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2007.10.14 (Sun)

写真で見る東山界隈②

s-P1000568.jpg ②s-P1000569.jpg ③s-P1000573.jpg 
s-P1000574.jpg ⑤s-P1000580.jpg ⑥s-P1000583.jpg 
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 昨日の続きで、平安神宮の前を東に向かい500mほど歩くと、白川という小さな川に出る。そして、さらに山側へ歩くと紅葉の名所・禅林寺(永観堂)の入り口に差し掛かる。この前を南に数分歩く。すると南禅寺の北側の入り口にぶち当たる。そこから境内に入る。

 ①南禅寺の三門である。巨大な三門で重要文化財に指定されていて、歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな」と見栄を切る場面が有名であるが、あれは出鱈目である。何故なら、この三門は石川五右衛門の死後に建てられた(1628年)ものであるから、五右衛門が生きていた時代にはなかったということになる。

 ②南禅寺境内の奥の方に煉瓦造りの水路閣がある。明治時代に琵琶湖から水を牽いて京都市内に発電を起こしたというが、その水路の一部である。蹴上から南禅寺境内を通って、哲学の道へと水は流れて行き、松ヶ崎浄水場から鴨川を経て堀川まで続いている。

 ③水路閣を上から覗くとこのようになる。見事に水が勢いよく流れていることが判る。かなりの勢いで西から東へ、さらに北へと水が流れていく様が見られる。

 ④若王子神社から銀閣寺の参道までの琵琶湖疏水べりの道を「哲学の道」と呼ぶ。それは京大教授だった哲学者・西田幾太郎が何時も散策していたから、そのように言われるようになったそうだが、桜や紅葉の季節には人、人、人で溢れ返り、とても哲学といった雰囲気ではなくなってしまう。

 ⑤鹿ケ谷にある法然院の山門である。哲学の道を北へ向かって1㎞も歩くと、法然院へ抜ける道がある。正式名は萬無教寺。でも法然上人ゆかりの寺なので法然院で通っている。法然院は10月の間は訪れる人も余り多くなく、静かな竹林に囲まれ落ち着いた佇まいの中にあり、山門は茅葺の数奇屋造りで独特の風情がある。でも私は法然院に行く時は、しとしとと小雨が降る日に限ると思っている。濡れた石畳と竹林が薄曇の中で映え、静寂が周囲一帯を包み隠してくれるような雰囲気になるのだ・・・・。

 ⑥法然院を出て、北へ300mほど歩けば、慈照寺の参道に出る。ここへ来ると驚くほど観光客が多い。ちょっと人の多さにウンザリする。参道の両側は土産物屋や漬物屋、料理店等が切れ間なく並んでいて、それが慈照寺の入り口まで続いている。慈照寺、通称は銀閣寺というが、室町幕府8代将軍・足利義政が建てた山荘で、銀閣と呼ばれる写真の建物は観音殿のことである。

 ⑦もう一つ、観音殿(銀閣)を別の位置から撮った写真である。でも観光客の大半は「ショボいよねー」とか「何か冴えないよー」とか言って、すこぶる評判がよくない。彼女達は銀箔でも貼ってあるとでも思ったのだろか。名前は銀閣寺だが、キンキンキラキラの金閣寺と比較してもらっては困ります。これでも国宝であって、庭園を含めた様式美というものに趣があることを察してもらわないと、銀閣寺に来る価値はありませんよ。

 以上、清水寺付近の八坂の塔から始まって、延々と4時間近く歩きました。途中、昼食と休憩をいれて、ほぼ半日はかかるでしょう。でも、これを全て歩く人は珍しいでしょう。観光客は先を急ぐようにバスに乗るか、タクシーで次の目的地に向います。しかし、京都は歩いてこそ本来の良さが判る街です。何気ない裏通りや土塀や名もない寺社、民家、竹林、小川、大木、これら全てに歴史が感じられるのであって、ポイントポイントだけを観て、土産物を買って、あとは食べるだけの観光はやってもらいたくはないです。・・・とは言っても観光客は時間的制約があるので無理があるかもしれませんねえ。
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