギリスにスーパー・グループが存在した。その名をクリームという。メンバーはたったの3人、ギターとヴォーカルのエリック・クラプトン。ベース、ヴォーカル、ハーモニカのジャック・ブルース。ドラムスのジンジャー・ベイカー。
当時の洋楽雑誌で名前を知っていたが、小学校を出たばかりの少年に高価なLP盤など買えるわけもなく、したがってどんな演奏をしているのか知らなかった。私には姉がいて、この姉がラジオで洋楽ばかりを聴いていた関係で、私も洋楽ファンになったということもある。でも姉が聴くのはメロディアスなポップスが中心で、ギターテクニックがどうのこうの、ドラムスがどうのこうのといった聴き手ではなかった。だからクリームというバンド名を聞いても、興味を示さなかった。また日本のラジオでは、ヒットチャートの上位曲を中心に流していた。そういったこともあってクリームの名は知っていたが、ほとんど聴いたことがなかった。
そんな或る日、『サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ』という曲がラジオで一時期、よく流れていた。最初に聴いたときは重くて響くギター演奏で始まる曲だという印象があった。とにかく演奏が3人とも上手いと思った。それで、この『サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ』が入っているアルバム『カラフル・クリーム』が欲しくて、小遣いを貯めたのだが、結局は買えなかった。それで、このアルバムを持っている奴が周囲にいないか探したが、こんなクリームのような渋いバンドのアルバムを持っている中学生など、ほとんどいなかった。せいぜいローリング・ストーンズかモンキーズである。だから、私がアルバム『カラフル・クリーム』を買って、全曲を聴いたというのは数年後のことである。
収録曲は11曲『ストレンジ・ブルー』『サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ』『苦しみの世界』『夜通し踊ろう』『ブルー・コンディション』『英雄シリーズ』『スーラバー』『間違いそうだ』『アウトサイド・ウーマン・ブルース』『テイク・イット・バック』『マザーズ・ラメント』・・・。
総体的に透明感のある音色であるが重低音で、3人三様のテクニックが発揮されていて、当初はブルース・バンドかと思っていた。しかし、このアルバムに関しては、そのような印象は薄く、当時、流行りつつあったニューロックに近いサウンドだった。でも。それまでのリバプール・サウンドともウェストコーストのポップスとも違っていた。音楽性から見れば、さほど先進的なことを試みているのではないが、とにかくテクニックの見事な演奏に聴き惚れるといったようなバンドであったことは間違いない。
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